【#35】新聞拡張員の復讐成功

まず日当は16,000
レースは計算式が違うみたいで
22,000円です
それは今日はどうでも良くて
仕事の内容が
いつもと違うんです
県内の売上上位の営業が集まって
昼前から数時間で何件
契約が取れるかってレース
だったのです
入店まで内容は知りませんでした
集まったのはベテラン営業7人
30年選手や20年選手
70歳前のお爺さんとか
60歳前の初老のおじさんとか
50歳位の私と変わらないオッサンとか
30歳前半の記事によく出てくる
大嫌いな指導員もいます
多種多様な年齢構成
そこに新聞拡張員1ヶ月の新人
圧倒的にビビってしまいました
挨拶をするも
「あ、新人さん、頑張ってね」と
完全に舐められています
じゃ、1人3件はノルマですよ!
って言われてスタート
ハードルの高さにまたビビる
こっちは1日必死で回って
3件契約は1回だけ
与えられた地図の地域で
車から降ろされる
さて、公園のベンチで
作戦会議でもするかな
と考えたが
とにかく時間が少ない
あれこれ考えずに回らないと
結果が出ないと気付く
回るのはこんな地域です

今日の訪問地区

いつもの「ガサい」地域
得意ではあるが
ガサ過ぎます
集落に入ったら
地元民以外は後ろから
刺されそうな雰囲気
普段は全くの新規契約を狙いますが
今日は以前の購読者を回ります
何故か?
短期決戦だから
なんとなく今日は
ここを叩かないと無理だとの直感
まず1件目でいいおばあさん
現在は新聞は取っていないと
ただこれは嘘です
これも直感です
桜が咲いていたので
春ですねぇとか
日常会話をしながら事情聴取
先月まで他社Aを購読
今月から他社Bを半年購読中
ここですぐにその後の契約を
お願いしてもなかなか取れません
客はそれは押し売りと感じるから
こういう押し売り営業を
私は「前戯のないSEX」と
考えています
最初に新聞を取っていないと
嘘を付いたのは
これ以上新聞を取りたくないから
そこでいつもの
「鉄板トーク」です
SEXでいう「前戯」ですね
これを挟むと
いい人であれば有るほど
クロージング前に
日常会話をしているほど
私の訪問の趣旨を理解しているので
圧倒的に断りにくくなります
すんなりではありませんでしたが
契約1件ゲットです
新人の初レース
1件やれば十分でしょ?
メンツは立つでしょ?
と考えましたが
とある目的があったので
まだ回ります
以前の購読者データは5件
断りと留守宅で早くもネタ切れ
後はひたすら飛込営業
数軒目でヒット
私のヒットとは
突然の訪問販売に対して
嫌悪感なく喋ってくれる人
それ以外の断る人は
無駄な体力を使っても
意味はないと思いますので
時間はかけません
じゃないとストレスが溜まるから
片言の在日外国人の男性
地域柄そういう人が多い
他社Aを購読中
数十年前は弊社も読んでいたらしい
A社にこだわりなし
ここで鉄板トークを繰り出すも
自分は日本語が読めない
娘が主権者だから
即決は出来ない
理にかなってるから退散
時間の無駄です
そこから何件ピンポンしただろう?
途中で当たったおもしろ家
多分20代の男性
見た目パワー系の基◯害
玄関ドアは開けずに
部屋の窓を開けて
「お母さんはいません」と
大声で繰り返す
まるでオウムの様に
分かりましたと断り
向かいの家に訪問しているのに
まだ大声で繰り返してる
超まじ怖いよw
あとこんなガサい地域なのに
場違いな幼児用の自転車が
放り出されている家
出てきたのは金髪の20歳前半の女性
「新聞?ただなら配達して!」って
それは無理と伝えると
「てか、新聞っていくらなの?」と
今の若い人は新聞代が想像できない
というか先月まで私も知らなかった
ソレくらい「新聞」って
終わっているコンテンツ
金額を伝えると
「ネットフィリックスより高い」
そりゃそうだろう
私もそう思いますよ
あと外国人の寮もありましたね
片言の外国人がワラワラ出てきました
で残り1時間を切る
もう駄目かとは思わず
訪問を続けた
嫌な感じの
男性老人が外にいたので
スルーした隣の家
ピンポンで女性が
反応するも出てこない
引き戸を開けて挨拶
玄関の目の前に介護ベット
そこに腰を掛けたおばあさん
室内には猫の餌の皿が複数
猫が走り回っている
あ、今日の締めはここだなと
直感で判断
現状は聖教新聞
創価学会の新聞で
公明党の機関紙です
ただ、このおばあさん
学会員ではないとの事
妹が学会員なので
無理やり取らされていると
私も付き合いで
聖教新聞読んでます
それも2部
1部は自宅用で
1部は親に贈呈していると
ここで意気投合
人間は付き合いが大事だとか
人生の話や現状の病気の話など
世間話に時間を掛けた
正直に言うと
残り時間は営業をしたくない
モードに入っていたから
空気感の合うおばあさんと
喋っていたかったから
けど以前の記事にも書いたが
世間話だけでは
クロージングで断られるので
3割世間話で7割新聞の話は
忘れずに心がける
そうすると自然におばあさんは
あなたの新聞は何年取ればいいの?
って言ってくれた
ここで契約と思うでしょ?
そこからの展開がありました
今日の地域はいわゆる「文化住宅」
隣の家の声は丸聞こえ
しかも私は声が大きい営業
おばあさんのこの言葉のあと
隣のばばぁが乱入してきました
〇〇さん
契約なんてしたら駄目だよ
〇〇(妹の学会員)に
相談しないと駄目だよ
で、私に
この人はボケてるから
営業をしないでくれと
と正義の味方顔
私もこういうのは初経験
ばばぁの剣幕にビビって
何回も諦めて立ち去ろうと
逃げようと思いました
何回も何回も思いました
ただね
よく考えると
おばあさんはボケていないし
コイツはなんの権利があって
営業の妨害をしてくるのかと
イライラしてきました
ここからは反撃
ババァに営業を掛けました
もちろん「鉄板トーク」
営業の邪魔をするなら
お前が契約してくれと
俺は契約者は誰だって良いんだから
おばあさんは「鉄板トーク」の
趣旨を理解してくれて
私を助けようとしてくれてる
お前も趣旨を理解して
俺を助けるために
早く契約書にサインをしろよ
と詰めてやりました
ここでばばぁ退散
でね
退散した後のおばあさんの一言
「あの人帰った?」
「あの人うるさいから嫌いなんだ」と
このおばあさんの冷静な判断
ボケてますか?
無事契約をして
時間をかけてキャンセル防止
明日から配達が始まります
家を立ち去る前
またビビりましたね
外に出たら人が集まっていて
何かを言われるんじゃないかと
下手したら警察とか
呼ばれているんじゃないかと
結果誰もいませんでした
足早に退散し販売店へ
ここからが記事題名の
「復讐成功」です
前置きが長過ぎですね
契約数の集計です
トップは3件
70歳前のお爺さんです
後は2件が4人
この場合契約期間の合計で
順位が決まるらしく
私は4位でした
でね
あの嫌いな若造の指導員
ネチネチ俺のトークに
ケチを付けてくる指導員
結果は0件
私の数字を聞いた瞬間の
あの顔が忘れられません
あと私以外の営業は
拡材?
語源は分からないけど
昔の新聞屋の代名詞の
ビール券や商品券や洗剤
とかがソレだと思うんだけど
ソレを使って契約を取っているらしい
金額は数万円
私も使っていいと言われましたが
私の「鉄板トーク」では必要ないので
1円も使わず契約を取りました
退店時にトップだった
お爺さんから声をかけられる
「〇〇さんまた一緒にレースしよう」
2位だった60歳位のおじさん
「〇〇さん1ヶ月でこれなら
絶対成功するからストレスに負けないでね」と
ど新人拡張員の俺の
名前を覚えてくれている
嬉しかったですね
件の若造の指導員
拡材使っても0件で
ゲームセット
時間外で居残り営業を
するみたいですよ
頑張ってね

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