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学校推薦型選抜・総合型選抜の準備や対策はいつからどのように行うべきか?【高1・2生対象】

更新日:2024/12/12

 小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導で教えている、作文・小論文・志望理由書作成における実践的な技法をレクチャーするのが、このシリーズ【文章作成の実践】。

※記事には広告が含まれています。

(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)


志望校対策は時期尚早。準備や対策は早ければ早いに越したことはないが、時期によってやるべきことは異なる。

 先日、別記事で「志望大学・学校は、学校推薦型選抜や総合型選抜で受けるべきだ」というお話しをしました。いまや推薦系選抜は一部の限られた生徒だけのものではなく、全ての生徒が対象であり、推薦系選抜での受験も考えることによって、志望大学・学校の合格の確率が高まるという主旨でした。

 では、高1・2生のみなさんは、そうした推薦系選抜に対する準備や対策をいつからどのように行えばよいのか、というのが、今回のお話しです。一般的な推薦系選抜というと過去問などを使ったいわゆる志望校対策ですが、それはまだ時期尚早です。それは志望校が定まる高3生の時期に行いましょう。ここでは、高1・2の段階でどのようなことをしておくべきかについて、お話ししていきます。

日頃の勉学や部活動に勤しむのがまず一番の対策。

 まず一にも二にも大事な「対策」は、日頃から勉学や部活動にしっかりと取り組むことです。学校推薦型選抜では、大学が指定した評定値(学校の成績)以上でないと受験できないところが大半です。そのため「そもそも学校の成績が足りなくて志望大学が受けられない」なんてことにならないように、常日頃から学校の勉強を頑張ってください。

 また、部活動に所属している生徒は、その部活動での成績や評価が受験に関わってくることがあります。そのため、部活動も手を抜かず、「文武両道」で取り組んでください。これらが、まずもって一番大事な推薦系選抜の対策です。

小論文試験や志望理由書の作成に備えて、基礎的な文章作成力を身につけておく。

 ほとんどの推薦系選抜では、志望理由書を作成したり、小論文試験があったりします。そのため、基礎的な文章作成力は必要です。とはいえ文学賞を狙うわけではないので、何も小説が書ける程の文学センスや文章表現力は必要ありません。ただ書類や小論文答案を作成できるくらいの最低限の文章作成力はないといけないでしょう。特に「文章を書くのが苦手」という人は、本格的な小論文学習に入る前に、しっかり文章作成力を身につけておきましょう。

(基礎的な文章作成力を身につけるのにオススメの本)
・語彙力や表現力をつけるのに最適です。当然、国語の勉強にもなります。

・小論文の基本的な書き方が学べます。

(小論文の基本の書き方トレーニングはこちらの記事でも話題にしています。)

志望理由書の作成に備えて、日頃から将来の夢を考えておく。

 志望理由書では、「なぜうちの大学・学校の学部・学科を志望したのか」といった志望理由をまとめる必要があります。その際、「何のためにその大学や学校を志望先としたのか」、「何のためにそこに進学するのか」といった進学の動機が関わってきます。たとえば「大学に行って医者になりたい」ということが進学の動機にあるからこそ、「医学部を受けよう、医学部を志望する」となるわけです。このように、進学の動機となり得る「将来の夢」がここでは問われるため、日頃から自分の「将来の夢や目標」について考えておくとよいでしょう。大学に行って何を学び、卒業後社会に出てどのように活躍したいのか、リアルに想定してみましょう。

(将来の夢の見つけ方は以下の記事で話題にしています。)

小論文試験に備えて、普段から社会ニュースにふれておく。

 小論文試験では、「現代社会の問題」がテーマとして扱われます。たとえば「高齢化社会の問題」や「環境問題」、「国際化の問題」などがそうです。こうしたテーマに関連した資料が課題として出題され、それについて小論文を書いていきます。この際、そのような「現代社会の問題」についての知識や理解がなかったら、いかに文章作成力があっても小論文は書けないでしょう。ですから、普段から新聞やネットニュース、テレビなどで、社会で起こったニュースについてふれておくことが大事です。

(時事的な社会ニュースに関する学習については以下の記事でも話題にしています。ただし、ニュース解説本を使った時事問題対策は高3になってからでよいです。受験する年の時事問題について学習しないと、有効な直前対策になりません。)

(また、社会ニュースにふれるときには、「問題意識」や「当事者意識」をもってそのニュースを理解し考えるようにしてください。すると、有効な小論文対策になります。)

(こうした小論文の頻出テーマ解説本の活用もよいです。)

面接試験に備えて、日常の中でコミュニケーション能力を養っておく。

 多くの推薦系選抜では、面接試験が課されます。そのため、そうした面接試験の本格的な対策に入る前の基礎学習として、日常的にコミュニケーション能力を養っておくことも大切です。普段の生活の中で「人の話をしっかり聞くこと」、「自分の意見をしっかり言うこと」を意識的に行うとよいでしょう。また、学校の人前で何かを発表する機会がある場合には、「プレゼンテーション能力を身につける場」としてその機会をうまく活用してください。

(聞く力・話す力を身につけるのに参考になる本)

まとめ ~推薦系選抜の対策を意識して日々の生活を送ろう~

 以上のことを日頃から行っておくと、高3生になって行う志望校対策のよい準備学習となります。あらゆる局面で求められる基礎力を高1・2の段階で身につけておけば、高3になってよりスムーズに志望校対策に入っていけます。普段の生活を、上記のことを意識しながら送ると、それだけで有効な推薦系選抜の対策になるでしょう。是非、今から行ってみてください。


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〆野 友介 | 教育系noter | 小論文・作文指導者| 志望理由書の作成指導も |
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