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産まれて半年!われらが姫の戴冠式
今年のあたまに産まれた娘がハーフバースデー(生後6ヶ月)を迎えたので、めちゃくちゃ祝った。
これは相当にめでたいことだが、そのすごさは人間の脳で処理しきれるものではないため、我々夫婦はできる範囲でセレブレーションをおこなった。
いま子どもが産まれて半年を迎えたということのやばさを考えてたのだけど、言葉にならない。
毎日みる子どもの表情やしぐさ、泣く声や喃語(赤ちゃんことば)のひとつひとつ、そしてと奥さんとぼくとの間で起こるいろんな感情すべてがしあわせの塊だからだ。まともに向き合うとぼくはいつでもすぐに「えへへへへ」とにやつくだけの人間へと存在格を変容させることができる。
部屋を飾り付けて、この日のために買ったドレスを着せて、奥さんが手作りした王冠をかぶり、写真もたくさん撮って、めいっぱい祝った。
たのしかった一日の終わりに、寝床で親子3人川の字になる。この時間が好きなのか娘はいつものようにごろんごろん寝返りを打ちながら、何度も何度も隣にぼくらがいるのを確認するように振り向いて、安心すると「へへ」と笑った。
手足をばたばたしたり、けっこうラストにその日一番のハイテンションを持ってくるが、だんだんと動きが緩慢になってきて、手足があたたくなってきて眠たくなってきてるのがわかる。しばらくすると指をしゃぶりはじめ、その指がくちからするんと抜けて、眠りについた。
娘が熟睡したころ、そのまるい顔を見ながら、奥さんが言った。
「この子はなんでわたし達のところに来てくれたんやろうね」
赤ちゃんは親を選んで産まれてくるって、何かで読んだことがある。ぼくらの間に宿って、奥さんが出産した子どもだけど、ぼくらの都合じゃなくって何かの意味があって今ぼくらのところにやってきたのかもしれない。
ということを奥さんは話した。
意味……
ぼくたち夫婦はお酒が好きで、飲み屋街の外れに住んでいるため、「こいつらにこの調子でお酒のませてたらまずい!」と止めにきたのかもなぁ、とか冗談めかして話す。
娘の寝顔を見つめながらぼくは「でもいまこうしてるのが意味なんかもなぁ」と言った。「いや、なんかわからんけどたぶん」
娘は安心しきった顔で、ちいさく胸を上下させながら眠っている。
毎日かわいくて手がかかっていつも一生懸命でどんどん変わっていく好奇心いっぱいの赤ちゃんの、6ヶ月目の寝顔を見たことがあるか。
すごいぞ。
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