元BiSとももクロで武道館で歌ったBiSH「オーケストラ」に感涙 【配信&アーカイブ】『第6回 ももいろ歌合戦〜50組以上の超豪華出場者と年越し8時間無料生放送〜』@AbemaTV
今年の目玉も「最強アイドルメドレー」
全体を通して見たとき、大御所や人気シンガーが多数参加したにも関わらず、目玉となったのは「最強アイドルメドレー」だったことは間違いない。
中でもメドレーのラストを飾ったのが、ファーストサマーウイカとももクロ4人によるBiSH「オーケストラ」だったということが分かった時には全身が総毛立つようななんともいえない感覚を感じたのだ。
私はBiSHの熱心なファンというわけではないが、このパフォーマンスは2023年での解散を発表しているBiSHへのアイドル界の仲間としてのエールが込められているわけだが、事情を少しでも知っているものにはセンターに立っているのが、日本武道館での公演を目標としながらもついにそれをかなえることなく解散したBISのメンバーだったウイカが武道館のセンターステージに立ち後輩でBiSの思いを受け継いで発足したBiSHの代表曲を歌っているという状況自体が「特別なもの」なのである。
ウイカ自身がこの歌をももクロと一緒に歌うというのはももクロ側からの申し出であったと語っており、これを企画したのは十中八九、佐々木彩夏(あーりん)であることは確実だ。ももクロのプロデューサーである川上アキラはプロレスを念頭に自らのプロデュース術を「点と点を結んで線にする」と語ったが、今回の「オーケストラ」は文字通りその哲学を受け継いだものだ。
それはもちろんBiSやBiSHに絡んだもろもろの歴史的な事実を踏まえて仕掛けたものだ。というのは佐々木は自らが企画したアイドルフェス「AYAKARNIVAL」にBiSHが所属する事務所であるWACKから3年連続でEMPiREというBiSHの妹分グループを呼び、今のところ最後の「AYAKARNIVAL」となっている一昨年はこの武道館で開催し、WACKにとってここが特別な場所だと知ったうえでここに立たせたという経緯があったからだ。
BiSHは2023年いっぱいでの解散を発表し、これからツアーに出るところであるけれど、武道館については今のところ何の発表もない。とはいえ、発表されたスケジュールでファイナルとなりそうな6月の東京ドームが発表された後でも、BiSHのファンはまだ日本武道館での公演が諦めきれないようだし、何らかの形でやるのではないかと思っているようだ。
そうだとすればAYAKARNIVAL→ファーストサマーウイカ→BiSHと点をつないでできた線がBiSHの単独公演として有終の美を飾れるのならばそれでよし、もしそれがかなわないならばそれが東京ドームファイナルの後であっても、AYKARNIVALあるいはももいろ歌合戦で日本武道館に立ってもらうということを考えているのではなかろうか。これは結局のところ渡辺淳之介がそれをよしとして受けるかどうかなのだと思われるので。とりあえず相手に向かってボールは投げられたのだと思う。
点と点を結んでの仕掛けということであればAKB48のダンス曲のあーりん軍団によるカバーも今年で2年連続となった。昨年の「根も葉もRumor」は話題になったことで@JAM EXPOでのあーりんとAKBのスペシャルコラボにまでつながった。今年も引き続き「元彼です」を披露したが、興味深いのは今年はそのメンバーにスタプラ、東京女子流だけではなく、元AKB48の指原莉乃プロデュースの=LOVEのメンバーも加えたことだ。こうなってくると明らかにあーりんの目標はアイドル界の垣根を壊して自由に交流が可能な状態にすることにあるのではないかと思うのだ。AKBが2年連続で紅白から落ちたことで、間違いなくももクロ陣営(あーりん)はAKB48にもオファーはしたはず。さまざまな思惑もありそれは受け入れられることはなかったのだと思うけれど、すでにAYAKARNIVALにはSTU、SKE、HKTを招聘し出演させた実績、そしてパイプもあるあーりんにとっては次のターゲットが本丸ともいえるAKB48であることは間違いなく、近杯の「元カレです」はそこに向けての布石だと思うのだ。
あーりんの企画ではファッション誌「LARME」でもモデルとして共演しているなーたんこと齊藤なぎさ(=LOVE)がグループ卒業を控えていることから、彼女のソロ曲「現役アイドルちゅ〜」を一緒に歌ったが、これはももクロでいえば「だってあーりんなんだもん」に匹敵するようなガチのアイドル曲。これをデュオで歌うあーりんはとんでもない怪物ともいえそうで、衝撃的なインパクトを与えた。
ももクロ以外の参加アイドルは?
先に挙げた「最強アイドルメドレー」をはじめ数多くのアイドルグループ、元アイドルが参加しているのもNHK紅白と比較してのももいろ歌合戦の特徴だ。紅白の場合、アイドル系の出演者が多数いるとはいえ、そのほどんどがジャニーズ系列、坂道系、K-POP系に限られ、それ以外のグループは事実上締め出されている。これに対してももいろ歌合戦はこれまで完全に紅白から締め出されてきたももクロ以外のスターダストプロモーションの男女グループや独立系のグループに門戸を開いているのがひとつの特徴。
そのなかでも今年の特徴はスターダストプロモーションの男性グループとしては最古参の超特急が初参加、その後輩のSUPER★DRAGON、BUDDiiSも参加。これまでは男女グループをあえて共演させない「隔離政策」を取ってきたももクロをはじめとする女性グループとの共演も全面的に解禁するかのようによりスタダ総力戦の様相を呈してきた。一方、女性グループも地元九州での他フェス参加予定があるばってん少女隊を除き、私立恵比寿中学を筆頭にこれまでグループとしての参加はなかったTEAMSHACHI、超ときめき宣伝部、いぎなり東北産、ukkaがフルメンバーでの参加、さらにCROWN POPメンバーのコロナ欠席を受けて、AMEFURASSHIもメンバー全員での参加となった。オープニングライブとしてはももクロをはじめ、いぎなり東北産、TEAMSHACHI、ukka、BUDDiiSが名刺代わりの1曲としてメドレー形式でそれぞれの持ち歌を披露した。
本編では引き続き、最初のパフォーマーとして超ときめき宣伝部も楽曲を披露するため冒頭部分はミニスタダフェスの様相を呈するかもしれない。ファンとしてはAMEFURASSHIが単独で曲の披露をできないのは悔しかったが、当初は愛来、小島はなだけの参加予定であり、スタダとしての現在の評価がこの程度ということも分かった。メンバーも悔しさを乗り越えて、年明けのスタプラフェスでは躍動してみせ、シンデレラの座も獲得してほしい。
他陣営からはももクロと同期デビューで盟友ともいえる東京女子流(Avex所属)が今年も参加。「アイドルメドレー」でも活躍した。毎年本丸に向けて少しづつ近づいていっているスタプラ(元スタプラ)枠では今年は満を持して百田夏菜子の同級生でもある鈴木愛理が参加。さらに今年は指原 莉乃プロデュースの=LOVE(イコラブ)が初参加。指原、ももクロ、エビ中、鈴木愛理といえば指原プロデュースのフェス「ゆび祭り」*1で顔を合わせた経緯もあり、個人的にはその時に鈴木がBuono!で披露した楽曲「初恋サイダー」を夏菜子、愛理を中心にぜひ披露してほしいと思っている。このようにももいろ歌合戦開催前には書いたのだが、結局「初恋サイダー」の披露はなかった。夏菜子、愛理は超特急メンバーらの男性同級生とともに「学園天国」を歌った。これも切り口は全然異なるが、アイドルファンしか知らない曲が続く今年のメドレー曲ラインナップの中ではよいアクセントとなっており、二人の掛け合いも魅力的だった。
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アイドルと呼んでいいのかは疑問も残るがやはりなぜか紅白に呼ばれないダンス&ボーカルグループのDa-iCEが2年連続で参加してくれたのもある意味画期的なことだと思う。しかも昨年はレコード大賞受賞直後の参加となったし、今年も参加曲「スターマイン」でノミネートされている。今回は事前収録による参加となるようだがFANTASTICS from EXILE TRIBEの参加も画期的なことだと思う。
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