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コロナはグローバリゼーションを葬ったのか:後編(2020年5月16日)

The Economist(2020年5月16日号)のLeaders記事「Goodbye Globalisation(さらばグローバリゼーション)」の和訳(後編)です。いつも力強い意見の提示で締めくくられるLeaders記事が、今回は嘆き調で終わっているように思えて気になります。もう長いことグローバリゼーションの衰退を警告してきたのに、受け入れられないままこのパンデミックというノックアウトパンチをくらってしまった、とでも言いたげに。。。「だから世界のリーダーよ、今度こそ目を覚ませ!」という熱い思いが、文章の奥に隠されていることを願います。

英語原文は、以下からどうぞ(後編はThis is just the start.からです):

以下、マイバージョン和訳です:
新型コロナウィルスはグローバリゼーションを葬ったのか?
人、貿易、資本の流れが鈍化する(後編)
2020年5月16日

これはほんの始まりに過ぎない。中国以外の国では情報の流れは概ね自由だが、人、モノ、資本の移動はそうではない。まず、人の移動を見ていこう。トランプ政権は、移民をさらに抑制して、米国人の雇用を守ると主張している。他の国も追随する可能性が高い。移動は制限されており、雇用機会や、工場視察や、受注獲得を逃している。世界人口の約90%が、国境がほぼ閉鎖された国に住んでいる。多くの政府は、新型コロナウィルスの感染状況が似たり寄ったりの国にのみ国境を開放するだろう:そのような「移動可能ゾーン」の例を挙げれば、オーストラリアとニュージーランド、そしておそらく台湾とシンガポールだ。旅行業界は需要減が長引くことを示唆している。エアバスは生産の3分の1を削減し、グローバリゼーションの象徴であるエミレーツ航空は2022年まで回復は見込めないとしている。

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