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聖なる泉に浮かんでみる

ユカタン半島はマヤ文明が栄えた地域である。
マヤ文明といえば、紀元前2000年頃から始まった高度な文明だ。

天文学、表意文字などが発展し、それに基づいて作られたピラミッドは太陽の角度などが緻密に計算されている。

私はカンクンに到着し、セノーテと世界七不思議のひとつであるチチェン・イッツアをある女の子と訪れた。
その子はカンクンのバスステーションでたまたまあったのだ。

話してみると、私が住んでいる日本のお家から徒歩5分ほどの場所に住んでいた。人の縁は本当に不思議だなと思った。
日本で会うことがなかったのに、この遠いメキシコの地で出会うのだから。

セノーテは透明なブルーで、光が水の中に染み渡っている。

マヤ文明には、生贄という慣しがあった。
その言葉の響きは重く、ゾッとしてしまうが、それも一つの文化だったのだ。

はるか昔、生贄として捧げられた人々を想い、祈る気持ちで私も冷たい泉の中に入っていった。

大勢の観光客が芋洗いのようになって泳いでいる。
時が経つことでかつて生贄を捧げていた場所は、観光客が楽しむ場所に姿を変えていったのだ。

私は時の流れを感じた。



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