本日ワンシーン! 「見えない手錠」 まとめ
お久しぶりです!シマです(´∇`)
いやぁ……少し間が空いてしまいましたが、本日、「見えない手錠」のまとめを投稿いたします。
もう少しで今年も終わり、私事も色々と一区切りつきそうです!
ただ……年末までは仕事でバタバタとしそうですね|ω・`)
コンテスト作品の執筆もあるし……騒がしい年末になりそうです……_(›´ω`‹ 」∠)_
しかし!その前にクリスマス!今年もやってきましたねぇ
クリスマスの思い出というものは、数少ないですが印象的なものがいくつかあります。
そのうちのひとつが……猫との出会いでしたね。
今では、様々な動物カフェに行っていますが、初めてネコカフェに行ったのが大学生の時のクリスマスのことでした。
友人3人とクリスマスに遊ぶ約束をし、最後にとあるネコカフェに行きました。
一発でやられましたねΣ(°꒫°๑=͟͟͞)➳♡ズキューン
そこから数時間、閉店までネコカフェに入りびたり、常連となりました。
ほんと……幸せな時間でした(≧∇≦)
なつきにくいというネコがお腹を見せてくれまして、もう、くつろいでいる姿を見るだけで癒されましたね
そして、閉店後、違うお客さんに……
「あのお兄さんの気持ちがすごい分かる」
……とても残寝そうにしているのが顔に出てたらしいです(//∇//)\
とまぁ、クリスマスの思い出は他にもありますが、今のところ印象的な出来事はネコにメロメロになったのが一番ですね!
……悲しくないですよ!!
短めですが、雑談はここまでにしましょうか!
それでは「見えない手錠」の完成版!(まだ訂正はしますがね……)
お楽しみください!それでは!
本日のワンシーン!「見えない手錠」
学校の教室(昼間)
校庭には卒業式の記念撮影のため生徒が次々と体育館から出ている
3年以外は休みで登校していないはずだったが、本校の2階の一番端の教室で2年生が2人がグラウンドの3年生達を見ていた。
奏太「サッカーゴールにもたれかかってる人」
宮田「バスケ部の中田先輩。部活のエースで有名だったな」
奏太「じゃあ、トラックで走り続けてる人」
宮田「駅伝部の門松先輩かな。落ち着きがない人だなぁ」
奏太「なるほどな。倉庫前で本を読んでる人」
宮田「あれは図書委員の山川先輩かな。漫画で見るようなぐるぐる眼鏡かけてるし」
奏太「本当だ。すごい眼鏡だな」
宮田「あれ伊達らしいよ」
奏太「……逆に目が悪くなりそうだけどなぁ……宮田は全員の名前覚えてるの?」
宮田「いや。名字なら全員言えるけど」
奏太「名字だけでも十分だろ! 気持ち悪い」
宮田「人より細かいだけだよ。ちょっと周りをよく見たら誰だってできる」
奏太「そうか?」
宮田「あの人何してるんだろうなぁって思ったら、どんな些細なこと印象に残るだろ」
奏太「ほー。周りを見るか……」
宮田「奏太は適当過ぎるんだよ。昨日、休みだって先生が話してたよな?」
奏太「忘れてた! 宮田も同じようなものだろ?こうやって学校に来てるし」
宮田「俺は生徒会の引き継ぎのために来てるんだよ」
奏太「……生徒会なんだっけ?」
宮田「他人に興味持たなすぎだろ。ほら、もう帰りなよ。見つかったらめんどくさいし」
奏太「あの数をかき分けるのは無理だよ。いなくなるのを待つためにたまたま教室にいた宮田に話しかけたんだろ」
宮田「突然、話しかけられるとは思わなかったよ。裏口とか事務員さんに言えばーー」
奏太「あのテニスコートのベンチに座っている女子2人! あの美人なほう!名前は?」
宮田「……髪の短い人なら宮里先輩だな。ミスコンの1位」
奏太「その隣!」
宮田「……弓道部の佐々木先輩だな」
奏太「佐々木先輩かぁ……おしとやかでクールなタイプ。ザッ大和撫子って感じだな。宮田は、どっちがタイプ?」
宮田「俺は宮里先輩。誰にでも優しいし、すごい明るいんだよ。太陽みたいな人なんだ」
奏太「それは疲れそうだなぁ」
宮田「え?」
奏太「周りを気にしながら生きてるってことでしょ? 人の目を気にしながら生きるってそんな窮屈な生き方は嫌だろ」
宮田「……よく分からないな」
奏太「自分に負担をかけて生きていたくないだろってこと。人の目とか気にせず、自由な人生を送りたいってこと」
宮田「自由ね」
奏太「少なくとも俺はあいつらみたいに不自由にはなりたくないね」
宮田「……卒業生が不自由に見えるか?」
奏太「見えるね。ものすごく不自由。……俺には卒業証書が手錠に見えてならない」
宮田「手錠?」
奏太「見えない手錠。身分、法律、世間体。いくつもの鎖がつながってる。さっきまで聞こえなかった? ガチャン、ガチャンって」
宮田「さぁ?」
奏太「生徒に手錠をかける音だよ。ちなみに宮田にはもうついてる。優等生はいろんなことを気にしないといけないもんな」
宮田「俺はそういうことは気にしてないけどな」
奏太「嘘つけ。教師やら親たちから変な目で見られないようにしてるだろ」
宮田「普通に生活してるだけだよ」
奏太「普通ねー。ちなみに将来の夢とかある?」
宮田「夢か……総理大臣」
奏太「ははは! その仕事は似合う。不自由さナンバー1」
宮田はそんな言葉には耳を貸さず自分の荷物を鞄に詰めていく
奏太はひとしきり笑い再び窓に目をやる
そんな奏太に突然、宮田は問いかける
宮田「……あの人誰だか分かる?」
奏太「あの人?」
宮田「めちゃくちゃ笑ってる2人組……髪の短い方」
奏太「……あっ、生徒会長!」
宮田「そう。生徒会長の響さん。じゃあ、その隣の人は分かる?」
奏太「見たことないな。あんな先輩いたか?」
宮田「去年まで家に引きこもってた。山下先輩。卒業ギリギリの出席日数らしいよ」
奏太「へー」
宮田「宮田と同じ」
奏太「え?どこが?俺は引きこもってないぞ」
宮田「あの人さ、学校に行く時間があるんだったら自分の好きなことに使おうって不登校になったらしい。他人の目を気にせず、自分のやりたいことをやる。さっきまで話してた自由っていうのと同じだろ」
奏太「(目が泳ぐ)……」
宮田「そんな考えはさ、自由なんて良い言葉で表現されるものじゃないと思うんだ。羨ましいって思われないと自由って呼べない」
奏太「確かに! 俺もそんな風に羨ましがるようなーー」
宮田「今の奏太は羨ましいって思えないな」
奏太「……」
宮田「山下先輩を学校に連れてきたのは響さんなんだよ」
奏太「え?」
宮田「同じクラスメイトで喋ったことがないなといって部屋に突撃。いつの間にか学校に連れ出して仲良くなってた。喋ってみると面白い人らしいよ。話の中で飛行機が好きだって話になったら響さんがパイロットになったらいいって勧めてさ、本人もその気で、パイロット養成コースに進学する」
奏太「……見かけによらないな」
宮田「そう。面白い人っていうのもパイロットになりたいって気持ちも本人すら気づかなかったんじゃないかな」
奏太 「……」
宮田「あの2人。俺は羨ましいな。あの2人だけじゃない。卒業生みんなが俺には自由に見える」
卒業生たちは写真を撮り終わり、体育館へと戻っていく。
宮田「……じゃあ、俺は生徒会室に行ってくる。奏太も早く帰れよーー」
奏太「お前さ、なれるよ」
宮田「え?」
奏太「総理大臣。お前の喋るところ、会見とかで喋る総理大臣に似てたし」
宮田 「(一瞬ぽかんとするが)……ありがと」
宮田は奏太が少し喋った夢のことを応援したことに驚いたが、奏太なりの変わる第一歩なのだと考えて生徒会室に向かった
奏太は1人、体育館に入っていく卒業生たちに目を戻す
奏太はしばらくグラウンドの方を見続けルが、唐突に、まるで卒業証書を受け取るように右手、左手と腕を上げ、何かを受け取ると同時に「ガッチャン」とつぶやく
外では最後の卒業生が体育館に入っていき
グラウンドには誰もいなくなった
おわり