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銅と硝酸の反応

銅と硝酸の反応について、よく質問されるので、覚えておくことをまとめておきます。

塩酸や希硫酸は水素よりもイオン化傾向の小さい銀や銅は酸化できませんが、硝酸は銀や銅も酸化できます。

希硝酸で銅を酸化すると一酸化窒素を生じます。
$${\displaystyle 3Cu+8HNO_3 \to 3Cu(NO_3)_2+2NO+4H_2O}$$ 

硝酸の半反応式
$${\displaystyle HNO_3+3H^++3e^- \to NO+2H_2O}$$
銅の半反応式
$${\displaystyle Cu \to Cu_2+2e^-}$$

一酸化窒素は、水に溶けにくく酸化されやすい無色無臭の気体で、空気中では酸化されて二酸化窒素になります…と、学んだと思いますが、実際は、銅と希硝酸でも二酸化窒素を生じています。
銅と希硝酸の場合は水溶液の溶質としての硝酸の濃度が低く、水に溶けやすい二酸化窒素が水に溶けて一酸化窒素だけが残ります。

濃硝酸で銅を酸化すると二酸化窒素を生じます。
$${\displaystyle Cu+4HNO_3 \to Cu(NO_3)_2+2NO_2+2H_2O}$$

硝酸の半反応式
$${\displaystyle HNO_3+H^++e^- \to NO_2+H_2O}$$
銅の半反応式
$${\displaystyle Cu \to Cu_2+2e^-}$$

二酸化窒素は、水に溶けやすく赤褐色で刺激臭のある気体で、水に溶けると硝酸や亜硝酸になります…と、学んだと思いますが、実際は、銅と濃硝酸でも一酸化窒素を生じています。
銅と濃硝酸の場合は一酸化窒素は酸化されて二酸化窒素になるので、二酸化窒素だけが残ります。