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萬象閣敷島(佐賀・嬉野温泉)宿泊記*2019年5月
「日本三大美肌の湯」を専用露天風呂で堪能できるデザイナーズ旅館
今回宿泊した「萬象閣敷島」は、佐賀・嬉野温泉にある温泉宿です。お土産屋などが並ぶ嬉野温泉の中心地からは少しはずれた、のどかな市街地にあります。
レンタカーで到着すると、エントランスで待機していたスタッフに車のキーを預け、すぐにロビーへ。嬉野茶の紅茶をいただきながらチェックイン手続きを行い、お部屋へ案内されます。
部屋で改めてウェルカムデザートと抹茶をいただき、館内の詳しい情報などをゆっくりと案内していただきます。デザートは、宿の菓子工房で毎日手作りしている「敷島プリン」で、黒蜜の風味がアクセントとなっている、なめらかで甘さ控えめな大変美味しい抹茶カスタードプリンでした。
[客室]広いテラスの真ん中で、名湯を独占!
こちらの宿は全34室で、露天風呂付き和洋室が2タイプと、和洋室、和室、の計4タイプの客室があります。今回は「With oak」という露天風呂付き和洋室に宿泊しました。
数年前に宿全体をリノベーションしたそうで、建物自体は新しくありませんが、客室はもちろん、ロビーや食事処、大浴場などの共用部分も、シンプルモダンな内装で、調度品は北欧調のデザイナーズ家具でまとめられた、洗練された雰囲気です。
客室の玄関を入ると、すぐにトイレや洗面所などの水回りスペースがあり、突き当りに8畳の和室、その左奥にツインのベッドルームがあります。
ベッドルームの窓辺には広いバルコニーがあり、その中心に専用の露天風呂が設置されているという間取りです。
市街地の中の宿なので大自然の眺望などは臨めませんが、宿の周りは目隠しの木立で囲まれているため、部屋の窓やバルコニーからは風に揺れる木々の新緑が見え、森の中にいるような錯覚をおぼえます。
日当たりが良く明るい和室には座り心地の良いソファがあり、ここで座って寛ぐも良し、畳に寝転がるも良しで、思い思いのスタイルでリラックスできます。ベッドルームにはテレビのほかにオーディオと環境音楽のCDが用意されていて、こちらの部屋でもゆったり過ごすことができます。
広々とした客室露天風呂の浴槽は、チェックイン時にはお湯は張られておらず、自分が入りたいタイミングで給湯します。嬉野温泉は「日本三大美肌の湯」のひとつに数えられるそうで、無色透明ですがややとろみのあるお湯で、肌にやさしくまとわりつくような、やわらかい湯ざわりです。源泉温度が高く、蛇口から出るお湯は60度以上あるため、水を足すか、時間を置いて冷ましてから入ります。
チェックアウト日は朝から雨でしたが、浴槽の真上部分に透明のアクリル板が取り付けてあり、浴槽には雨が落ちないようになっていたので、多少の雨でも露天風呂を楽しむことができました。
[温泉]個性豊かな貸切風呂で湯めぐり
こちらの宿には、予約制の貸切露天風呂が8か所あり、ランプの湯や、広々としたウッドデッキを構えた湯、隠れ家っぽい設えの湯など、それぞれコンセプトやデザインが異なります。
1回50分〜90分で、利用時間によって料金も変わり、宿泊客以外の日帰り入浴も可能です。
今回は「木のギャラリー」と「緑と広々デッキのコントラスト」というタイトルのお風呂を利用しましたが、どちらもおしゃれなデッキチェアやテーブルセットが置いてあり、ゆったりと温泉を楽しみながらプライベートの時間を過ごせます。
大浴場は、内湯のみの大浴場と露天風呂のみの大浴場の2か所があり、フロアも棟も別々に分かれています。
内湯、露天のいずれも間接照明や植栽にこだわったスタイリッシュな雰囲気で、昔ながらの嬉野温泉の鄙びたイメージとはかけ離れた印象でした。
[食事]旬の素材と佐賀地産地消グルメに舌鼓
食事は、夕食・朝食とも1階の食事処でいただきます。すべて個室になっていて、プライバシーがしっかり保たれています。
小海老や鶏、イカつみれなどいろいろな出汁のきいた土瓶蒸しや、ニラの香りが引き立つ緑鮮やかなスープ鍋など、汁系の料理が多いのが印象的でした。
この他、木の芽味噌でいただく春野菜や、陶板で焼く佐賀牛ステーキなど、旬と地物にこだわった料理を心ゆくまで堪能しました。
また、翌日の朝食では、嬉野温泉の名物「温泉湯豆腐」が食べられました。弱アルカリ性の嬉野の温泉水で茹でた豆腐は、表面がとろとろに溶け出し、淡雪のような食感になるのが特徴です。こちらを胡麻だれで美味しくいただきました。
スタッフは皆、非常に丁寧で穏やかな接客で好感が持てます。ただ、接客がかなりマニュアル化されているのか、どの方も同じような口調、同じような笑顔で、丁寧な中にやや画一的な印象がありました。
客室の専用露天風呂に加え、バリエーション豊かな貸切露天風呂もあり、居心地の良いおしゃれな空間でゆっくり過ごせる素敵な宿でした。尚、こちらの宿は和室と一部の和洋室を除き、小学生未満の子どもは宿泊できません。また、古い建物をリノベーションしているため、所々に段差があるなどバリアフリーには対応していません。そのため、ファミリーでの旅行よりは、若い方のカップル旅行や女子旅にぴったりなのではないかと思いました。
※写真と内容は2019年当時の情報です。ご了承ください。