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「遊びのつくり方」は、全業種の必修科目である
Twitterで、「 #遊びのつくり方」というコラムの連載をほぼ毎日しています。↓
おもちゃやゲームなどの遊びには、すべて何らかの「動詞」が付随している。
— 高橋晋平/おもちゃ開発者(株式会社ウサギ代表) (@simpeiidea) December 14, 2022
自分が動くのも、他の対象が動くのも、面白くて心地いい。
見る、叫ぶ、走る、探す、選ぶ、打つ、逃げる......。
組み合わせでもいい。
新しい動詞への気づきと発明が、遊びの発明。#遊びのつくり方
遊びと聞くと、
— 高橋晋平/おもちゃ開発者(株式会社ウサギ代表) (@simpeiidea) December 18, 2022
例えば人と会うとか、レジャーに行くとか、面白いものを買うとか、ある意味「写真映え」するものが面白い遊びなのだと思われがちだけど、
どうしても写真映えさせられない瞬間が本質的な遊びだったりする。#遊びのつくり方
今回は皆様に、よかったら毎日このハッシュタグを追いかけて自分の仕事に纏わる「遊びの作り方」を考えていってほしい、というお話をします。
この「 #遊びのつくり方 」というハッシュタグを見た大人の多くは、自分の仕事には「遊びをつくる」なんて関係ない、というイメージを持ち、素通りするでしょう。
その理由は、
1.「遊び」という言葉の曖昧さ
2.「遊び」と「仕事」という言葉のイメージのかけ離れ
3.遊びを「つくる」必要性のわからなさ
この3つにあります。1~3を順に説明すると、
1.まず、「遊び」というものは、「ゲーム」「レジャー」「メディアコンテンツ」などを含んだ娯楽の総称のように捉えられています。または「子供の世界のもの」だと感じる人も多いでしょう。
例えば「ゲーム」や「レジャー」のように、遊びの中の1ジャンルを切り取った表現であれば、大人でもそれを好ましく感じる人が増えます。ゲームやレジャーという言葉も相当に漠然とした括りなので、それを全部含める「遊び」という言葉がいかに広くて曖昧なものかがわかります。
ちなみに、僕は今の会社を創業した当初、「遊びを作る会社です」と自己紹介していましたが、全く仕事が来ませんでした。「おもちゃ・ゲームを作る会社です」と言い始めたら、わかりやすく仕事が増えました。遊びとは何か、は、特にビジネスの世界ではわかりにくいものです。
2.次に、仕事というものは、お客様とお金をやりとりする行為である時点で、「厳格」なものから逸脱しづらい性質を持っています。また、多くの会社には評価制度があるため、評価を上げようとすると「遊ばないようにしよう」という意識が生まれがちになります。たとえ、おもちゃを作る会社だとしても、おもちゃを作る仕事は遊びではない、と思う人が多数です。僕も玩具メーカー勤務時代、おもちゃの企画のプレゼンをして内容がダメだったとき、上司に「遊んでんじゃねえんだぞ!」と叱られたことがあります。おもちゃ会社の仕事も、遊びではないと考えている人が多いのです。
3.そして、「遊び」が好きだと思えている大人でも、「遊びをつくる」なんてこととは無縁だと感じる人がほとんどでしょう。遊びはそこら中にあり、すぐに買えるし、無料で手に入るものも多いからです。わざわざ作る必要性なんて感じられないでしょう。
以上のような理由から、「遊びのつくり方」というトピックを欲する人は現時点ではとても少ないと思います。
それでも、遊びのつくり方は社会人の必修科目だと断言します。
大きく分けると、ビジネス作りと働き方作り。この両面において今後必要な新しい価値は「遊び」であるからです。
仕事を「準備」と「本番」に分解すると、遊びに変身する。
— 高橋晋平/おもちゃ開発者(株式会社ウサギ代表) (@simpeiidea) December 16, 2022
準備中は、本番の方が仕事だから、気楽にやれる。
本番中は、準備中に仕事を終えているから、気楽にやれる。
遊び作りとは、作業や意識の分解である。#遊びのつくり方
ここで、【遊び】という言葉の意味を辞書から引用し説明します。
・詩歌、音楽、舞い、狩猟などを楽しむこと。
・酒色にふけったり、賭け事をしたりすること。遊興。「―で身を持ち崩す」
・物事にゆとりのあること。「芸に―がある」
・機械などで、急激な力の及ぶのを防ぐため、部品の結合にゆとりをもたすこと。「ハンドルの―」
おおむねそんな感じです。大きく分けると2つの意味があります。「遊戯」と、「ゆとり」です。
どの業界も、足りないものがない時代に、一生懸命「新しい価値は何か、それはどこにあるのか」を探しています。しかし、その価値を「実用性」「社会課題解決」などのイメージで探しているから見つかりにくいのです。充分な生活を送るにはすでに成熟しきったテクノロジーにより、不満や不便など重箱の隅をつつかない限りほぼ見つかりません。
そもそも人は大昔から常に、遊びを求めてものを買っています。どの時代でも、買い物をするときは、遊びがないものよりも遊びがあるものを選んできた歴史があります。消費者が多くの選択肢の中から一つの商品を選び、購買意思を持つ理由は例外なく「遊戯」か「ゆとり」が欲しいからです。
例えば洗濯機やカラーテレビが登場した昭和時代。それらは生活を劇的に便利にするものではあるものの、買った人たちはそれを「遊戯」や「ゆとり」だと捉え、嬉しかったり、楽しかったりしたはずです。
自動車は移動のための実用品ですが、それは「遊戯」と「ゆとり」によって購入意欲を持たれる商品です。
食品も、もちろん生命活動のためのものですが、食べられれば何でもいいわけではありません。やはり「遊戯」と「ゆとり」のために選ばれます。
衣料品は、モテたいという「遊戯」のため。医薬品は健康の「ゆとり」のために買われます。
すべての商品・サービスが選ばれる動機は「遊び」なのです。これは、あまり気づかれていないことですが、今僕が実業務でも様々な業種の企業に提案している一貫したメッセージです。
もちろん働き方文脈でも同じです。組織や働き方が苦しいのなら、そこに足りないのは「遊戯」と「ゆとり」です。成果を出したければ商売や成長をゲーム化すればいいし、モチベーションアップやメンタルケアに必要なのは言うまでもなく「ゆとり」です。仕事を遊びとして作り変えると、働き方は変わり、成果が上がります。僕がお手伝いしている組織開発では、それが考え方の根幹です。
遊びのつくり方をここで簡単に言うと、
遊戯のつくり方は「競争」「運」「模擬」「めまい」の組み合わせです。
ゆとりのつくり方は、「時間」「空間」「心身」「意味」のアレンジです。
このあたりの記事は改めて書く予定です。
一旦、遊びのつくり方に関しては、以下の記事なども参考に読んでみて下さい。
これから僕自身、日々ツイートしながら考えを整理し、より深く理解しまとめようとしていきます。この考え方が自分の中で涵養する(ゆっくり養われる)ように、皆様が考えたこともシェアして頂きながら、引き続き意見交換をお願いできると嬉しい限りです。
「遊びのつくり方=仕事のつくり方=人生のつくり方」 ここが同義だと分かっている人は、すでに仕事を人生の楽しみにしており、他人を喜ばせる社会的価値も生み出しているはずです。一緒に、みんなと遊びづくり仲間になって、考えを交換しながら、仕事と人生を楽しくしていけたら嬉しいです。
一生遊んで暮らせるなんて、素晴らしいことじゃないですか?
……と、ここまで書いてきましたが、この記事は比較的開かれにくいと予想されます。なぜならタイトルが、まだ引っかかる人が圧倒的に少ない「遊びのつくり方」であり、記事が読まれるかどうかはタイトルにかかっているからです。もしこの記事を最後まで読んで下さった気の合う方がいらっしゃいましたら、こっそり「 #遊びのつくり方 」をフォローして自分の技にしたり、多くの人に届くようにシェアして頂けたりすると、嬉しい限りです。
※この話は2年くらいかけて1冊の本にまとめたいなと思っています。特に具体的な予定はないですが、ゆるく進めていきます。お付き合いよろしくお願いいたします。
遊びの意味は「遊戯」か「ゆとり」。
— 高橋晋平/おもちゃ開発者(株式会社ウサギ代表) (@simpeiidea) December 20, 2022
例えば、
せまい机に遊びがないと感じたら、
遊戯→レバーをつける
ゆとり→だだっ広くする
つまらない文章があったら、
遊戯→クイズを入れる
ゆとり→ツッコミ所を入れる
引き算の発想がカッコイイと言う前に、
足し算の発想から逃げない。#遊びのつくり方
遊びの種類には、「しゃべることが主たる楽しみ」⇔「しゃべりながらできる」⇔「黙ってやらないとできない」というような、「ながら」の度合いの段階がある。昨今のアナログゲームではしゃべりを楽しめることが重視される傾向にある。笑いやつながりを求める時代の表れだと思う。#遊びのつくり方
— 高橋晋平/おもちゃ開発者(株式会社ウサギ代表) (@simpeiidea) December 8, 2022