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アメリカのシアトルでエンジニアになる方法

  前の記事で、普通エンジニアはシアトルにみんな来たらええのにという記事を書いて、もし沢山読まれたら具体的にどうやったらええかを書くわ!と書いたら結構読まれたので約束通りフォローアップ記事を書きます。お断りしておきますが、私の所属会社の意志ではなく、個人の意見です。

一番重要なのは「できるものなのだ」と認識すること

 先のブログでも少し書いていますが、もしシアトルで働きたかったら、一番最初に重要なことは私は「可能である」と認識することだと思います。

 私も昔英語がうまくなりたいとイギリスに短期留学したことがあります。語学学校の短期留学は試験とか資格とかいらないのでお金払えば参加できるやつです。しかし、現地に行くと、みんな普通に「面接受けてきたわー」とか「学生やからどうやったらイギリスで就職できるか調べてるねん」とか言っていました。

 日本で生まれて育っている自分は昔は海外で就職するとか、ごく一部のスーパーエリートが到達できる境地というイメージでしたが、その経験を通じて、「ああ、普通でもできるんや」と認識しました。確かに今思っても優秀な人ばかりが海外就職をしているわけではありません。ただ「出来る」と認識して、調査をして実際に「行動」することで可能になるというだけです。

  だからまず、上記の記事でもなんでもいいので「できるかも!」とおもってもらって、実際に「行動する」これが実現に対してもっとも重要なことで、これが出来たら自分的には8割完了と思ってもいいぐらいだと思います。

  さて、そう思っていただいたあとは具体的な方法に関してお話しましょう。ちなみに、私はその道のプロフェッショナルはありませんので、間違っているかもしれませんがその時はコメントに残していただければと思います。単に自分の周りの人に聞いてみてどういうルートがあるのかというのをシェアしてきます。

シアトル就職へのルート

シアトル就職で、私が認識している方法としては下記の方法が現在あると思います。(2024/9/14)将来は変わるかもしれません。

  • 企業のサポート(L1, H1)でアメリカに来る

  • アメリカに住んでいる人、もしくはアメリカに来る資格のある人の配偶者になる

  • アメリカの大学を卒業して、就職する

  • Ph.D (博士号) を取る

  • カナダ(バンクーバー)に就職する

 良く世間で言われている通り、アメリカで就職するときの最大の障壁は、ビザ取得だと言われます。自分の場合は L1 ビザで行ったパターンなので、その時のノウハウはいろいろシェアできますので、最後に回します。他の方法をざっと説明します。

 配偶者になる件はある意味「方法」でコントロールできるものでもないので深堀はしません。アメリカの大学を卒業して就職するルートですが、これもとても良いと思います。アメリカの大学でしっかり学べることもメリットだと思います。ただし、ある程度お金が必要というデメリットは存在すると思います。
 次に Ph.D です。博士号を日本の大学でも持っていると相当楽にビザのサポートが得られるようです。日本だと博士号を持っていたら就職に困るとか言われますが、アメリカでは優遇されるので、博士号を取るというルートもとても良いかと思います。
 さて、最後のがよくわからない「カナダに就職する」です。なんのことかわからないでしょう。またこれは現在とても有効な手法だと思うのでご紹介したいと思っています。

カナダ経由で就職する

 エンジニアとしてカナダでビザを取ることはUSのそれよりずっと楽なようです。私は詳しくは知らないので下記の人に相談すると良いでしょう。

 何故私がよくもしらないのに、このルートをお勧めするかというと、私の職場(Microsoft 本社) には、現在にも過去にも、カナダのバンクーバーに住んだままうちのチームに就職した人が居るからです。なぜなら、シアトルとカナダのバンクーバーはタイムゾーンが同じなので、シアトルでリモートの人を雇っているのと何ら変わらないからです。実際車で2~3時間ぐらいで行ける程度の距離です。
 だから、自分の職場にも、バンクーバーに住んだまま、うちの職場で働き続けている人、バンクーバーに住んだまま就職してしばらくしてからアメリカに移った人、バンクーバーに住んで就職して、アメリカに移って、またバンクーバーに戻った人(その間、仕事は変わっていない)もいます。すくなくとも、バンクーバーだと労働環境もシアトルとそんな変わらないと思うのでエンジニアにとっては日本より相当快適だと思います。

 採用する人の視点で考えると、カナダで働いていたならば、英語環境ですし、文化も近いので、アメリカでも普通に通用すると考えやすいのでしょう。またタイムゾーンが同じなので業務に全く支障がでません。だから、シアトル在住のしょぼい人より、カナダのいい人を採用しようと思っても不思議ではありませんので、バンクーバーで就職すれば、シアトルで働くハードルはめちゃくちゃ低下するという感じです。

外資系企業に就職する

 これ以外にも国内企業に勤めて、駐在員になる方法もあると思いますが、私はその方法は良く知らないので、ここでは述べません。ただ、自分が体験したことと、自分の身の回りでみんながどういうルートで来たか?というのはシェアさせていただきます。

英語学習のポイント

 さて、外資系企業に就職するというポイントで欠かせないのが「英語」でしょう。特に私のようにおっさんになるまで日本の企業しか経験がなく、英語を使う機会も友達も0だった人は特にそうでしょう。
 最近では英語力がすでにある人も沢山いるのでその人はこのパートは読み飛ばしていただければよいと思います。

 英語の勉強のノウハウはいろいろあるのですが、一つだけポイントをシェアすると「しゃべり」を上手くなることです。

 多くの人は英語が「ぺらぺら」になることは英語学習の到達点でみんなうらやましく思っているかもしれません。実は外資系企業に就職してもびっくりするほどみんな英語しゃべれない人も多いです。(もちろんゴリゴリの人もいます)だから皆さんもビビる必要はありません。

 想像してみてください。こちらの5歳の子供はおそらく私たちよりボキャブラリはありませんが、ペラペラです。英語ペラペラというのは、英語学習の到達点でもなんでもなくて、単なる技能であり、練習すれば向上する類のスキルなのですが、なぜかみんな練習しないからしゃべれないという単純なことです。

 現在は英語学習の研究が進んでいるので、日本に居たまま、英語使う機会ゼロで、かつ、外人の友達も0の状態でペラペラしゃべれる状態には練習すればなれます。下記の記事は10年前の自分で、マイクロソフトに入る前で、留学もしてないし、英語でしゃべる友達も知り合いもいない状態で、「しゃべりの練習を個人的に練習した」だけの状態で、どれぐらいアドリブで英語しゃべれているかの記事で実際に私がしゃべってる動画もあります。もちろん今から見るといろいろ問題はありますが、それでも「日本国内で、個人練習だけ」でここまで出来るという記録なので、残して振り返るには良いでしょう。


 具体的にちょっとだけお話すると、英語の音は日本語の音と違うので、日本語の50音に相当する音を1カ月~1カ月半程度で練習します。本を読んで音声聞いて、まねて、録音して、修正してと言った感じです。

 そのあと、ディクテーションを経てシャドーイングを徹底的に数か月練習したという感じです。シャドーイングは最初は同じスピードでやれないので、ゆっくりのスピードから少しづつ初めて、録音して聞いて…という感じでやっています。CDと同じスピードでシャドーイングが出来るようになったら、この動画ぐらいしゃべれるようになりました。つまり、しゃべれるようになるためには、アメリカに長年住むとかは必要ありません。(そういう機会があるならそうしたほうが練習する機会は増えます)

 つまり、「ぺらぺら」は単なるスキルで、本当の英語力とすらいえませんが、この程度できるとコミュニケーションができるでしょう。それが重要です。

 なぜなら、外資系でも、英語の「しゃべり」が出来る人というのが意外に少ないので、他のスキル例えばプログラミング力があると、英語+プログラミング(もしくは他の何かのスキル)だけで相~~~当レアキャラになれます。

 当時そんな感じで、英語勉強を頑張ってしたので趣味で本を書いたりしていました。この本が最高とは思いませんし、今ならもっと良いメソッドがあるでしょう。ただ一つ言いたいことは「今の時代、英語をぺらぺらしゃべれる技術は存在して、練習すればそれは日本に居たまま全然できる」ということです。大抵の人はしゃべりの練習をしないからしゃべれないという至極単純な事だと思います。もし私がどうやったに興味があればどうぞ。

 一応こんな感じで、帰国子女でもなく、仕事しながら国内だけで英語勉強したおっさんが、日本マイクロソフト入社時には完全英語の面接を合格して、今アメリカで働いているので、悪くないとは思います。(ちなみに私はインターナショナルなポジションを受けたから英語面接だったのであって、そうでない部署はそんなこともないのでご安心を)

 ちなみに、めっちゃしゃべれる人で帰国子女でもない人で、しゃべりの練習をやってない人も知っていますが、そういう人は例えば、日本人のコミュニティと仲悪くなって、アメリカ人とつるむしかなかった…という状態で、ボーイフレンドもアメリカ人…みたいな環境が作れたら可能っぽいですが、私のような陰キャは練習作戦の方がハードルが低く感じます。

 どのような方法でも良いと思いますが、自分なりの方法で英語スキルはあげましょう。今だとAIもありますし、勉強方法も確立しています。自分のお勧めはみんなが出来ない「しゃべり」を練習することです。是非皆さんなりの方法で英語を楽しんでみてください。

日本支社から、アメリカの本社に行く方法

 これもいくつかのルートがあります。がいづれのルートにしても、自分の上司に「将来はアメリカで働きたい」という意思を伝えることが重要です。実は私がしたのはこれだけです。そしたら数年後、「Tsuyoshi おめでとう、君を本社に呼べることになったよ」と言ってもらえました。私はそこから、別のチームにジョブインタビューを経て移るのですが、日本からアメリカに来たきっかけはマジでそれだけです。
 外資の場合は、組織変更が頻繁で数年で物凄く戦略が変わったりします。最初は日本に居ないと意味がない感じでしたが、数年したらごろっとかわって、日本に居ても外国にいてもあまり変わらない状態になりました。
 つまり、それは、「時の運」ですが、思ったよりそういうタイミングはります。
 そもそも、そういうことを「主張」しなければ絶対にそれは回ってきません。また、その間にも「こいつは本社で活躍できる」と思ってもらえるように、仕事をちゃんとするのと、英語でコミュニケーションを取れるところを示しておくと確率もぐっとあがあります。(そこでも英語しゃべれる力はめっちゃアドバンテージになります)
 後のポイントは、私の会社の場合、日本べったりの部署と、インターナショナルチームがあります。インターナショナルチームは私は日本に居ても上司はアメリカに住んでるとかそんな部署です。だからそういうポジションだと、チャンスが回ってくる確率は周りを見渡しても圧倒的に高いです。一旦その外資企業に入ると、インターナショナルチームの Job に Apply するのもハードルが下がるので、そういう経路でも良いかと思います。

 私のようにおっさんになってから英語勉強して、英語の環境で仕事したことない人も一度外資で英語のお仕事を体験しておくと、本社に行くときにそれまでに慣れておくことが出来るのでお勧めです。周りにも私のノリで移転した人は結構います。

 そうでない人の例も挙げておきます。私の知り合いは、直接アメリカのポジションにアプライしました。日本住みの頃からです。外資に入ると、本社に行く機会もあるでしょう。年に数回ぐらいですが。そうなったときにお勧めの行動としては、本社の自分が行きたい部署のメンバーと顔見知りになったりするのがお勧めです。自分からアポをお願いして話を聞くでもいいですし、日本に来た時にアテンドしてあげるとか、なんでも良いと思います。ちなみに、このルートの場合、ビザをサポートしてくれるか?というのが交渉のポイントになります。
 自分が採用する側になったときのことを想像してみてください。よくわからない、本当に仕事してくれるかわからない人より、この人ならやってくれるとわかっている人の方が採用しやすくないですか?

 私はアメリカに移った時は先ほどのイメージですが、そこで、実際に面接受けて通った時は相当ストラテジックになっていて、これはもしかすると参考になるかもしれないので、シェアさせてもらいます。

 また、他の友達は、自分の上司と交渉して、将来のアメリカでのポジションへの移動が前提という確約をとりつけて、実際にそれが行動に移されました。日本の企業だと、「将来アメリカのポジションに移動したい」とかいったら干されそうですが、外資はそんなことはないので、積極的にまず「表明する」のが重要かと思います。

つまりどれが良いの?

 私も専門家ではないですし、皆さんの状況やスキルも違うと思うので明確には言えませんが、自分と同じような状況、つまり、英語での仕事での経験がなく、英語力も無く、エンジニアみたいな状況だったとすると、まず、英語の勉強をお勧めします。そしてある程度めどが立ってきたら外資系の企業に入るようにします。とりあえず恐れず面接を受けてみましょう。もし落ちてもどこが足りなかったかのフィードバックを受けながら調整していきましょう。外資系の企業には居れたら英語で仕事をする経験や、本社とのつながりを作る機会が増えますので、積極的に、もし、インターナショナルチームがあればそっちに移籍を考えます。
 ある程度英語での仕事の経験がつめたら、エージェントに連絡するなりして、カナダに就職しちゃっても良いでしょうし、上記のアクションをとりながら気長に待つでも良いですし、プロアクティブに交渉したり、ジョブインタビューを受けるでも良いです。ちなみに、外資企業経由で行くルートの良いところは、リロケーションパッケージをゲットすることが出来る場合があることです。これは最高で、ビザの手配、車や、家の手配、銀行口座開設、引っ越しと全部会社が手伝ってくれます。これマジ最高。

大変なわけではなく、時間がかかるもの

 こういうのを見ると「大変だなぁ~」と思うかもしれませんが、実際はそんなに「大変」ではありません。ただ、思って明日できるようなものではないので、気長に、気楽に「将来はアメリカのシアトルで働きたいな~」と思って何か具体的に「小さな行動」に移すことが重要だと思います。ストレスに感じるほどハードにやる必要はありません。中長期戦なので、気軽に、ただ少しづつが良いのだと思います。

「思って」「行動する」「フィードバックを受ける」で思ってもないところに数年で来れる


  私が初めて「将来アメリカか、イギリスで働きたい」と思ったのは英語力を伸ばしたくてイギリスに短期留学をしてた時です。ただ思ったのですが、ゆっくりと、「あー、英語が使える環境で働きたい」とおもいました。当時の短期留学で友達になったイギリス人が自分の小さな会社をやっていて、「俺の会社でタクシードライバーにならないか?その間に君は勉強して、IT企業に就職すればいい」そんなことを言ってくれてめっちゃ嬉しかったですし、マジで迷いました。

 イギリスでコミュニティーで知り合った企業の人のカジュアル面接っぽいのにも行きましたが、話はまとまりませんでした。最初に受けた著名な外資系の企業は、私をとりたいと言って、そこのリーダー格の人から誘われたのですが、他の人と面接をやって、私は落ちましたw 

 最終的にたまたまマイクロソフトに入れましたが、そういった、上手くいかなかった事含めて、気軽に気長に、失敗したらそこからフィードバックを受けて改善して、というのを経たので、マイクロソフトに入れています。

 つまり、失敗とか上手くいかないとかは、こういう過程で普通なので、実際に「思って」「行動」を継続すれば、5年後には自分が想像もしなかった場所にいるかもしれませんよ。それぐらい実際に「思って」「行動」する人というのは自分の観察範囲では本当に少なくて、たいていの人は「難しい」とかいってやる前から何もせずあきらめるからです。

 逆に何年か前から、「シアトルで就職したいと思っているんだよね」と言って実際に継続して行動している人はことごとく今シアトルに居ます。

是非皆さんも今日から気軽に、気長に、シアトル就職の道を見つけてみませんか?

マジで考えている人はこの本お勧めやで!

あと、自分の本がもうすぐ10万部やから、応援してな!


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