村上春樹とヤクルトスワローズ
村上春樹がある日神宮球場で試合を見ている時、ふと、"小説を書こう"、、と神の啓示みたいなものが降りてきて、今に至るという話しを、聞いたことがあります。
この本に収録されている短編
「ヤクルト・スワローズ詩集」はまさに、神宮球場をホームとしているヤクルトスワローズと村上春樹との腐れ縁のようなかかわりを描いています。
ヤクルトスワローズが球団創設以来初めて優勝した年に、村上さんは初めての小説「風の歌を聴け」を書き上げ、賞までとったんですって。(P130)
私が村上春樹の小説を読むようになったのは、映画版「風の歌を聴け」を観たことがきっかけです。(1981年公開 大森一樹監督)
20歳の頃、家で父親がテレビ映画を観ていて、なんだか不思議な空気のある映画だなと思って、一緒に見たのが、それでした。
主演が小林薫さんで、生まれて初めて男の人に色気を感じたことを覚えています。
激しいラブシーンがあったわけじゃないんですけど、なんというか、体の中から滲み出る色気。
年をとってもいまだに色気のある方ですよね。
そういうのって努力じゃなく、経験から生まれるものなんでしょうか。
映画は、まるで夢を見ているような、、、
実は撮影なんてしてなくて、村上さんか、大森さんの頭の中を映し出しているだけなんじゃないか、とまで思ってしまうような、、、。
舞台が神戸なんですけど、大森さんと村上さんは同じ中学出身らしく、だからかな、昔から吸っていた同じ空気を、小説と映画で共有しているような、そんな気がしました。
白っぽい光が印象的な映画でした。
私も映画監督という職業には憧れがありますが、無から有を作り上げるのって、並大抵じゃないだろうなあと思います。
自分が頭の中でこんな映画を作りたいと思っても、なかなか思い通りにはいかないでしょうし。
最後のテロップで、その映画が村上春樹原作だと知り、それから原作を読み、「ノルウェイの森」を読み、、、。
考えてみると、私の人生のいろんなことが、映画やドラマをきっかけにはじまっているような気がします。
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