美少女ゲームのコラボカフェ行った話
最近タオルを干すための円形のハンガーが壊れた。軸というか、物干し竿に掛ける部分がとれたのだ。どうにか応急処置ができないものかと部屋の中を探していると、某研修で使った名札が目に留まった。首から下げるタイプの名札の首掛け紐をとり、名札との接合部や紐の長さを調節する部分のプラスチックを軸部分の穴のつっかえにして、その穴から紐を通し、新たな軸とした。今のところ難なく干せているので、もう、このままでいいか。
さて、今回は某美少女ゲームのコラボカフェに行った話をしよう。
美少女ゲームとは
前提知識として、美少女ゲームとは何か。Wikipediaによると、
と言える。また、同出典より、
とあるが、しばしばアダルトゲームの隠語として使われることもあるように感じている。(18禁作品が一部表現を抑えて一般作品になることもあるから、そこは微妙だが。)
少し飛ばして引用を続けよう。
私は美少女ゲームを始めたのが比較的最近であり、正真正銘のにわかなので、これ以上の知識は持っていない。だからこれから先を読み進めるための前提知識は、これくらいで十分だろう。
(以下、リンクはopや一般向けバージョンやアニメ(一般向け)のサイトを掲載し、直接的な表現を避けるので安心してご覧ください。)
美少女ゲームと私
私は美少女ゲームの中でも、先の引用にあった、シナリオの完成度の高さが売りとなっている「泣きゲー」に熱中している。
元々こういう表現はあまり得意な方ではなかったが、高校が男子校ということもあり、その表現を愛するほどでなくとも、段々と寛容になっていった。そういう文化も社会の隅にあっていいよな、というくらいに思えるようになったのだ。
時は高校3年のとき。受験勉強に入るか入らないかとやっていた時に、ある人物から美少女ゲームを紹介された。5つ下の弟である。(本当、どこから情報を仕入れて来たのか…)
当時は美少女ゲームシナリオの高い完成度を知らなかったうえ、受験もあったので軽くあしらっていたが、彼はことあるごとに美少女ゲームの主題歌を私に聴かせようとしてきた。
大学生になって、一人暮らしを始めた。そこから孤独と部屋の静かさをイヤホンの中の音楽で紛らわせる生活が始まる。自分の好きな曲を聴いていると、例の主題歌がおすすめに流れてきたのだ(YouTubeアカウントを弟と共有していたことが祟った)。
先入観を一旦捨てて聴いてみると、次のように感じた。
かっこいい…
18歳以上を対象としているからか、一般向けの曲に比べて、危険なまでに中毒性の高い、体にあまり良くなさそうなメロディ、歌詞を味わえた気がした。
それから他の様々な美少女ゲーム楽曲を聴いていくうちについにゲーム本編のHPをあさるようになり、ついに『ぬきたし(抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?)』の体験版をダウンロード(アニメ化決定おめでとうございます)。スクリプトとボイスからあふれ出る熱い展開に、美少女ゲームのシナリオや世界観の完成度の高さを知った。
そしてやってきた夏休み。私は『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?1+2』及び『ワガママハイスペック(無印+OC)』を購入した。(後者は一般向けバージョンもあるよ…。)
いざやってみると、両作品とも恋愛模様の描き方が巧みなのはもちろん、前者ではマイノリティの戦いと自由といった18歳以上を対象にしているからこそ扱える深いテーマを見事に描き切っていた。
コラボカフェ(本編)
本題に入ろう。昨年11月、私は友人に誘われて、千葉の大学の大学際に行ってきた。その後千葉のネカフェで一泊し、帰りに東京に寄った。ネカフェの料金の関係で朝5時に起き、薄暗闇の中、モンエナ片手にネットサーフィンをしていると、あることを思い出した。
あ、『ハミダシクリエイティブ凸(『ワガママハイスペック』とメーカー、原画担当が同じ作品)』のコラボカフェ行けるやん。
コラボカフェが開催されるのはだいたい東京か地方主要都市だ。私の実家や大学所在地からだと、まぁ、無理すれば行けなくもないが、中々行く気にはなれない。また東京か…とあきらめていたコラボカフェに、行けるのだ。すかさず予約を取った。
そこから東京駅で快速列車を降り、下北沢に行って軽く観光を済ませ(こ↑こ↓に静かに行ってきた)、念願の秋葉原。
ソフマップアミューズメント館とパソコン・デジタル館を間違えるなどのアクシデントを挟みつつ、何とか会場の前についた。
予約した人が呼ばれた。先を争って並ぶものかと思っていたら、意外とみんな先を譲り合っていた。民度が…高い…。
開店まであと少し。店前で並びながら、私とその前に並んでいた人は、看板などの写真を撮っていた。すると自然と会話が始まり、私は訊いてみた。
「この作品、どれくらいプレイされているんですか?」
相手が答えた。
「3回以上プレイしていますが何か?」
私はこの言葉の衝撃と、彼から感じた作品への愛と、その早口を一生忘れないと思う。(私も食事の席などで、自分の好きなものを語るときだけ饒舌、早口になるので、彼にはシンパシーを感じた)。
「僕は前作『ワガママハイスペック』しかやってないんですよねー。」
オタクの共同体の中では、出自や出身地、学歴、職業は何の意味も持たず、ただ作品への愛がすべての序列を決定する。よって前作はやっているものの、当作品をプレイすらしていない私は、自然と最底辺に位置するのだ。ばれて批判される前に、私は正体を明かすことにした。
「でもいつか絶対やろうと思っているんで。」
私は続ける。
「いい作品なのでオススメですよ。」
いいひとだった。
開店時間となり、私は席に着いた。グッズを買わずにフード1000円程度で30分くらい楽しむかな。という当初の予定は崩壊。フードに5000円使った挙句、グッズにも手を出し(缶バッジとか、アクリルスタンドとか、意外と安かったんだよ…)合計で8000円程度使って、滞在可能時間ギリギリまで楽しんだ。
旅の恥はかき捨て
その後同じ建物の3階(だったかな)の美少女ゲーム売り場に行ってきた。旅の恥はかき捨て、とはよく言ったものだ(ここに書いてちゃ…まぁいいか)。意味ありげなのれんをくぐった先は…パッケージの美少女イラストとそれに群がる(私含め)成人男性が鮮やかなコントラストを成している世界だった。
馬鹿にしているわけでも、自虐しているわけでもない。自分の好きなものを素直に好きと認め、探究し続けるオタクたちの勇姿が、多様な趣味、嗜好を認め合う理想郷がここにあったのだ。心の底に深い感動を覚えた。
売り場の一角に前作『ワガママハイスペック』のキャラクターのアクリルスタンドがあったので購入した。カフェで買ったのと一緒に、今も私の机の上に鎮座している。
少しお金を使いすぎたことや、他に行きたいところがあったことから、秋葉原を後にした。見上げた空は青々としていた。
今回はこれくらいにしよう。
追記
段々とネタ切れになってきた…これは私に小説を書けという天啓か?
実は少しずつ長編創作に向けて動き始めているんだが…どうか気長に待っていてほしい。