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弦について

ギター弦については、私も御多分に洩れず色々と試してきました。

私はアコースティックとクラシックの両刀使いである事もあり、今まで試した弦のモデル数は合計で50は下らないと思います(ゲージ違い、組み合わせ違い含め)。

若い頃は色々とテクニックも変化しますし、各モデルが自分とどう相性が良いのか試行錯誤の余地があるのですが、段々歳を重ねると(?)弦によって音が変わる事はほとんどなくなってくる気がします。
要するに弦そのものよりも弾き手のタッチがもたらす影響の方が大きいんですよね。当たり前ですが。
さらに当たり前の事に、弦よりギター本体の方が音楽への影響は大きいです。

だから弦選びについては正解を求めず、あくまで自分が気に入ったものを使うに限ります。


「気に入ったものを使う」
というのはかなり本質を突いた視点だと思います。
「正解」を求めると苦しくなりますが、大事なのはあくまで自分の好みを知る事。
その上で比較を重ね、自分の「好み」の質を変容させていく感覚ですね。


なので、弦選びは自ずと
・経済性
・入手のしやすさ

の2点に絞られてきます。

耐久性は経済性とほぼイコールです。
入手のしやすさについては、店頭でもネット販売でも在庫が切れないという事ですね。

というわけで

アコースティック弦は
ジョン・ピアーズのフォスファーブロンズのライト
クラシック弦は
低音がオーガスチンの赤
高音がプロアルテのノーマル

を使い続けてます。
ピアーズは、15年くらい前にもメインで使ってましたが、その時より明らかに耐久性が上がってます。ステージ照明に弱かったのは昔の話。耐久性が解消されてからは、エリクサーを使わなくなりました。

クラシック弦については普通すぎて恐縮ですが、もう20年くらいこの組み合わせです。今のところ何も不満がありません。

クラシック弦の次点としては、サバレスのカンティーガ/ニュークリスタルのセットです。
このセット、実に良いです。感触だけとればメインの組み合わせよりも好みなのですが、耐久性の面で自分は少し気になります。

弦は古くなってくると、音色の張り感が薄くなり、更に使い続けると音程が合わなくなる。自分は音程が合いづらくなったらすぐに交換するので、ひとつの目安として音程は常に気にしています。

ところがサバレスの場合、音色の張り感の減退と音程の不安定さが同時にやってくる感覚なんですよね。要するに音程があやしくなってくるのが他の弦よりほんの少し早い気がします。
これが自分にとってはけっこうなネガポイントで、それさえなければNO.1の弦と言っても過言ではありません。
また忘れた頃にチェックしてみて、音程の問題が解消されていたらサバレスへの乗り換えも大いにあり得ると思います。

アコースティック弦に関しては今のところピアーズが気に入っているので、他のものに乗り換える可能性は薄いです。
次点は個人的にはやはりエリクサーですかね。

エリクサーはコーティング弦という特徴からか、向いてない人には完全に無視される弦ですね。でも私は今でもとてもクオリティが高い弦だと思ってます。ただエリクサーなどコーティング弦は張りたてが最も音が良くないので、少なくとも1日ほどの様子見が必要です。
ピラミッドの直進性も悪くないし、ダダリオも平均以上のものをしっかり出してきてると思います。スティール弦に関してはほぼ何を使っても良いのですが、個人的な入手しやすさから現在はピアーズ一択となってます。

ピアーズの音の特徴でいうと、音の芯を出しやすい上に、若干音色が華やかなんですよね。相反する特徴を持ち合わせているという事は、単純に品質が高いのだと思います。

こんなところで今回のnoteは終わりにします。
これを読まれたギタープレイヤー、ギターファンの皆さんは、ぜひ御自分の好みを見つけてみてください。

伊藤賢一
https://kenichi-ito.com/

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