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むらさきのスカートの女

【むらさきのスカートの女】
『今村夏子』

有名な不気味小説。
前々からこの小説は不気味!怖い!とSNSなどで噂になっていたため気になって探して本屋の棚に見付けました。
第一印象は、余りの薄さにびっくり。もう少し分厚いと思っていたから、度肝を抜かれた。
そして早速呼んでみたが……。
結論、私は不気味や恐怖は感じなかった。
読み進めるうちに、語り手である黄色いカーディガンの主人公が実は男なのかとか、ストーカーなのかとか、死者なのではないかとか、存在しないなにかなのではないかとか、むらさきのスカートの女本人なのではないかとか、いろいろと推測するものの、結論はどれも違う。
というか、読者の想像におまかせといった感じだろうか。
確定で違うというものもあるが、主人公が何者であるかなどを語る種明かし描写はない。

なぜこの本が不気味だと思われるかって、最初はむらさきのスカートの女が不気味なんだろうなと読み始めるも段々と彼女に謎に固執し続けてストーカーする主人公の奇行に誰も突っ込まなくて、主人公も宛らそれを当然のように語り続けるから常識が欠如していて、まともな完成を持っていたら突っ込みたくなる部分が多いからだと思うんだけど、私としては複雑な気持ちになった。

というのも、差別的な気持ちは一切含んでいないが、実際に、こういう人たちって、存在します。
何かしらの精神疾患を患っているだとか、障害があるだとか、何もなくても、こういう人って、結構地域にはいませんでしたか。
むらさきのスカートの女であったり、主人公のような狂った思考をしてる人とか、触れてはいけないし語ってもいけないような気がして誰も触れていないだけで、結構いる気がする。
だからそういう人視点なのかなと思わざるを得なかったというか……。

ただの精神異常者の物語なんだろうなとしか思えなかったし、登場人物の薄気味悪さはあったけど、人怖と言い切るには要素が弱くて、結局、あっとなるシーンも特になく、うーん。
これがここまで絶賛されたり一番好きな本と語られる所以が私には分からなかった。

私は働いていないので、むしろ登場人物はみんな私より偉大で賢い思ったし、彼女らを不気味に感じるのなら私はきっとど恐怖の対象なのではないだろうか……。

エッセイも読んだけど、作者も何かしら……いや、本当に差別的な意図は含んでいないけど、曲解する人が多いので思ったことをそのまま書けない。

まあ失礼と言われればそうか。
失礼なことは書きませんが、著者の作品はもう一作品くらい読んでみて、面白かったら良いなと思いました。
また読みます。