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映画「孤高のメス」
陰鬱な風景の日本映画は基本見ないけど、この映画は大好きです。
万人受けするような恋愛ドラマにもなり得たのに、
硬派な医療ドラマ、人間ドラマになっているのはすごいと思います。
それでも、交わりそうで交わらない堤さんと夏川さんがいいんですよね。
夜の病院、至近距離でオペの話をするふたり、なんにも起こらないのにドキドキする。
究極のエロ。
別れの日、怒った顔の夏川さんがかわいい。
「私、都はるみが好きなんです。好きになったんです。」
"あなたが好き"って言わないところにグッときます。
言葉の裏側を見せる、
それは上質なドラマの本質でもあるように思います。
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成宮くんの出番は少ないけど、重要な役。
「貧乏くじを引かされてたのでは?」
と思っていた母親の意外な側面を知る息子の目を通して、
中村浪子の人生の豊かさが浮かび上がる。
成宮くんの存在はまるで灰色の空に切り込みを入れるステンレスのメス。
個性的で、独特の雰囲気を持っているのに
実はどんな作品でも浮かない、溶け込む。
いい映画とかいい俳優って
上手いけど自己主張しない。