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第1話「この世に出てきた」

こんばんは、シモーヌ・タイガです。
今日の午前3時半に生まれ、ちょっとだけ仮眠をとりつつバタバタと1日を過ごし、奥さんも娘さんも病院なので一人家に帰ってきたわけですが、なんだか知らないけど目玉から汗がボトボト出ます。
これがどこからくるのかわからんです、オキシトシンですか?

そして昨日からの長かった1日の日記であります。

朝〜昼。
子供が生まれるとしばらく外食できなくなるらしいし、うまいハンバーガーでも食うかってことで恵比寿の有名店で美味しく食事をし、MEMってギャラリーでやってる写真展を見に行こうと移動してるときに奥さんが言った。
「腹が痛え」

念の為病院に連絡し検査をしてもらうことに。

着いて検査したところ、まだあんまり子宮口開いてないから一度帰って様子見ですかねー、という雰囲気だったものの。

あれ?破水してんじゃね?ココ午後3時半。

ってことでそのまま入院。そして立会い。そこから12時間ぐらいでオギャア。ココ午前3時半。

カンガルーケアっていって生まれたばかりの子と肌と肌を合わせて抱っこするってのを奥さんがやってたんだけど、それがとてつもなくうらやましかった。
その姿を見ながら、あたしだってオキシトシン出したい!って心の中の乙女座が叫んでいた。
そうは言っても痛い思いして全面的に頑張ったのは奥さんなので、当然その快楽の権利は彼女にあるわけなのです。

普通の抱っこはさせてもらいました。
生まれたばかりの皮膚と肉は神々しいくらいに柔らかく、こんな感触のキーホルダーとかあれば最高にいいのになあと思いました。全国の敏腕プロダクトデザイナーさま一緒に企画しませんか?

なんだかんだと今年の始めからフリーランスの特性を活かして、ときには奥さんに予約をずらしてもらいながら妊婦健診には皆勤賞でした。
少しずつお腹の中で人間になってゆく姿を眺めてきました。

シモーヌはただ少しずつ太るだけでしたが、奥さんはつわりがあったり体が重くなったりと変化が大きくて大変そうでした。シモーヌがやったことといえば極度のつわりにより、マンションのエレベーターで吐いてしまった立派なゲロを瞬殺すべく片付けたことくらいしか記憶にありません。

10ヶ月くらい成長を眺めてきたやっつがやっとこの世に出てきた。
シモーヌは自分の育った家がうまくいってなくて自分の子に上手に接してあげられるかずっと不安だったんだなと思いました。
でもあの柔らかさをブニブニして大丈夫そうだなと思いました。そして目から汗。
日記を書いて、それで安心したのかなと理解しました。

本当は奥さん目線の大変だったストーリーがあるのですが、こちらはシモーヌの日記なのでこんな感じで第1話になります。
今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ。をテーマに頑張ります。

昨日からほぼ寝てないからこれから爆睡だぜ!グナイ!!

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