嫁をおしゃれキャンパーにする#2
暑い。
頭がぼーっとする。このままいくと熱中症になるんだろうな。それにしても暑すぎやしないか。
8月、実家から引っ張り出してきたテントをもって意気揚々とキャンプに出かけた。私は車中、焚き火を眺めて過ごす夜のわびさびなんかを教え、嫁は楽しみだと言っていた。
キャンプ上について、すぐ思った。暑すぎる。
結論だけいうと8月にキャンプは二度といかないと決めた。過酷。夏といえばキャンプな方々には正気ですかと聞きたい。
まず、テント設営から苦行である。ずっと暑い。服を脱いでも限界がある。焚き火をしようと薪を買ったが、この状況で焚き火を焚こうなんてどうかしている。だって暑いから。
これが肌寒い季節なら、焚き火を焚いて、火をみつめながら、あったかいコーヒー、もしくは熱燗、あるいはホットワインなどを嗜む。よろしいですな。である。
対して、この暑さの中、大量の汗をかきながらテントを建て、タープの下、椅子に座る。無風。悟りが開きそうである。
はっ!そうだ、嫁は大丈夫か。こんな過酷なキャンプを体験したらキャンプなど金輪際行かないなどと言いかねない。焚き火のわびさび、キャンプの奥ゆかしさを知るにはこれからだというのに。
照りつけるような暑さの中、タープの下で椅子に腰掛ける嫁をそおっと見る。大仏のような顔している。悟りが開きそうである。
私は「大丈夫?」と声をかけた。
嫁は「次は9月にしよっか」といった。
まだ、大丈夫。