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この街から手話通訳がなくなったら
私はこの街の海が好きだ。
夕陽がきれいで、山はもっときれいで
青空と白く雪化粧した山がなんとも素晴らしい。
この街の人もみな個性派ぞろい。
聴こえない人(ろう・難聴者)も急によそからきた私を受け入れてくれている。
ただ、今、この街の手話通訳の制度は
風前のともし火。
制度自体の予算が縮小の一途をたどっている。
手話通訳派遣ってなんなのさ?
そもそも手話通訳の派遣は、市区町村の地域支援事業における意思疎通支援事業によって派遣制度が決められている。
意思疎通支援事業
【意思疎通支援(コミュニケーション支援)とは?】
これまでの障害者自立支援法では、「手話通訳等」を行う者の派遣又は養成という表現を用いていましたが、障害者と障害のない人の意思疎通を支援する手段は、聴覚障害者への手話通訳や要約筆記に限られず、盲ろう者への触手話や指点字、視覚障害者への代読や代筆、知的障害や発達障害のある人とのコミュニケーション、重度の身体障害者に対するコミュニケーションボードによる意思の伝達などもあり、多様に考えられます。そのため、障害者総合支援法では新たに「意思疎通支援」という名称を用いて、概念的に幅広く解釈できるようにしています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sanka/shien.html
ポイント
・制度を利用する聴覚障がい者は、手話通訳を依頼すると無料。ただし、全てが無料な訳ではなく、趣味活動などは派遣できないなど範囲が限定的。(各自治体の意思疎通支援事業の要綱を参照)
・健常者の団体が通訳依頼をする時には、有料となる場合がある。
・手話通訳派遣を各自治体の責任で、他団体に委託することができる。
・手話通訳奉仕員と手話通訳者の派遣(養成)は、各自治体の予算で行われており、意思疎通支援事業の細かな内容は自治体によって異なる。
→地域格差が発生‼︎** **
手話通訳派遣が無くなる‼︎** **危機的状況
そして、今、この街で起こっているのは、
①自治体が団体に通訳派遣を全て委託。チェック機能が働いていない。
②通訳コーディネーターと利用者に確執があり、利用者の希望が通らない。毎回、同じ通訳者がくる。通訳依頼しても直前キャンセルも。
③ろう者の声は自治体に届かず、この状態が10年近く?続き、通訳派遣に対する不満、諦めから誰も通訳派遣を使わなくなる。
・病院への付き添いは家族や筆談
・簡単な内容は電話リレーサービス
④通訳依頼がないので、養成する意味もないと、手話通訳はいらないと養成や派遣の予算が市長の予算削減候補に上がる。このままでは、ろう者は手話通訳を自腹で依頼しなければならなくなる。
このままで良いのだろうか。
私は手話通訳士として、県の手話通訳者として指を加えて黙って見過ごしているしかできないのか。
だから、今、みんなに考えて欲しい。
この街から手話通訳がいなくなるってことに。
手話通訳が公費で派遣されなくなった街は…
想像して欲しい。
・コロナウィルスで苦しんでもお金を払って通訳を呼ばなければならないこと
・保護者会や成人式にも手話通訳はつかず、何を話しているか分からない疎外感
・緊急時、事故や警察でも、通訳がつかない状況
・手話通訳に対する地域の理解もなく、通訳者もろう・難聴者も生活しづらく肩身の狭い思い
**あって当たり前のモノがなくなるその前に私たちができること。 **
この4月から自治体が重い腰をあげ、やっと自治体の管轄で通訳が派遣されることになった。
ただ、既に失われた信頼を取り戻すのはなかなか難しい。
今、私はろう協の役員たちと派遣制度をろう協の会員にもっと使ってもらえるように呼びかけてはどうか、といろいろと相談している。
これから生まれてくるろう・難聴の子どもたちや若い世代に、手話通訳を公費で使える制度を残すために私たちが今、しなければならないこと。
どんなアプローチがあるのか、ぜひ、ここまで読んで下さったみなさんにもご意見を頂けるとありがたい。
この街が手話であふれて
手話を母語とする ろう・難聴者が生き生きと
暮らせる街になることを切に願っている
長文を読んで頂いて、ありがとうございました