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知らず知らずに母の顔色をうかがっていた

私は牛乳を飲むとおなかを壊すので、大人になってからは飲まないように
してきたのですが
母はとにかく牛乳は体にいいんだ、飲め飲めと勧めます。

以前の私は、牛乳は飲みたくないと思いながら、母の言うことに逆らえず、渋々飲んではお腹を下していました。
もう30過ぎていたのに、なぜ母の言うことに反発できなかったんでしょう。

子供の頃、
母はよくフルーツをデザートに出してくれました。
「夏みかん食べる?」とか
「実家から送ってきたポンカン食べる?」と言いながら。

兄は果物が嫌いだったので
「いらなーい」
すると母は
「もう可愛くないわね。」
と怒った顔で言いました。
私は
「食べる食べる!」と言います。
すると母は「素直でいい子ね」って喜んでくれました。
だから、母が何かを食べようと持ってきたら、盛大に喜ぶクセがついてしまいました。

でも、たまに母が出すもので嫌いなものもありました。
母の地元の銘菓です。
私が「それ嫌い」と言うと
母は顔を曇らせて
「もうしょうがないわねー。おいしいのに。」とブツブツ言いながら平らげるのです。
まるで悪態をつかなければ、おいしいものを食べてはいけないかのように。

大人になってやっと気付いたんです。
母は、自分が食べたかっただけなんだと。でも食べたいと素直に言うのは悪いこと、ひとりで食べるのは悪いことだという罪悪感があるから、"言い訳"を作りたかっただけなんだと。
子どもが食べたいと言ったから食べるのよ、決して私が食べたいから食べるんじゃないのよと。

自分が食べたいなら、子どもが欲しようが欲しまいがひとりででも食べればいいのです。

母親を喜ばせたい気持ちと、拒絶して怒らせたくないという罪悪感が
牛乳を拒否できない弱い私を作っていたのでしょうね。



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