今更プレイ、レビュー「きまぐれテンプテーション」
(ネタバレをするとしても、匂わせまたは共通ルート範囲内ですので、ご安心ください)
・粗感想
本作は、かの「エルフ」の直系に位置する老舗メーカーである「SILKY'S PLUS」が2019年発売した作品です。(今回は、きまぐれテンプテーション2の発売に伴って、発売された1&2をプレイしました)
以下簡易評価(10段階評価)
初心者お薦め度7(興味があるのなら、是非是非)
イラスト綺麗度9(これぞって感じ)
台詞難易度9(超簡単に読める)
演技度9+1(演技力の平均値が普通にたけぇ)
シナリオ完成度8(まとまりがよい)
ちなみに今回は「【終幕】→【------------------------------------------】→【 】→【後悔】→【解決】→【約束】」 順番でプレイしましました。
以下詳細レビュー
・初心者へ
興味があるのなら、是非是非
第一には、やっぱりノベルゲーム以外の探索パートがあるのが、普通に良い。あまりノベルゲームをやったことがない人だと、ただ読むだけというのには抵抗感があるかもしれない、だが本作はプレイ要素があるためその辺を解決できる。なにより、探索の度合いによって台詞に変化が出るがエンディングには影響しない。また終盤に出てくる分岐にも、同様のことが言える。所見で全制覇はなかなか難しいものもあるだろうから、なにかあった時攻略サイトを見るという、癖や文化がない人に自然とその手のものが身に付くことを助けもするだろう。
ほかにも、イラストがE-moteを採用しているため、まぁヌルヌル動く、これも苦手な人が興味を持つのに丁度いいとおもう。けどこれが、エロゲのスタンダードだと思わないでも欲しい。(動かない方が圧倒的に多いですんで)
そのほかにも、エロシーンが比較的均等に配置されて至り、ショートカットが無かったりと色々癖が強い(ゲーム内のフルスクリーン機能が無い奴を久しぶりに見て、たじろいでいる俺がいた)
あとはここまで、完成度なのにロープライスなので、お安いってのが一番の特徴かなぁ。(面白くて安い、これは買いですね)
・イラスト綺麗
これぞって感じ
先ずですね、E-moteが凄い。まじで、こんなにキレイに変わるって、どうなってるんだよって思ってプレイ後にキャラクターviewを見ていたら、結構ビックリするくらいモーションだのポージングなどが、あって普通にビックリした。これは、ヒロインが一人しかいない利点ですかね。他にも、作中無いで時間が経つ毎に、服装が変わる。ストーリー的にもそこそこ重要な部分(だと俺は思ってます)、これがまぁ映える。普通に可愛いんだもん、それと今までお洒落みたいな設定の子が毎日私服同じなのに違和感を感じていた自分としては、なにか喉を心地よく通る感覚がしました。
あと、行為シーンをはじめとして時たま出てくる、主人公の立ち絵と顔がまぁ良い。シンプルイケメン、俺は好きよ。けどやっぱり日常会話でゆれるおっぱいには勝てねえよな。そういえばなのだが、衣装が毎日変わるのに、それに合わせてた、コスプレ行為的なシーンがなかったな。(nineと喫茶とか観る感じ、かずきさんってそういうの好きなんだと思っていたので、すこし意外、それとも悪魔衣装の時点で別衣装カウントなのかな)
・台詞難易
超簡単に読める
読みやすい文章に更に主人公が、そこまで話さないので自分で読む必要もあんまり無い。
それどころか、定期的にくるインパクト強めの台詞が、読むのを加速させる。
けど主人公、おまえの名前まじで読めねえよ。「巽 悠久(たつみ はるひさ)」(けど名字の時点で格好いいのは普通に、良いよなぁ)
・演技
演技力の平均値が普通にたけぇ
本編は、有名ですがホラー的な描写があります。それもがっつり、てかあらすじ見れば分かるけど最初っからハッピーエンドなんてあり得ないのよ。それ故に、時にコミカルだけどやっぱり暗いのが根底にはある。(エンディングみるとそれが引き立つ)
そしてそれが良く、表現されてる。断末魔がすげえ、エロゲって何だよ。(俺はやったこと無いけど、マブラヴとか村正とか考えるとそんなもんなの…………か? エロとは理想を追い求めること、きっとそうに違いない)
てかアンネリーゼが会話をサクサク流して、くれるから日常パートの楽しさはやっぱり格別。時にベタ惚れ、時に辛辣、時に真面目。これらがキレイに使い分けられていてそれが、作品全体、全キャラクターにちゃんと行き渡っているのは、普通に良い。
・シナリオ完成
まとまりがよい
先ず私は、本作のシナリオライター、「かずきふみ」が普通に好きなんですよ。(nineもプレイ済みですし、クリミナルボーダーも買ってますし。)
拾われない設定が無いのは、個人的に良ポイント。日常会話パートの軽い説明が、エンディング後なんかにも響くの良いよね。ほかにも、それぞれのエンディングをみていると、何でそうなるのか納得がまぁ出来るんですよ。その上で、そのルートのとき、このキャラがこう言うことをいったのかが、トゥルーエンドの時に明かされるので、良い。ていうか、周回する時にもそれを感じ取らせるのは普通に凄い。
それと探索パートの順番毎に、台詞が分けて作られているので(いったいくつの選択肢を考えてるんだよ、全パターン網羅してるのかよってくらい)、キャラクターを知りながら周回を楽しめるのは良かった。
後、登場するキャラクターがめっちゃ実在感ある。それも距離感が、友達のお姉ちゃんとかそれくらいの距離。これが作品の深みを加速させてますね。
(個人的に一番笑ったのは、一番実在感の薄い葉子さんが、俺のリアル祖母と漢字が違うだけで読みが同じ点ですね、珍しい名前じゃないけど変な声出た、てか出るしかない)
それと完全クリアしたときには、捜査手帳を見返して下さい。ついつい、にやけちゃう逸品ですよ。
・総合感想
面白かった。
本音を言うと途中まで、退屈していた節もあったが、終盤にかけてスピードを上げてこられて一気に引き上げられた。
だが、周回の時に分岐をちゃんと分けなきゃいけないので(選択肢の複数の組み合わせでエンディングが異なる)、周回に引っかかりが多かったのは、流石にストレスポイント。(初期版のバグが非道いみたいな噂を聞いたのだが、それもやむなしだろうなぁといった具合)
ほかにも操作系が使いにくいのは、流石に辛かった。
特に自分は、ノベルゲームは基本的にはAUTOにして、映画みたいに眺めるタイプなので操作が多いとそれだけひっかりが多くてそれが普通に辛かった。
けどシナリオが面白かったので万事良好です。
以下言いたいこと書き殴りなので、ネタバレ注意です
作中でも、ハッピーエンドエンドはないとある意味ではメタ発言をされていたとはいえ2/6がbad endはすげえよ、普通に。(ベターもお辛いけどトゥルーエンドをみるとあれで良かったんだと思えるところもある)それもメインキャラ二人、それぞれのbad endなのは丁寧な仕事が過ぎる。
2が出ているからこそ、アンネ周りがどうなるのか疑問が尽きなかったですね。(エンドカードで総てを察しましたが)
欲張りを言うのなら陰陽師設定をもう少しブイブイ言わせてほしかったという思いもあるが、最後の最後に師匠(葉子さん)が喋ってくれたのでまぁそこはよしとするか。この辺の設定と面白さのバランス取りのうまさがかずきふみさんの強みだと、個人的には思ってます。
本作のエンディングってバットとトゥルーどちらも、この手の作品では敵キャラの設定ですよね。なんて言うか本作は、この手の作品の敵の背景ストーリーを読んでるのが一番近い気がする。巽は既に人間的な完成が比較的終わっており、あんまり主人公感はないとも言えるかもしれないのがこの感じを加速させている。
かずきさんって、設定を拾うけどフレーバーにするって能力が高い気がする。ある意味でガチガチに設定の言葉を守ったりしないけど、伏線や世界の法則は守る。このバランス感が凄い。
てかかずきさん普通に、ちょっとノリの良い比較的ギャルチックなキャラを書くのがお上手過ぎる。ノリツッコミとか、そういうのが書くの好きなんだろうなぁとか勝手に思ってます。ならどうしてこう、重めの世界観多めなのかが分からない。けど、この路線私は好きなのでかずきさんが、また新作出したら買うかなぁ(いい鴨)。