見出し画像

ようやく市長が口を開いた

竹尾緑地問題・2020年7月17日

ようやく市長が口を開きました。
 
言えないことたくさんあったんだろうなあ。。。

(以下コピペ)

■■ 新学校建設問題についての見解 ■■

福津市民の皆様

異例の豪雨があけ、夏の気配を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

福津市の新学校建設問題をめぐり、西日本新聞(6月28日、7月11日)をはじめとして、このところさまざまな情報が飛び交っています。7 月 14 日には、福間南小の保護者に(追記:7月20日には福間小の保護者にも)アンケートメ ールが送信されたようで、各所に混乱と動揺が広がっています。

福間小および福間南小で過大規模が起きている現状については、日々憂えており、一刻も早い学校新設をと願っています。ですが、教育委員会の推し進める竹尾緑地への新中学校建設案(以下、竹尾緑地案)に対しては、市長として予算を上げることができない状態が続いていました。結果として、このような事態を招いてしまいましたことを、市民の皆様に深くおわび申し上げます。

私自身の考えについて、市議会では答弁しましたが、広く市民の皆様にお伝えしてきませんでした。このような混乱が生じてしまった今、市民の皆様にもご説明する義務があると考え、以下に概要をまとめました。ご一読いただければ幸いです。

〔竹尾緑地は危ない〕
竹尾緑地案で私が最も危惧しているのが、「ここでは子どもたちの安全が守られない」ということです。

竹尾緑地は、山と山の谷間にある沼地です。奥のほうには21,100tのため池があり、堤防にせきとめられています。決壊による水害その他の災害により、その周辺区域に被害を及ぼすと、県知事に指定されたため池です。『旧福間町史「地形-地質の章」:九大教授著』には、竹尾緑地に活断層があることも明記されています。地震などで堤防が決壊した場合には、子どもたちの命を保証できない。子どもたちがのびのびと元気に学校生活を送る環境を整えることが、市長としての責務であり願いでありますが、それは子どもたちの安全が前提条件であることは言うまでもありません。

竹尾緑地は、市内で福間駅東土地区画整理事業を進めていたUR都市機構が、2008年に12億5,422万円で福津市に売却したものです(絶滅危惧Ⅱ類のカスミサンショウウオなど希少生物の生息も確認され、福津市はこれを里山として保全してきました)。当時のUR都市機構が行なったボーリング調査の結果を見た専門家たちも、「ここに公共施設を建てることは考えられない」と口を揃えます。地下に帯水層があり、地盤がゆるいのです。

竹尾緑地ではあちこちで地下水が湧いているのですが、これらを埋め立てていくと、出口を失った地下水がどこで噴出してくるかわからないという怖さもあります。

私はわかたけ広場を含む福津市中央公民館の地に新小学校を建設する、手光わかたけ案を推しています。地盤が硬い上、小高い場所にあるため、ここなら福津市随一の防災拠点としての活用も可能となります。

〔小中学校の過大規模は〕
福間小(現在1,151人)、福間南小(現在1,441人)は、対処しなければ福間小は1,850人(R10年)、福間南小は1,682人(R7年)にまで増える見込みです。竹尾緑地に新中学校を建て6年生を中学に通わせることとし、福間・福間南小校区を5-4制(小学5年-中学4年)にする「竹尾緑地案」では、福間小は最大1,541人(小1〜小5)、福間南小は1,401人(小1〜小5)になります。校区再編を伴う手光わかたけ案では、福間小は最大1,418人(小1〜小6)、福間南小は1,479人(小1〜小6)になります。

福間中(昨年767人)は、対処しなければ1,811人(R13年)にまで増えます。竹尾緑地案だと最大1,295人、手光わかたけ案だと1,632人になります。約4年間(R11〜R14年)は過大規模になる可能性がありますが、仮設校舎リース校舎の使用等で対応できないかと考えます。

〔早く学校を作るには〕
できるだけ早く、過大規模状態を解消したいというのが、多くの児童・保護者の皆さまの切実な願いと思います。ですが竹尾緑地のような軟弱地盤に学校を建設するとなると、まずは地盤改良に時間がかかるほか、湧水地の埋め立て、ため池堤防の強化、竹尾緑地中央を走る井尻川の整備など、あらゆる作業が必要となります(今の建設予算は54億円ですが、いったん工事が始まれば、土木費、建設費が膨張していくことが容易に想像されます)。また竹尾緑地は現在、都市公園に指定されているため、ここに建物を建てる許可を得るには、その手続きに最低約1年ほどかかるといわれています。

手光わかたけ案の場合は、中央公民館が建っている場所に建てるので、およそ基礎はできています(予算は約46億円で、竹尾緑地のように建設費が膨張していく可能性は低いです)。現在、建設には最短でも4年かかると言われていますが、手光わかたけ小学校ならば、竹尾緑地5-4制中学校よりもっと早い開校が見込めると私は思っています。

〔長く利用される学校にするには〕
市民の皆さまからの大切な税金を預かる行政府の首長としても、私は施設が市民に長く利用してもらえることを願っています。現在過大規模が叫ばれている福間・福間南小校区の子どもたちは5~8年後には減少に転じ、15年後には激減するため、竹尾緑地に建てられる新中学校の半分は空き教室になると予想されています(市境にあるため、汎用性も低いという課題もあります)。

手光わかたけに新小学校をつくった場合には、周辺に安定して人口が見込める地にあり、市の中心部に位置するため、児童数が激減することはあまり考えられません。

〔新小学校の校区編成は〕
まだ検討段階ではありますが、
・現 神興小校区のうち手光区、光陽台4、5、6区
・現 福間小校区のうち大和1区、2区
・現 福間南小校区のうち光陽台1、2、3区、光陽台南、四角
・現 津屋崎小校区のうち宮司地域の一部
を考案しています。しかし、現在中高学年の子どもたちが新小学校に移動しなければならない、というわけではありません。新1年生や低学年などが少しずつ新小学校に入学・移動するという、ゆるやかな移行プランも必要ではと思います。

〔中学校の校区編成は〕
これも検討段階ではありますが、手光わたかけ小(仮)に入った子どもたちには以下のような形で3つの中学校に分かれていただくことを考えています。
・現 神興小校区のうち手光区、光陽台4、5、6区 → 福間東中へ
・現 福間小校区のうち大和1、2区 → 福間中へ
・現 福間南小校区のうち光陽台1、2、3区、光陽台南、四角 → 福間東中へ
・現 津屋崎小校区のうち宮司地域の一部 → 津屋崎中へ

〔3中学校に分かれることへの負担は〕
私は、新しくできる手光わかたけ小に、特別な構想を抱きます。一見普通の6年制の小学校かもしれませんが、裏山には自然や山小屋があり、思いっきり走れる運動場があり、田植え稲刈りができる田んぼがあり、自分たちで野菜をつくれる畑があり、放課後は子どもの城の児童センター「フクスタ」を利用しながら、めいっぱい「遊ぶ」ことが「体験」出来る学校にと願うのです。確かに3中学校に分かれていくことは、悲しみを伴うこともあるかもしれません。ですが私は、こうして体いっぱい遊んだ子どもたちが、そのエネルギーを3校区に持って出て、今度は新しくできた友達を連れ、慣れ親しんだフクスタに帰ってきてもらいたいと考えています。そうすることで、今度は3校区の子どもたちが混じり合い、今までに福津市になかった出会いと風が生まれてきます。福津市の中央にあって、楽しい福津市をつくる担い手となる「遊び手」をこの小学校で育てていきたい。校区外からの希望者がいれば、受け入れも可能になどと思います。

〔宮司地域のコミュニティづくりに〕
手光わかたけに新小学校を建てることで、解決したいもう一つの問題があります。それは、宮司1、2、3区が長年抱えてきた” 悲しみ ” です。

宮司1、2、3区では、現在225人の児童が校区の津屋崎小へ、137人が校区外の福間小に通っています(福間小に通った児童の多くは、校区の津屋崎中ではなく、校区外の福間中に通うことになります)。
こうした現状のため、この地域では子どもたちの発育を同じ自治会の大人たちが見守る「コミュニティスクール」の機能が、うまく生かされてきませんでした。同じ区の子どもたちが小学校入学の時より分断されていること、地元への帰属意識が育ちにくいことへの悲しみを、私は何度となく耳にしてきました。

手光わかたけ案であれば、宮司1、2、3区の子どもたちはみんな一緒に手光わかたけ小→津屋崎中に通うことができます。手光わかたけに小学校を建てることで、この地域の長年の悲しみに終止符を打ちたいとも思っています。

〔学校新設案はなぜ進まないのか〕
教育委員会は、首長から独立した行政委員会として、すべての都道府県や市町村に設置されています。今は『総合教育会議(「地方教育行政の組織および運営に関する法律。平成26年改正」)』の設置により、首長が教育行政を担う教育長含む教育委員さんと教育行政や施策について自由に話し合いができる制度が認められました。しかし首長がいくらお願いをしても、それを採用、案として提案するのは教育委員会の判断です。一方で首長には、教育委員会からの申出に予算が付けられるか、この編成権があります。首長から見て、不可解な予算を申請された場合には、それを断る権利があるのです。

教育委員会が竹尾緑地案に熱心に取り組んでいらっしゃることは重々承知しているのですが、行政府の長としては、子どもの安全や莫大に膨れ上がりかねない費用面などを考えると了承いたしかねるところがあり、予算をつけられない、というのが現状です。また、私が昨年からお願いしてきた手光の地案については、竹尾案を提案する教育部に受け入れていただけなかった、という現状があります。

〔市民の皆様にお願いしたいこと〕
教育部、教育委員会と私の考えの相違から、学校新設計画が進まず、市民の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしていることを心からお詫び申し上げます。この状況を打開し、一刻も早く新学校が開設できるよう、今後は市民の皆様にもご協力いただき、福津市全体にとって最良の選択はなんなのかを一緒に考えていければと願っております。

つきましては7月30日の「総合教育会議」で、市長と教育委員さんとの話し合いが行われる(傍聴席が限られているため、現在インターネット中継を検討中です)ほか、8月からは「市民意向調査」といたしまして、無作為抽出された市民の皆様による対話と話し合いの場づくりを、複数回にわたって実施していく予定です。

福津で、かけがえのない子ども時代を送ってほしい。福津が、子どもたちにとって大好きな心のふるさとになるように、みんなの知恵と力でこの難局を乗り越えていけたらと、心から願っています。何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年7月17日
福津市長 原﨑智仁

いいなと思ったら応援しよう!