カムカムエヴリバディと言われ辿り着いたのはSixTONES沼だった
結論から言おう。SixTONESにどハマりした。
「ド新規スト担です」
そんな言葉を使う事になるなんて、11月になるまでは思わなかった。
以前から、SixTONESというグループの存在は知っていた。
ジャニーズから2グループ同時デビュー!と、それはそれは話題になっていたから。
あのYOSHIKIさんが提供したデビュー曲、Imitation Rainを歌番組で聴いた時
「歌上手い!YOSHIKIさんが作る曲だから難しそうなのに、歌いこなせてる!」
と思っていた。
歌を大切にするアーティストが好きだから、好意的に思っていた。
でも、その時は「歌頑張ってる子たちがいるのね、喜ばしいことだね」で終わった。その後もちょくちょくテレビ番組で見かけては「あ、このグループのあの子とあの子歌上手いんだよね」程度の認識で、この期に及んでこんな事になるなんて思わなかった。
きっかけは朝ドラ「カムカムエヴリバディ」。
その前に放送していた「おかえりモネ」にキンプリ永瀬廉くんが出ていたのは見ていたので、繊細な表情の演技に「いやージャニーズにもこんな演技力高い子がいるんだな、キラキラ王子様オーラ消せるんだな」と感心した。
次の朝ドラにもジャニーズの子が出る、それがSixTONESの松村北斗って人だ、なんでも国宝級イケメンランキングで1位を獲ったことのある人らしい、と聞いて、正直
「えっと…ごめんね顔が出てこないや…」
と思っていた。
そんな過去のわたしを今は全力でぶん殴りたい。
そしてその時は訪れた。
おかえりモネが終わり、カムカムエヴリバディの紹介番組がテレビから流れていた。
「Go straight along this street.」
英語の発音良い!!!素敵!!!スマート!!!!!!
正直に申し上げるとわたしは英語の発音が綺麗な人に弱くて、はちゃめちゃに興奮してしまった。
いま思えば、もうこの時点で落ちかかっていた。
本放送。11月3日のこと。
「Go straight along this street.」
を再び耳にして、にやにやが抑えられない自分がいる事に気付いた。
それに加えて「イケメン」ではなく「ハンサム」という言葉が似合う端正な顔立ち、すらっとした高身長に長い脚、物腰の柔らかさ、立ち居振る舞いの美しさや滲み出る品の良さ、話す声の穏やかさ…
ジャニーズだから話題作りのために起用しよう、というだけでは絶対に成立しない「雉真稔」。本当に素敵だった。
英語で喋る場面も複数あって、その度に舞いあがってしまっていた。
安子ちゃんが覚えたての英語で
「May I write a letter to you ?」
と尋ねた瞬間、わたしはなぜか
「ここでOf course.って言ってくれ!」
と願っていた。
次の瞬間
「Of course.
僕も返事を書くよ」
かんっっっっっっぺきだった。
稔さんに落ちた。
しかしこの時はあくまでも「こんな素敵な人を演じることができる役者さんがいるんだなあ」程度にしか考えていなかった気がする。
いや、自覚していなかったと言うべきか。
そんな中「稔さんを演じる松村北斗さんが土スタにゲスト出演」と聞きつけた。
せっかくだから観てみようかな、しかしジャニーズだから永瀬廉くんがあさイチに出た時みたいに彼もモテポーズとか取らされるんだろうか…とも思いつつ。
以下、彼の発言を一部抜粋。
記憶違いもあると思うのでご了承いただきたい。
「(安子が勇に抱きつかれるシーンを見て)ゔ、ちょっとぉぉ!!!」
ん?
「(岡山弁と英語が混ざって)頭バグって※☆∞◎@………(寄り目)」
ん??
「(自分を和菓子に例えると)きなこもち。
僕も好きなんですけど、どちらも勢いよく食べるとむせます!」
ん???
「今日も深夜にラジオがあるんですけど、稔から入ったかたはラジオは一回お控えいただいて!寝てください!!!」
ん??????
ラジオ聞くな聞くな、と何度も言う姿に、ダチョウ倶楽部の押すな押すな芸のような、鶴の恩返しの「決して覗いてはいけません」と言われたにも関わらず好奇心が勝ってしまうような気持ちがむくむくと湧いてきた。
他にも、自分の顔が地味だと思い込んでいるのか「自分の居場所はこっち(昭和初期)」だとか、グループを紹介され素敵と言われた際は「でも端の方なので!」などとある意味自虐的とも取れる姿に、ジャニーズでもこんなに気取らない人いるんだ?この人面白い人なのかも?録画しておけばよかったかなあ?と思っていた。
襖の向こうを覗きたくて仕方ないおじいさんの気持ちが今はわかる。しかし松村君は鶴に変身して飛び去ってしまうような事はしないだろう。
自分にそんな言い訳をしつつ、軽い気持ちで件のラジオ・オールナイトニッポンサタデースペシャルを聞いてみた。
深夜にも関わらず腹を抱えて笑った。
内容は、彼の心情に配慮して割愛。
稔さんしか知らない人にはそのイメージを壊したくないから聞かれたくない、と心の底から思っていたのは本当のようだった。
わたしはそういうものに比較的耐性があるから大丈夫だった、というより、土スタの時点でなんとなく滲んでいた。ここまでとは思わなかったけれど。
それにしてもやっぱり面白い人だった。
しかし、清廉潔白が服着て歩いてるみたいな稔さんをそんな面白い人が演じているのはむしろすごいことなのでは…?
稔さんというより松村北斗という人物についてもっと知りたいと思い、Twitterで検索してみると
「稔さんの中の人はメガネの人と同一人物ですよ」
と言っている人がいて。とある画像に辿り着いた自分は
「あっこの人?!?!!?!」
と叫んでいた。
見覚えがあったからだ。
8月のMステ。
たまたまテレビを点けていて、ふと画面に目をやったらメガネをかけている超美形の人がいて。
「えっメガネの人めっちゃかっこいい!!!
失礼ながらこんな人いたっけ?!?!
…いや、正直ぶっ刺さりまくってるけど世代違うし今更ジャニーズって…ねえ…」
と逡巡していたのを思い出した。
当時『メガネの人』でトレンド入りまでしたらしい。
この時にさっさと沼落ちしておけばよかった。
自分の頭の中で
稔さん=土スタの礼儀正しいし頭の回転早い感じだけどちょっと不思議な松村君=オールナイトニッポンの(自粛)=メガネの人
という図式がどうしても結び付かなくて、しかしむしろそのギャップが面白かった。
さて、この時のオールナイトニッポンでは松村君とメンバーの田中樹君が2人で喋っており、田中君もその語り口からかなり頭の回転が早く、トーク力があると感じた。
SixTONES公式YouTubeチャンネルの存在も知ったので、試しに何か観てみようと思って最初に再生させたのが「スカイツリーをどれだけ遠くから撮れるか」という企画の2回目で。
なぜ1回目から観ないんだというツッコミはご容赦いただきたい。本当にここまでは軽い気持ちだったのだ。
しかしその時にはもう、腰くらいまでSixTONESの沼に浸っていたのだった。
そこではSixTONESメンバーの関係性の良さが滲み出ていて、お互いのやり取りが面白くて思いっきり笑って、思いっきり動画を漁った。
ああ、この6人には仕事だからやらされてるみたいな感じが一切なくて、何でも楽しめちゃうんだなあ、こんな関係性素敵だな、それにしてもみんなよく喋るし言いたいこと言うしふざけ倒すなあ、みんな面白いな。と、あちらが終わればこちら…と時間の許す限り彼等のアップした動画を見続けた。
全員が自由に喋って、自由に楽しんで、お互いがお互いを理解しているからこそのやり取りが沢山あって、この6人でいることが一番楽しいと全員が思っているのだろうなと思った。
最初は企画系だけを観ていたが、デビュー当時歌唱力の高さは知っていたので曲も聴かないとと思い立ち、同じSixTONESチャンネルに上がっている彼等のMVやライブ映像を観てみると、楽曲は9割がたジャニーズという概念をぶち壊されるような、クールでお洒落、且つ音楽好きも唸るようなバラエティに富んだもの。
企画系の動画と同じ人がやっているのはわかっているのに、そのギャップに度肝を抜かれた。
わたしが「今更ジャニーズって…」と戸惑っていた原因、それはジャニーズアイドル楽曲特有の「かわいい・キラキラ・王子様」といったイメージ。
それはそれで良いのは勿論理解している。わたしも10代の頃は結構好きだった。しかし10代がどんどん遠い昔になっていっている今の自分には胃もたれしかねないと思ったのだ。
しかしSixTONESの楽曲やその世界観は他のジャニーズのグループとは一線を画すものだった。楽曲のコメント欄にも「ジャニーズとは思えない」「アーティストだね」といった意見が散見されている。
ジャニーズといえば、少し前まで写真すらネットにはまともに載せられなかった事で知られていたはずだ。それが、彼等に関してはこんなに振り幅のあるコンテンツが無料で見放題なことに驚きを隠せない。
それだけではない。このグループにおいてわたしが最も驚いたことは、ジェシー君が「この6人でデビューしたい」とジャニーさんに直談判してユニットを組んで、そのままのメンバーでデビューしたこと。
ジャニーズのデビューグループはユニットがあってもそのままデビューする訳ではなく、ジャニーさんとかタッキーとかの上の人から誰と誰組んで、と指示されるものという認識があった。彼等に関してはそうではなかったのだ。だからあの関係性が生まれるのも頷ける。
この6人は2012年のドラマに出演するために集められたメンバーらしく、紆余曲折ありつつ今に至ったようなのだが、わたしのようなド新規が語るよりも彼等をもっとよく知る人から教えてもらった方が良さそうなので割愛する。
そもそもドラマのために組んだユニットだったのに、歌唱力で勝負できるという時点で驚きである。
SixTONESというグループのことを知れば知るほど好きになる。
驚くべきスピードでSixTONES沼に首まで浸かった。
ちなみに、現在までに公開されているYouTubeのライブ映像でわたしが最も心を動かされたのは「ST」だ。
コロナ禍で行われた今年6月のライブ、その終盤。
彼等は魂で歌っていた。
彼等のライブに対する想い、6人で歌い続けることへの想い。彼等の、自分達の持ち歌への愛。観客席にteam SixTONESがいることの喜び。それが彼等の歌声から、全身から溢れ出ていて、画面越しなのに彼等の熱が伝わってきて、鳥肌が立った。
収録されているBlu-rayも購入して観たが、その前後数曲は鳥肌が止まらなかった。
彼等は輝いていた。しかしキラキラというよりギラギラ、いやもっと眩しいほどに。それは6人がそれぞれ自分達をずっと磨き上げ続けてきたからに他ならない。
彼等は「アイドル」を超えた「アーティスト」なのだと、わたしは断言したい。
これだけ魅力的なグループなのでそう簡単にチケットが取れるとは思えないが、一度でいいから彼等のライブに立ち会いたい、いつの日かその願いを叶えたいと思っている。
どこかのコメントに書いてあったが、SixTONESに関わった人は皆team SixTONESなんだそうだ。つまり、わたしもいつの間にかteam SixTONESに入っていた事になる。
稔さんの中の人が所属するSixTONESはカムカムエヴリバディなグループということだったのか…とまた感激した。
カムカムエヴリバディを観なかったら、雉真稔という存在を知らなければ、こんなに素敵なグループの魅力を知らずに生きていたかもしれない。
先ずは松村君が誠実に「雉真稔」を生きてくれたことに感謝。
第5週、ラジオ講座を通して安子が思い描いた、穏やかな、しかし決して起こり得ない日常の空想の中に稔が出てきたシーンには、朝から声を上げて泣いてしまった。あれだけ様々なものを観てきたのに、そこにいたのはちゃんと「稔さん」だった。
松村君は今後ますます俳優として活躍するのだろうな、していってほしい、と思う。ますます多忙になるのだろう。辛いこと、苦しいことも増えるのかもしれない。
そんな彼が素の自分を解放できるのがSixTONESなのだと思う。彼が…いや彼だけでなく、SixTONESの6人全員がSixTONESでいてくれたことに心から感謝したい。
少なくとも6人ともよく寝てちゃんと食べて、いつまでも元気で、くだらないことでもみんなで笑っていてくれたらそれでいい。
まだ語りたい事はあるが、思った事を書き連ねたらとんでもない文章量になってしまったため、とりあえずこのあたりで一旦打ち止めにしておく。
色々と書いたがつまるところ、SixTONESを好きになれたこと、即ちteam SixTONESになれたことはわたしの誇りだ。
これからも様々な景色を見せてくれるであろう彼等に、どこまでもついていきたい。