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【テストステロン】皮下注射ってどうなの?
基本的にテストステロン(男性ホルモン)療法は筋肉注射ですが、
最近、「テストステロンの皮下注射はどうなのよ?」と、質問があったので書きます。
最近、国によってですが。
テストステロン薬の中でも、シピオン酸テストステロン(testosterone cypionate)は、皮下注射が行われているようですが…
日本でこの薬☝はあまり使用されていない印象があります。
下記文献より抜粋し、まとめました。
◆皮下注射可能な薬◆
・シピオン酸テストステロン
→日本ではあまり使用されていない。少量投与(0.4ml未満)が最適、とのこと。
◆皮下注射不可の薬◆
①エナルモン、テスチノン等(テストステロンエナント酸エステル)
②サスタノン
→不可理由:①②は刺激性の強い防腐剤を使用しており、皮下注射では痛みが強くなるため。
③ネビド(NEBIDO)、セルノス、リアンドロン
→不可理由:一回の注射量が多すぎるため。自己注射は危険。
そして、脂肪量が多い方は薬の吸収がさまたげられてしまうため、皮下注射は行わない方がよいと言われています。
▲ ☝に使用不可とは書きましたが、エナルモンは所説あり。
エナルモンの皮下注射の研究は進んできており、
エナルモン皮下注射を行っている国もあるようです👇
しかし、海外では日本とは異なり、エナルモンの1回投与量が異なります。
本来、エナルモンは少量を頻回に注射する薬なのですが、日本のエナルモンの1回投与量は、他国と比較して多いのです。
日本の場合、エナルモンの投与用量(125mg or 250mg )が多く、投与回数が少ないのです。
☝の皮下注射の論文も、
エナルモンの1回投与量が50-100mgであり、注射用量が少ないですね。
(*一部150mg/回の記載あり)
皮下注射の用量は少量投与で推奨なので、
エナルモンを皮下注射する場合は、少量投与ならOKなのでしょう!!
今後もテストステロン注射の皮下注射の研究は進んでくるかと思いますが、
非医療従事者の自己注射は危険も伴うので、安全に行うことがベストかと思います。
自己注射は打つ場所によっては
血腫ができたり、しこり(注射製剤がかたまり、皮下にしこりができる)こともあります。
どうしても遠方で病院受診ができず自己注射を行う場合は、
医療従事者の指導の下、安全に行ってください。
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★最後に★
自己注射(皮下・筋肉)について解説です。
◆皮下注射について
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https://www.optimale.co.uk/articles/subcutaneous-testosterone-injection/
☝テストステロンの皮下注射のページです。
◆皮下注射のメリット◆
①筋肉注射よりも 直接薬が血管内に注入される可能性が低いため、より安全。
②お腹に注射できるため、注射手技に慣れていない人も行いやすい。
③筋肉の損傷や瘢痕組織へのダメージが少ない。
④テストステロンの効果がゆっくりなので、副作用が少ない可能性がある。
◆筋肉内注射について
わかりやすい解説を見つけました。
動画もあるので、興味がある方は御覧ください。
https://www.optimale.co.uk/articles/intramuscular-testosterone-injection/
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