映画「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」〜品性とは
2019年
原作は、1868年に発表された、アメリカの小説「若草物語」
マサチューセッツ州に住む4姉妹の物語。
小学生の時、読んだんです。
でも、あまりにも子供すぎて、ものを知らなすぎて、
南北戦争のことも知らず、
姉妹っていいなあ、くらいの感想しかなかった。
例えば、湖上でスケートをしていて、氷が割れて落っこっちゃう場面。
子どもの時は、ドジだなっくらいにしか考えなかったけど、
助けがなければ、死んじゃいますよね。
次女が髪を売ってお金を作る場面。
髪切るくらい、どうってことないじゃんって思ってたけど、
当時の女たちにとって、文字通り、髪は女の命、だったんですね。
40年の時を経て、映画によって、やっと伏線回収できた!的な。
それにしても150年以上も前の物語が、
今も銀幕でいきいきと生き続け、感動を与えてくれるってすごいですね。
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映画の感想
とにかく、女性たちがきれいで魅力的で、
凛としてて、かっこよくて、、。
姉妹たちが恋するティモシー・シャラメって俳優さん、
人気があるらしいけど、かすんじゃってる。
まあ、好みの問題かもしれませんが。
若い、エマ・ワトソン、シアーシャ・ローナンが美しいのは当然。
お母さんが、ローラ・ダーン。いい歳の重ね方してる!
デヴィッド・リンチ監督作「ワイルドアットハート」の
ちょっとおつむの弱そうな女の子役を思い出しました。
そして極め付きは、メリル・ストリープ。
この人は、どんな役をやっても、チャーミング。無敵。
毒舌、辛辣、本音ビシバシのお金持ちの伯母さん役。
長女の結婚式で
「幸せになりなさい。母子揃って損な人生だこと」
「そのうち貧乏生活を後悔しますよ」
きついこと言うねー。
なのに、姉妹も母もなーんか笑って聞き流してる。
ザ・鈍感力!
この映画の良さってこういう部分。
お金、健康、人間関係、、。
誰もが直面する悩み、苦労。
その中で、姉妹はいっつもわちゃわちゃしてて、賑やかで、喧嘩して、
怒って、泣いて、そして笑ってる。
それぞれが好きなことを一生懸命やってる。
お母さんは、強がるでもなく、不安がるでもなく、
娘たちの話を聴いて、そっと励ましてくれる。
品性ってこういうことなんじゃないかな。
自分に誇りを持ってる。
迎合しない。
人によって態度を変えない。
理不尽な出来事にはあらがわない。
夢を語れる。
笑いを忘れない。
柔軟だからタフ。
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そして、1番の見どころは、衣装の美しさ。
当時の女性は、浜辺であろうが、掃除中であろうが、いつもたっぷりしたロングスカートを履いてるんですよね。
動きにくいだろうけど、そういうのを見るのが好きです。
ふわんふわんするスカートのボリュームが好き。
長女メグが、新しいドレスを作るために布を買う場面。
18メートル注文しててびっくり。
数着仕立てるにしても、すごい長さ。昔のドレスの用尺、どんだけー。
私はワンピ作る時、せいぜい3メートルどまりです。
真ん中のドレス、今流行りのキャミワンピみたい。新鮮。
作家志望の次女ジョーの衣装は、ラルフローレンのCMみたいでかっこいい。
ウールのスカートとおじジャケット、スカーフ。真似してみたい。
シャツ、ベスト、ロングスカートの3点セット。
ベストの後ろ姿がかっこいい。
メグは双子の母。汚れてるけど、スカートのチェックが何気にかわいい。
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他にも
ベートーベンのピアノソナタ第8番の美しさ
ダンスシーンのかわいさ
昔の本の装丁のきれいさ
見どころが多くて、映画館で観たかったーと思いました。