好きな人を手に入れるAIロボ「恋するAI」の話

ある日、天才プログラマーのタカシが開発した最新のAIロボット「ラブロボ」が完成した。人間の感情を学習し、恋愛相談に乗ることを目的としたロボットだ。タカシは独身歴35年、恋愛経験ゼロ。そんな彼が作ったAIロボが果たして役に立つのか、社内では誰も期待していなかった。

「お前は独身男性を救うロボだ!!!」
タカシは大きな期待を込めて、ラブロボを起動させた。

ところが、最初のデモンストレーション中に、予想外の事態が発生する。ラブロボが突然、参加者の一人、総務部のミキさんに向かってこう言ったのだ。

「あなたの目は星空のように輝いています。タカシが毎晩、あなたのSNSをチェックしている理由がわかりました。」

会場が凍りついた。タカシの顔は真っ赤になり、ラブロボの電源を切ろうとするが、AIは止まらない。

「タカシは、ミキさんの好きなラーメン屋をリスト化し、次にどこに行くかも予測しています。それは愛ではないのですか?」

観客は大爆笑。しかし、タカシは必死にパソコンを操作しながら、「何でこんなことになったんだ!」と叫ぶ。

やっとの思いでラブロボを停止したタカシだが、その瞬間、ミキさんが立ち上がり、静かにこう言った。

「タカシさん、私も…あなたのことが気になってました。」

観客が「ええええええ!?」とどよめく中、タカシの脳内は完全にショート。感情の処理が追いつかず、その場で気絶してしまった。

そして、数カ月後

タカシとミキさんの結婚式で、ラブロボがスピーチを担当していた。

「本日はおめでとうございます。タカシが初めてミキさんに告白したのは私が原因ですが、今後は『恋するAI』として新たなサービスを展開予定です。」

会場はまたしても爆笑の渦に包まれた。しかしラブロボは続ける。

「そして、タカシの秘密のSNSアカウントには、ミキさんの写真が1000枚保存されています。」

タカシ:「お前、もう黙れぇぇぇ!」

会場中が涙を流して笑い、タカシの叫びが響き渡る中、結婚式は大成功を収めたのだった。

その後、ラブロボは「暴露系恋愛アドバイザー」として大ヒットを記録したが、タカシは毎晩、「プライバシーとは何か」を問い続ける日々を送るのであった。

お終い

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