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巡業(3)宿

長い巡業では、宿の選択が非常に重要です


いきなりぶっちゃけますと、我々の仕事は「固定給」ではありません。
ライブの収入は、お客様の数に応じて決定するので、完全歩合給となります。
更に、ライブの会場も100人単位の規模ではなく、20〜30人で満席となる場所を主に選んでいるので、収入の上限も最高で片手くらい。お客様が少ない時は指1/3本にも届きません。

そんな不安定な日々、無駄な経費は極力節約しなくてはいけません。
宿に求めるのは、まず安さ、次に快適さ、次に交通の便

といった感じになります。とにかく安宿探しは私の命題とも言える一大事です。

できれば一泊¥2000台が望ましい・・・
上限は泣く泣く¥4500(駐車場代金込み)といったところ。

北海道での定宿は¥1500
名古屋での定宿は¥2500
関西での定宿は¥2200

安いだけなら、けっこう見つかるものです。
しかしやはり、疲労を極力残さないために居住性も考えたい
基本的に夜はライブになるので、日中に疲労を回復できるようなサイクルが理想です。

そうなるとやはり連泊が望ましいです。
多少移動距離があっても、連泊が可能ならば連泊を選択することが多いです。

例えば、難波の定宿(通称独房)を拠点にした場合は、姫路くらいまでは日帰りして連泊を稼ぐようにしてます。ライブ後の疲れを鑑みて近場に宿をとっても、連泊でない限りは翌日10時には宿を出ないといけないわけです。翌日のライブ前の午後に少し横になれるスペースが確保できている事が何より重要です。

ライブ直後の体力温存<翌日の日中での体力回復

長年の経験の中で、上記の鉄則が私の中では定着してきました。


関西の宿、通称「独房」は、¥2200という安価に加え、浴場完備なのが嬉しいポイントです。湯船の有無は相当でかいんです。なんだかんだいっても、ギターのソロ演奏というのは身体的には完全に体育ですから。酷使して固まった箇所を少しでも和らげておくために、やはり風呂に浸かることは大事です。

部屋は2畳ほどの空間に布団が敷いてあるだけ。

布団の脇にギター2本置いたらスペースは何も残りませんが・・・
しかし意外にも館内は清掃が行き届いており、快適に過ごす事ができます。ここでスマートフォンやタブレットを用いて、日々のブログ更新やメールチェック、打ち合わせ、音源の確認から編曲作業や作曲まで可能です。
少なくとも私にとっては全く不満はありません。このタイプの宿が全国にあれば良いのに、とすら思います。


てなところで今回はお開きです。
みなさんさようなら。


伊藤賢一
https://kenichi-ito.com/

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