「ザ・ウォーカー」ペットショップボーイズに導かれた迷子のおじさん
概要
最終戦争によって国家も文明も滅びた世界を旅する男(ウォーカー)。
彼は、30年間もアメリカを西に歩き続けている。目的地は何処なのか、彼にもわからない。ただ、「本を西へ運べ」という心の声に導かれるままに歩き続ける。
そしてある街に辿り着くのだが・・・
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核戦争後の荒廃した世界が舞台。
それを一冊の聖書を携えて西へ歩けという導きを受けた黒人のおっさんが30年も歩き続けている。
どう考えてもアメリカ大陸を西へ1年も歩き続けたら海へ出る。
それを30年間歩き続けているということは完全に彼は「迷子」になっていると思って間違いない。
30年歩き続けたらどれだけぐうたらしてる人でも地球一周出来てしまう。
そして何より世界一売れている本である聖書が残り1冊しか無いという事があり得ない。
ムッソリーニの本を読んでる街の支配者が聖書が手に入らないって失笑してしまう設定です。
挙げ句の果てに「とにかくこの本しか残ってないんだ」というかなり強引なこじつけを行います。
そして何よりゼロから街を作り上げたカリスマ性のあるゲイリーオールドマン演じる男が、そこまで聖書の言葉に「頼る」ことが理解出来ません。
為政者は宗教を利用しこそするが頼ろうとはしないという本質を無視した描き方をしている為役柄に説得力が出ません。
ちょいちょい昔のゲームや音楽へのオマージュが挟み込まれ独特の質感と色使いの映像も引き込まれます。
が、いかんせん世界で最も多く存在するはずの本を抱え迷子になっているおじさんがイコライザーのジョン・マッコールさんだったという設定では興醒めしてしまう。
そして最後の最後、なぜ彼が迷子であり続け、不可思議な立ち居振る舞いをしているのかの謎が解けますがちょっと枝葉末節な事で小手先の衝撃を与えようとし過ぎた気がします。
もしかしたら彼が聞いたという啓示はペットショップボーイズの歌なんじゃなかろうか…
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