若林正恭に言われた一言


 視野の狭い新道竜巳と視野の広い若林正恭の違いがはっきりとした瞬間でした。

 もともと僕は遅刻が多く、通称「目覚まし人間そう君(以下そう君)」というフリーアルバイターを雇って、仕事があるとウチまで起こしにきてもらい、現場まで連れていってくれる人を雇ったことから始まりました。

 もともとそう君は、ライブスタッフを主にしながら、ホームセンターでアルバイトをしていました。僕の出演するライブでよく会っていて、知り合いの芸人との繋がりもあるのでライブスタッフを手伝ってもらいました。そう君はライブに手伝いに呼ぶとすごく喜んで手伝ってくれ、「次はいつですか、いつですか?」と積極的に来てくれました。

 そのころ、僕は仕事がぽつぽつ入っていて、ライブやテレビで遅刻が目立っていました。そこで朝起こす役をお願いすると快く引き受けてくれて、楽しそうに起こしにきてくれた。そこで僕が名付けた名前が「目覚まし人間そう君」。なんといっても彼は芸能人が好きで、有名な人と会うだけで飛び上がって喜ぶのです。

 そしてM-1グランプリ2016では準決勝の舞台裏まで連れて行き、オードリーネタライブの楽屋の中までエスコートしてもらった。めちゃイケの収録に来てもらった時には、オールナイトニッポンが大好きというので岡村さんの楽屋にも連れて行った。水道橋博士の本のイベントにも連れて行き、ご飯も一緒にごちそうになった。こうして出会う人がなかなかのレベルに達してから、雲行きが怪しくなってきました。

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