下甑島に生えてる延命草
下甑島の山には延命草とい薬草が生えているのですが、薬草業界(?)では、有名な草です。
別名は、ヒキオコシ。
病人を引き起こすほどの薬効があるとか。
趣味の園芸でも育てることもできますが、個人的には趣味で栽培しているのは見たことがない・・・https://hobbytimes.jp/article/20191112h.html
やたらと苦いのが特徴で、一般的にはセンブリという、これまた苦い薬草があるのですが、そちらの方が知名度は高いように思います。
一応、水出しと言って、煎じるのではなく、500mlのペットボトルに乾燥させた枝や葉っぱを少し入れて、冷蔵庫で一晩おいておくと「少し苦い冷水」ができあがります。
これを、水筒に入れて職場に持って行き、お茶替わりに飲むという方法があります。
煎じたものは、口が曲がっていくほど苦いので・・・
こういう薬草類の効能に関して、あまり医学的に論文で発表されたものは少ないのですが、延命草に関しては研究されたものがあります。
以下は、京都府立医科大学が、科学雑誌「Cancers」に2021.2.26に論文を掲載しています。
https://www.baika.ac.jp/assets/pdf/pressrelease/news_20210309.pdf
ご興味のある方は、種から栽培してみてはどうでしょう。
一応、サプリメントもあるようですね。
鉢植えもで育てることは可能らしいので、ここはひとつ自分で育てて安全安心っていう・・・
もしくは、下甑島に採取に・・・
あと、注意としては、なぜか長命草の方が知名度があるのか、延命草と長命草を間違われる人が多いのですが、長命草は全然別の草です。
見た目も全然違いますし、自生している場所も全然違うし、もちろん味も違います。ただ、延命と長命というニュアンスが似ているんですね。
長命草は、浜によく生えていて砂浜に行けば、どこでもたいてい生えています。
これは、セリ科で独特のクセのある味で、沖縄ではヤギ汁の臭いけしに使われていたりします。
新芽の天ぷらは、まぁおいしいとも聞きます。
延命草は山に生えていて、日当たりのいい半分日陰とかで、かつ、藪ではないところ。そういう所に生えていますが、素人が山に行って探すのはかなり難易度が高いです。
また、こういう薬草は生えている場所を公開すると、すぐに絶滅する(乱獲されて)ので、いわゆる薬草マナーとして、場所を知っている人がいたとしても、どこに生えているのかは「聞かない、教えてもらわない」というのがあります。
欲しい場合、その人に採取してきてもらったものを、分けてもらう。というのが原則であります。
多年草なので、取りつくしたりしなければ、勝手に毎年生えてくるんですね。
ただし、日当たりが必要なので、ある程度、人間が草刈りなどの手入れをしている必要があります。
もし、山で延命草を見かけたら、よほど環境がよくて自生し続けているか、誰かが草刈りなどの管理をしているということです。
また、田舎あるあるですが、地元以外の人間が山でなにか採取していると、場合によってはかなり強烈に怒られることがありますので、お気を付けくださいね。
また、毒草や毒キノコと間違う可能性もありますので、延命草に限らず自分で採取して何かするときは、そっち方向も十分お気を付けください。