鳥栖戦90分+のピンチに表れた意図を読み解く
2020年7月22日に行われたサガン鳥栖vs清水エスパルスの後半アディショナルタイムのプレー。
これです。梅田のスーパーセーブの前に岡崎がボールを奪われています。このプレーについて同好会メンバーで話し合いました。せっかくなのでちょいとまとめておきます。
そもそも議題にこれが上がった理由は下のリンク、たくや(@takuya_silva)さんの記事でして。
「ヴァウドしっかりフォローしろよ」くらいの薄い感想を抱いていた僕らメンバー一同。このワンプレーからチームのコンセンプトに重ねながら意図を掘り下げた視点はすげーなと感動いたしました。そこで「じゃあ、僕らもこのプレーを見直してみよう」となったわけです。
ということでたくやさんの記事をリスペクトしながらそれをベースに我々の視点を以下にまとめたので少しのぞいてみてください。
1.竹内のプレーイメージ
まずスタートは90:28。鳥栖のスローインから。それぞれのチームの選手の位置関係はこんな感じ。立田のスローインから西澤、中村と清水の左サイドでボールが渡ります。
中村がボールを受けたと同時に竹内はサイドステップで後方に下がります。ここで下がらず前のスペースに竹内が出ていけばフリーでボールを前進できたというのが一つの可能性。確かに。
もう一つの可能性。僕らが注目したのが鈴木の周辺にいた鳥栖の守備のプレスの方向。スローイン時、鳥栖の中盤は前向きに鈴木唯人にプレスをかけていました。なので中村が受けた時、鳥栖の中盤はその流れで前方に動いています。このまま竹内が前に進んでも、そのプレスの方向とちょうど重なりボールを受けた時にはスペースが消えているかもしれません。
竹内はそれが見えたため、逆に後ろ方向にステップして自分の前のスペースを広げたのではないかというのが我々の推測です。
その後、竹内は少し右側に運んでから岡崎にパスしてそのまま前にダッシュしています。おそらく岡崎からのリターン、もしくは岡崎⇒金子と渡ったボールを再び受けてフリーのスペースに運んで行こうとしていたのだと思われます。
岡崎は相手のプレスをまともに受けてボールを失ってしまいますが、金子が下がるか、ヴァウドが後ろでフォローしてくれればなんなくプレスを回避できていたはずです。さらに言えばもし金子下がって岡崎のパスを受けてリターンしてくれればビックチャンスを作れた可能性がありました。
記事中でたくや(@takuya_silva)さんも触れていますが、シュートを撃たれた後に竹内は金子に吠えています。ビッグチャンスになる可能性がビッグなピンチになってしまった。竹内が金子に怒ったこともこう考えれば腑に落ちるのではないでしょうか。
2.岡崎のプレーイメージ
少し時間を戻します。中村が受けた時の図をもう一度。
岡崎は中村が受けた時点で相手のSHの裏を取って前にダッシュしています。竹内が後ろに下がった時点でボールがサイド前方に出てくる可能性は低そうなのに岡崎は何故前に出ようとしたのでしょうか。
僕らが注目したのは中村が受けた時の体の向きと相手のプレスの位置です。相手の位置が左サイド側だったのでターンすれば中村なら例の中央のスペースにボールを運ぶことができたかもしれません。
中村が自力で前に行くか、竹内が前で受けるか、いずれにせよ岡崎はまず前への選択肢に連動した動きを取ったと考えられます。そしてボールが後ろに下がったので、すかさず自分も後ろに下がってフォローの位置を取ったというのが我々の推測です。
もしそうであれば岡崎は複数の可能性を頭に入れて味方のプレーに応じて判断をすかさず変えるクレバーなプレーをしていたと言うことができます。
ちなみにヴァウドはスローインのスタートから岡崎が奪われるまで位置を変えていないし、全くプレーに関与していません。さすがにヴァウドのこの動きは駄目でしょという意見は皆で一致しました(笑)。
まとめ
たった一つのプレーですが、それを掘り下げることで様々なことが見えてきました。そしてそれは私たち一人一人では決して見えることのないものでした。他の人の意見を聞いて見えなかったものが見えるようになり、さらに別の想像が膨らむのはとても楽しいことですね。
沢山見えるということは、チームを応援する楽しみが広がったと同義です。私達ファンもエスパルスのプレーと同じように楽しさの"連動"を広げていけたらいいなと思います。今回はたくや(@takuya_silva)さんの記事に連動してみました。当会ではこれからもぜひ色んな方と楽しさの連動を通じて繋がりを広げていけたら嬉しいと思っています。
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