ADHD の自分が細かさを手に入れるための戦略と実践
アメリカに来て5年、そして今のチームに4年居てようやくソフトウェアエンジニアとしてこういう風にしたらいいんじゃないかなぁ。的なことが見えてくるようになりました。相変わらずどんくさいのですごく時間がかかったけど。
じゃあ、次の段階は自分の最終目標である「良いエンジニアになる」だ。自分が「自らやる」ことが上手くできたためしのない自分が4年もエンジニアとしてサバイブしているので、素直に自分をほめてあげたいがそろそろ次のステップの作戦を立ててみたら良いだろう。
「細かさ」チャレンジ
次のステップとして自分に重要なのは、「細かさ」を手に入れることだ。これは、ADHDの自分にとって最も難易度が高いものだろう。「細かさ」を手に入れる必要があると感じたのは、エンジニアをやっている時ではなく、趣味のヴォイストレーニングを受けている時だ。ヴォイトレの先生は自分に歌の中で英語をどう発音したらよいと指導してくれる。
彼女は、普段しゃべるときはなまりはあるけど、歌う時はネイティブから聞いても完璧らしい。口語の発音やイントネーションは学べるが歌のそれが違うとなると教材もないのにどうやってそうなれたのかが気になった。尋ねると「どれだけ細かいことに気づけるかだと思う」と言っていた。ちなみに、彼女は日本から来た歌手で、大人になってからアメリカに来てるはずなのに英語で歌ってゴリゴリに通用している。
細かさがクオリティを生成する
それは、多分エンジニアリングでもギターでも同じで、どれだけ細かいことに気づけてそれを実現できるように練習するかがクオリティにとって大切で、そもそも、イケてるエンジニアの皆さんを観察していると、私から見ると相当細かいことに気がづくのだけど、本人にはそれが細かい事という認識すらない感じがする。だから彼らの仕事のクオリティが高い。それが当たり前になった時に自分も次のレベルに行ける気がする。
自分はADHDでオーバービューが得意で細かいのが苦手だ。なぜ苦手なのかを考えたことはなかったが、最近明確に「急ぎ癖」がボトルネックだとわかってきた。自分が早くしないとと思うことで自分が「細かい」と思い周囲がそう思わないところの品質が置き去りになってしまい、いつまでも 深さが生まれない。
頭では分かっているが感情が付いてこない問題
本当はじっくり時間をかけて、急がず、細かいからどうでもいいと思わず、時間をかけて理解し、出来るようになるほうが良いと頭では分かっている。
だが、時間が思ったよりかかってしまうと「なんで早くできないのだろう。なんて自分はダメなんだろう」というネガティブな自分の内なる声が聞こえていることに気がついた。
自分は心理学とかセラピーを勉強したことがあるので、これを何とかするテクニックを知っているし、実際にやっていた。アメリカで働いているとストレスが少ないので、全然使っていなかった。よく考えたら折角やり方をしっているのだからまたやったら良いだろう。と思い立った。
物理で感情の問題を何とかする
この手の、「頭では分かっているけど、自分の感情が付いてこない、もしくはイライラする」問題は、普通でいくとどうしようも無い問題だ。性格を変えるしかないのかとも思うが実は解決する方法がある。しかもお手軽だ。私が良く使っていたのは EFT という方法。
多分検索すれば日本語でも沢山情報が出てくるだろう。やり方は実に簡単で、ツボを押しながら、暗示を自分に入れていくという感じだ。
私の場合は、自分は時間を気にせずに、しっかりと細かく理解してわかるまで時間をかけたい。だけど、自分の心の声や、感情が早くできないのはお前がダメな証明だといったことを投げかけてきて、感情的につらくなり、早くやらねばと焦ってしまう。だから、実際に急いでしまって中途半端になるし、ストレスもたまるという悪循環だ。
この私の問題にEFTを使うことで解消するとこんな感じのステップになる。
最初に自分の負の感情を1-10 の数値で表す。自分の場合は、これは 8ぐらいの強い感情だった。
上記のEFTの手順に書いてある順位でツボとタッピングしながら負の感情を思い出しながら、自分がどうだめと思っているかを口にする。これを2周する。例えば「速く出来なのは自分がダメなせいだ」「速くしなければ価値がない」など
そんな自分を受け入れるメッセージを口にする。「自分は今までいろんなことを早くしようとしてうまくいかなかったが、それはきっと今まで自分が自分を守ろうとしてそうなっているので、そんな自分感謝して自分を受け入れます。これからは、その古いルールにとらわれることなく、新しい方法を受け入れます」など
次にポジティブな暗示を入れていく(2周)例えば「自分が理解できるまでじっくり時間をかけることを楽しむ」「時間をかけることが、将来の時間の削減にやくだつことを私は理解している」など
最後に、水を飲んで、最初に感じていた負の感情がどの程度になったか確かめる。私の場合は0か1なのでもう良いが、これが5ぐらいだと、もう一周するとよい
という感じだ。別に誰に迷惑がかかるわけでもなく、お金やエキスパートも必要なく、自分でやるだけなので、とてもお手軽だ。
少なくともこういった自分の「感情」の問題は普通は自分ではどうしようもないのだ。この手の手法を使うことで、コントロールできるようになるのはとても嬉しい事だ。むしろ効かなかったとしても、数分無駄にするだけなので、なんてことはないロスだろう。ノウハウもそんないらないし、細かいやり方は多分いろいろなサイトに書いてあるだろうから参考にしたらよいと思いますが、上記の感じで絶対にお金がかかるはずがないものなので、逆にそうだったら怪しむといいかもw
今回のEFTの効果
さて、これをやってからどうなったかというと、自分の「速くやらないと無能」という心の声がなくなって、プログラミングだけではなくて、いろんなことにじっくり腰を落ち着けて、急がず物事をやれるようになった。思ったよりこの作戦は効果的だったようだ。苦手な旅行の予約とかも、ゆっくり時間をかけて確認しながらすることに罪悪感を感じることがなくなった。いつも思うけど、この手の方法はとても強力だ。今はもうなんで急いでいたんだっけ?という感覚だ。
感情の問題は努力ではどうしようもない
今からは「良いエンジニア」になっていきたいので、これからは自己肯定感を「ちょいプラス」ぐらいに調整していこうかなと思っているので、負の感情があったときにこの作戦で調整してバランスをとっていこうと思う。自分の感情の問題は自分でいくら頑張ってもどうしようも無いことで、あなたの責任でも親の責任でもない。そういう問題にはこの手の方法を使うのはとってもお手軽だしお勧めだ。ちなみに、私がめっちゃ低かった自己肯定感を改善したのも、下記のブログで紹介しているワインバーグ先生の本に載っていたサバイバルルール変換という方法だ。これも同様に暗示を入れて潜在意識の書き換えをする方法だ。
読んでくださってありがとうございます。今回のトピックは載っていませんが、アメリカの職場とか、世界一流のエンジニアの思考回路を観察して昨年書いた本がありがたくもベストセラーになりまして、もうすぐで10万部なので良かったら応援してくだされ!
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