爽やかな風が吹き抜ける日本酒 ~油長酒造「風の森」~
「酒造りを通じ100年先に美しい日本を伝えます」
今回の記事は「風の森」というブランドの日本酒で有名な奈良の油長酒造さんのセミナーでの興味深い話を備忘録としてつづります。
私自身、美味しく食べて飲むことが好きです。
その延長で、農業などの第一次産業と日本の食文化に興味を持つようになりました。
そんな中、「風の森WEEK ~奈良。はじまりの地から、心地酔き風。~」というイベントのセミナーに参加しました。
セミナーでお話されたのは、13代目蔵主・山本長兵衛さん。
このセミナーの題目が冒頭の「油長酒造は、酒造りを通じ100年先に美しい日本を伝えます」です。
奈良、日本清酒発祥の地
室町時代、どぶろく(濁り酒)のような酒から現在のような清酒が造られるようになりました。その時代に奈良の菩提山正暦寺(奈良市)で醸造された清酒「菩提泉(ぼだいせん)」の記録があり、始まりとされています。寺院経営のための財源調達の手段の一つとしてお酒造りが行われていました。
日本最古の神社といわれる大神神社(桜井市)は酒造りの神様として知られています。酒蔵の軒先に吊るされる「杉玉」(別名「酒林」)は、この神社から届けられます。新酒の出来を知らせる目印として、また酒造りのお守りとしての役割を果たしています。
日本酒好きとしては、一度は訪れなければならない聖地です。食欲の秋、飲酒欲の秋、新鮮な美酒を味わう、そんな旅を早く実現させたいと思っています。
油長酒造の挑戦
油長酒造は1719年(享保4年)に創業し、300年以上にわたり酒造りを続けています。目指す未来は、「探求」「挑戦」「共生」「歴史性」という4つの言葉のもと、日本酒を進化させながら、唯一無二な存在として、その文化を次世代に継承することです。
具体的な取り組みは次の通りです。
「風の森」 油長酒造の代表ブランドであり、伝統的な技法と現代技法を融合させ、常に進化し続けています。
「水端(みずはな)」 ⽇本清酒発祥の地である菩提山正暦寺で造られた菩提泉の製法を参考に「甕仕込(かめじこみ)」という伝統的な方法で醸造されています。
「S風の森」 葛城山麓の棚田の真ん中に美しい木造建築の新しい醸造所が完成しました。新たな酒造りが始まろうとしています。
美しい日本文化を大切にしつつ、新しい挑戦を続けて欲しいと感じました。感銘を受けました。応援しています!
「風の森」
ここからは、私自身が調べた内容の補足です。
日本各地に多くの日本酒がありますが、「風の森」は大好きな銘柄の一つです。
爽やかな飲み口が特徴です。微量の炭酸ガスが含まれており、従来の日本酒とは違った味覚を楽しめます。ジュースのようで思わず飲み過ぎてしまう、危険な!?魅力があります。飲み過ぎに注意が必要です。
この味わいは「無濾過無加水生酒」であるためです。
無濾過 = 濾過していない。濾過しないことで、日本酒独特な華やかな香りやコクが楽しめます。通常、濾過は品質を保持するために行われます。
無加水 = 加水をしていない。香りと味わいが自然なまま楽しめます。加水は、香り・味わいを適度なバランスに調節するために行われています。
生酒 = 低温加熱殺菌(火入れ)をしていない。火入れすることにより、味の変化を防ぎ、常温での保管が可能になります。一方、生酒は変質しやすく、冷蔵での輸送・保管設備が必要です。
「風の森」ブランドは、1998年に誕生しました。
この名前は、油長酒造がある奈良県御所市内の一年中心地よい風が吹き抜ける場所「風の森峠」に由来しています。
「油長酒造」
油長(ゆうちょう)と読みます。創業は1719年(享保4年)。
油長の名は、製油業を営んでいた創業者「油屋長兵衛」に由来します。
奈良の地元産米を使用し、硬水を仕込み水として用いることで、雑味の少ない端正な味わいを実現しています。
参照したページ
最後に
以前「やりたいことリスト100」という記事を書きました。
100個中3つを日本酒に関して書いています。
83, 日本酒作り、弟子入り
84, 日本酒の勉強
85, 唎酒師
84番が今回のセミナー参加とこの記事です。次は唎酒師かな?