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CiON(シーオン)はPerfumeの夢を見るか?
ご縁があり、2月15日にパシフィコ横浜で開催されたCiON(シーオン)のライブに参戦してきました。
実はCiONのことは昨年のちょっとした騒動がニュースで報道されたことをきっかけに知り、興味本位でYouTubeで動画を見て衝撃を受け活動再開を待ち望んでいました。
それを知った妻がたまたまオタク友達経由でチケットを手配してくれ、無事参戦となりました。
千葉に引っ越してから横浜は久しぶり。パシフィコ横浜はPerfumeのファンクラブツアー以来なので数年ぶりでしょうか。
「ブラドル(ブラスバンド×アイドル)」を標榜する彼女たち。
ステージを見てまず気づいたのがフルバンド構成ということ。気合の入れ方がインディーズアイドルとしてはちょっとすごいのでは?という予感がしました。てかアイドルのライブでグランドピアノってなんやねん!
冒頭、杏実ちゃんのやや緊張した影アナののち、彼女がひょっこり出てきてグランドピアノでソロ演奏を披露。私は幼少期から10数年ちょっとピアノを習っていたので多少ピアノ知識はあるのですが、閉じられていたグランドピアノの屋根を開けてフル音量の音色を聞いていたくなるような美しい旋律でした。
その後の怒涛の展開は正直記憶が飛んでいるのですが、「圧倒された」の一言に尽きます。
バックバンドはプロフェッショナルの方々ですが、それと全く遜色ない楽器チームの演奏と歌唱チームの歌唱力。とにかく放出されるエネルギーが違います。これは路上でやったら怒られるわ。
何よりメンバー全員が楽しそうにパフォーマンスしてるのがすごくいい。杏実ちゃん推しの私は彼女が楽しそうにピアノ弾いてるの見て(且つ、目線はピアノではなくステージ上のメンバーと、その先にいるお客さんのほうを見ている)、ちょっとうらやましくもなりました。私も彼女のように楽しく弾ける環境だったら、もう少し違う人生があったのかもしれない。
同行してくれた妻は高校時代に名門吹奏楽部の全国大会で優勝経験があるのですが、彼女も「Sing-Sing-Singを聴いていても演奏のレベルがめちゃくちゃ高い」との興奮の感想でした。
私の稚拙な文章力ではこれ以上の文章化が難しいので感想は古参の方にお任せし、帰りの電車で考えていたことを少し書いてみます。
私が初めて「アイドル」を好きになったのは2007年ごろ、「テクノポップアイドル」を標榜してめきめきと成長していたPerfumeからです。
彼女たちはテクノ・エレクトロミュージックに造詣の深い人々の心を中田ヤスタカがプロデュースするポップな音楽性と稀有な人間性でがっつり掴み、今や誰も真似できない唯一無二の3人組グループとなりました。メジャーデビュー20年を迎えた今年も全国でライブを続けています。
私自身も大学時代の2008年にファンクラブに入り、初ライブ参戦がPerfumeとしても初めての武道館でした。
初めての大きなハコでのライブというのは演者以上にファンも力が入るので、Perfumeの武道館ライブでは「何としても成功させなければならない」という異様な団結力を会場で感じました。実は全く同じ空気を今回のCiONのパシフィコ横浜でも感じていたのです。
そしてライブが成功裏に終わったことで、CiONは私の中で「二人目のPerfume」になれるのではないか?という期待が膨らんでいます。
Perfumeが(時には躓くこともあったけれど)次々にステップアップしていったあの時の夢を、CiONで再び見ることができるのではないか。
Perfumeとともに歩んだ人生に、CiONが加わるのではないか。
「テクノ×アイドル」と「ブラスバンド×アイドル」。
単純にアイドルとしてデビューするより難しいこともたくさんあったかもしれません。
Perfumeが初めて夏フェスに出ることが発表された際も「ロックの祭典にアイドルを呼ぶのか」という異論がありました。
しかしPerfumeはロッキンの会場を満員にしました。
だれも挑戦しなかったことにチャレンジし続けることで、ついてきてくれるファン、認めてくれるファンは必ず増えていきます。
これからのCiON、期待しています。
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