採用管理アプリ Simpl Hireの使い方
なぜ作ろうと思ったのか
私は7年ほど事業責任者の立場で採用活動をしてきました。
インターン生なども合わせると200名近い方を採用してきて、書類選考や面接回数はそれよりも多い5倍近くの人を見てきたことになります。
このアプリはその経験から感じてきたこれまでの不満を解消するために作りました。
その不満とは「スマホでサクッと管理できる採用管理アプリがない」ことです。
特にスタートアップの社長はそうだと思うのですが、プライベート関係なく細切れ時間を仕事を消化するための有効な時間として活用してる人は多いと思います。
エレベーターに乗ってる時からトイレに入った時までいつでも仕事をしているはずです。
例えばミーティング中に溜まったチャットの返信を次のミーティングが始まるまでの間にガンガンこなしていく、などはあるあるだと思います。
細切れ時間を有効に使わないと溜まった仕事を1日で消化し切ることはできません。
採用管理のシーンにおいては書類選考の判定がそれに当たります。
採用担当者からSlackで判定依頼を受けると、スキマ時間に書類内容を見ることがあるのですが、世の中の採用管理サービスはPCに最適化されているのでスマホで開いても見れないということが多く、判定入力は書きづらくてしょうがないという状況になったりします。
結果的に後で見ようとペンディングさせて判定が漏れていた、なんてことになったりします。
採用活動はスピードが命です。
のんびりしていたら優秀な方の採用機会を逃してしまいます。
候補者が書類選考を提出してから5分以内に判定結果をご連絡する。
この世界観を実現するにはチャットをする感覚で採用管理できるアプリが必要だと感じてきました。
Simpl Hireとは
この背景から作ったのが「スマホでサクッと管理できる採用管理アプリ」です。
このアプリでできることは下記です。
Googleフォームを作るように求人作成ができる
求人ページのURLを候補者に送信するだけで履歴書と職務経歴書、質問への回答を回収できる
スマホからサクッと選考結果を入力できる
ボタン一つで選考結果の連絡文章をAIで自動生成できる
ボタン一つで選考結果を候補者に送信できる
ボタン一つで面接担当者のGoogleカレンダーに面接予定を追加できる
スマホからシンプルに判定できることを目指しているので必要最低限の機能を載せてスピード感を持って採用工程を進めることを目指しています。
管理業務の効率化
採用管理にまつわるあらゆる業務がボタン一つで実施できるので採用管理が圧倒的に早くなります。
感覚的には30分かけていたことが3分で終わります。
あまりにも雑務が多いために採用担当者を配置している会社が多いと思いますが、下手すればこのアプリがあれば中間で動いていた採用担当者は要らなくなります。
社長や事業責任者たった一人でも採用業務が回せるくらいには効率化できます。
候補者エクスペリエンスの向上
判定スピードを上げてエクスペリエンスを向上するというこれまでの話に加え、もう一つのキラー機能として候補者へのメール文面をAIで自動生成する機能を搭載しています。
私は採用管理がスマホで行えないという課題だけでなく、もう一つの課題意識を持っていました。
それが、書類選考を提出してくださった方へのお見送りのメール文面が「テンプレで塩対応しすぎ問題」です。
候補者の方は書類作成に多くの時間を使ってくださっています。
当然書類内容はじっくりと読ませていただいているので適当な判断をしている会社はどこにもいないとは思いますが、選考結果のメール文面があまりにもテンプレート過ぎると「本当に見ているのか?」と不信感に繋がります。
一方で、たくさんの書類が届く採用担当者にとってはそれぞれの候補者に向けて毎回カスタマイズしてメール作成しているとどれだけ時間があっても足りません。
当然書類内容はじっくり読んで吟味した上で判定しているけれども対応がテンプレになってしまって気持ちが伝わらない。
この課題を解決するためにメール文面をそれぞれの候補者に向けて自動生成する機能を作りました。
書類選考結果のメール文面は提出してもらった資料を元に生成しているためしっかりと内容を読んだことが伝わるようになっています。
また、1次選考以降の結果メールは面接者が記入した候補者の「良かったところ」をベースに文面を自動生成しているために落ちたとしても悪い気にはならないものになっています。
少しの違いかもしれませんが、面接に落ちた人ともその後どこでどういう繋がりがあるかもわかりません。
会社のファンという理由で応募してきてくれる方もいる中で塩対応するのは大きなリスクを孕んでいます。
もちろん本来ならば全員に手紙を書くくらいの気持ちで1件1件コストを掛けて文章を作るべき、という話もありますが「べき論」をかざしたところで無理なものは無理だという状況もあります。
現実と向き合った最善の提案としてメール文面の自動生成機能を搭載しました。
使い方ガイド
アカウントの作成とログイン
まずアカウント作成をする前にこの画面の通りで「ホーム画面に追加」を行ってください。
このアプリはPWA(Progressive Web Apps)という技術を使って開発しています。
PWAは簡単にいうとWebサービスなのにApple Storeなどからインストールするスマートフォンアプリのように使うことができるサービスです。
プロフィール入力とチーム作成
「ホーム画面に追加」をし、ユーザー登録が完了すると、プロフィール登録を行います。オンラインで面接をする方はzoomなどのURLをここで設定しておいてください。
URLを予め設定しておくと、ボタン一つでGoogleカレンダーに面接予定を入れる機能があるので自動的にURLも設定されるようになります。
チーム作成は会社名と部署名、採用チームのメーリングリストを追加します。
このメーリングリスト宛に新規応募があった際の通知メールが配信されます。
求人の作成と掲載
チーム作成が完了すると求人作成画面が表示されます。求人作成は右上にあるボタンから必要な項目を入力すれば簡単に作成することができます。
初期画面にはサンプルデータとして広報担当者を募集するための求人ページがすでに作成されています。
また、このサンプル求人にダミーの応募者から応募が来る機能がありますのでどんな機能があるのかを試しに使うことができます。
「試す」ボタンを押してみましょう。
応募者ページ
応募者はリストになっていて、それぞれの応募者ごとに縦スクロールで書類選考内容を確認できます。
応募者の管理と選考プロセス
現在は書類選考→1次面接→2次面接の3段階の選考プロセスを用意しています。今後要望に応じて3次選考以降も実装予定ですが、一旦はここまで開発
しています。
前提として、書類選考や面接などを実施する判定者と判定はしないけれど日程調整など採用運用業務をする人が異なることを前提にアプリは設計されています。
書類選考
運用担当者は「書類選考の判定者」に担当者をアサインしましょう。
そして、その下にある「担当者へ判定依頼を通知」ボタンをクリックすると書類選考の判定依頼のプッシュ通知および通知メールが担当者に配信されます。
わざわざチャットなどで連絡しなくてもボタン一つで依頼できるので便利です。
担当者は通知を受け取ってこのアプリを開き「書類選考の判定」を入力します。
また、「書類選考結果の連絡担当者」に担当者をアサインし、「担当者に連絡依頼を通知」ボタンを押しましょう。担当者はこの通知を受け取って「通過」や「お見送り」の結果を候補者に連絡します。
判定結果を連絡する担当者は「メール文章の自動生成」ボタンをクリックしましょう。
文章の生成には10秒程度かかります。
今回自動生成されたメール文章はこちらです。
内容を見れば分かる通り少し違和感のある文章にはなっています。
そのまま使うことはできませんが、ほぼ8割は完成しているので少しの修正を加えるだけですぐに送信できる程度に文章が作られています。
これだけパーソナルな内容の文章を作ろうと思うと10~20分はなんだかんだ時間を取られると思うので、それがボタン一つで10秒程度で自動生成されることを考えるとかなりのコスト削減となります。
また、その下に現れる「メール作成」ボタンをクリックすると、候補者のメールアドレスと文章が入った状態でメールが立ち上がるので送信ボタンを押すだけで候補者への連絡は完了します。
スケジュール管理と面接予約
候補者への連絡が完了し、1次選考の日程が確定したら「1次選考の面接担当者」に担当者をアサインしましょう。
その後、「1次選考の場所」「開催場所の詳細」「1次選考の面接日」を設定し、カレンダーへの追加ボタンをクリックしましょう。
現状はGoogleカレンダーに自動的に予定が追加されるようになっています。
Googleカレンダーへの面接予定が設定できたら「面接依頼を通知」ボタンをクリックして担当者にプッシュ通知およびメール通知をしましょう。
1次選考を実施した採用担当者は「1次選考の内容共有」の欄に判定の内容を入力していきましょう。
1つの特徴として音声入力をすることで要約文を自動生成する機能があります。文章を書くのも時間がかかるので、面接の総評を口頭で話すだけで文章化される機能によってコスト削減することが可能です。
また、書類選考と同じく判定結果連絡のメール文章自動生成機能がありますが、特徴として「良かった点」の内容のみを参考に文章が自動生成されるようになっています。
今回は「お見送り」の文章を生成しました。
前回と同様少し違和感のある文章になっていますが、大枠問題ない文章なので少しの修正ですぐに使える文章ではあるかなと思いました。
ここまで書いたこと以外にも機能はありますが、ざっくりとこれがSimpl Hireの機能となっています。
特にスマホからサクサクと採用管理業務が行えることが特徴であることが伝わったかなと思います。
よくある質問と回答
料金設定はどのようになっていますか?
採用担当者のアカウント数と求人数は無制限に作成できます。
初期費用は無料で、月の応募件数に応じて料金を設定します。
無料プラン
無料
応募件数:0~20名/月
スタートプラン
月額 5,000円(税込5,500円)
応募件数:20~100名/月
スタンダードプラン
月額 15,000円(税込16,500円)
応募件数:100~300名/月
プロプラン
月額 70,000円(税込77,000円)
候補者数:無制限
候補者の情報を見れるメンバーを細かく設定したい。閲覧権限設定は細かく設定できるか?
将来的に検討の余地はありますが、現時点で閲覧権限を細かく設定することはできません。
おわりに
Simpl Hireの使いやすさと効果についてのまとめ
とにかく全体として採用管理業務を爆速にすることにこだわりました。
PC画面はほぼ見ないで作っているのでスマホから操作することを前提にしています。
社内で使っている限り30分かかることを3分にすることに成功したと思っています。
また、効率化できることは効率化しつつ、候補者へのメール文章など適当にテンプレで済ませていたところをAIを組み込んで塩対応で済まさないことなどこだわりポイントはいくつかあります。
今後のアップデートや改善に期待する点
まだサクッと作ったばかりなのでまだまだ改善の余地があります。
ただ今やりたいことは採用担当者向けの機能というより候補者向けの機能を充実させたいと思っています。
それは書類選考資料の自動生成機能です。
予め汎用性高いパーソナルな情報を入力しておいてもらえると各社の質問事項に対してもAIに回答文書を自動生成させることは可能です。
書類選考の資料作成は候補者にとってはかなり負荷の高い作業になるのですが、理論上3分程度でガンガンとエントリーシートのようなものを各社にあわせて自動生成できるのでエントリーコストがゼロになります。
採用担当の業務にもAIを組み込んで、候補者側にもAIを組み込んで、としていくともはやAIとAIがやり取りしているような世界観に近づいていくのでカオスな感じもしますが、個人的には資料作成などの事務作業にたくさんの時間を使っている現状は非常に非効率なことだと思っているのでここらへんはすべてゼロコスト化したいと思っています。
そうすると現状の採用市場における高カロリーなマッチングが効率化し、人材の流動性も結果的に活性化していくことにつながると考えています。
いずれにせよAIをどんどんこの採用周りに組み込んでいくことがこれからやっていきたいことです。