流星群
これは昔、島村塾で本当にあったかもしれないお話です。
以前、Yahoo!ブログで書いていたものです。
ほとんど同じです。
だから、読んだことある人は、読まなくていいです。
それでは…
01 エイト
夜中にいきなりLineが来ました。
いつ空いてるのって。
もう3年くらい会ってないのにどうしたんでしょう?
別に君を求めてないし、そのエイトじゃないです。
それでは…
島村塾に通うA君は、当時、高校3年生でした。
ラグビー部に所属し、ナンバーエイトとしてチームを支えていました。
ラグビーのナンバーエイトは、FWの花形ポジションです。
高校最後の試合となった徳島県高校ラグビー選手権決勝、それまでの激闘で足首を故障してしまった彼は、痛み止めの注射を打って試合に出ました。
故障を感じさせない闘志あふれるプレーで強敵に挑みましたが、残念ながら試合には敗れてしまいます。
試合の後、氷を浮かべたバケツに痛めている足を入れて冷やす姿は、土と芝にまみれて美しく輝いていました。
それから音楽…ロックが好きで、バンドでギターかベースを弾いていました。
Janne da arc…Acid Black Cherryのyasuさんの大ファンでした。
ミュージシャンのファンで自分もバンドをやっている…そういう男の子は、だいたいそういうことをするんだと思います。
昔…もっとずっとずっと昔、バンドをやっていた別の生徒は、X Japanの大ファンでした。
やっぱり、彼も、そういうことをしてました。
その彼にも、ちょっとしたお話があるんですが、それは別の機会にします。
さて…
ミュージシャンのファンで自分もバンドをやっている…そういう男の子はだいたいそういうことをするんだと思います。
yasuさんのファンだった彼は、yasuさんのファッションを大胆に取り入れていました。
タイトなカラーシャツのボタンを2つはずして、前髪はアシンメトリーでした。
高校ラグビーのナンバー8の彼は、結構なマッチョでタイトなカラーシャツの胸元を開けて見せるのは似合ってました。
ところで、私は、A君に伝えられないでいることがありました。
攻めたファッションの男の子に対する女の子の評価は、はっきりと分かれます。
その差は僅かなものであったとしても、評価は明確かつ残酷に下されます。
しかも誰かの最初の一言が、その集団全体の評価となります。
私の経験では、だいたいあまりよろしくない評価が多いです。
仕方ないと思います。
ミュージシャン…特にロックは、攻めたファッションの方が多いです。
そして攻めたファッションは人を選びます。
そしてA君は、選ばれた人ではなさそうでした。
A君は、私から見たら、ラグビーも勉強も頑張るし、ギターも上手だし、なかなかの男の子ですが、女の子たちの評価は辛辣でした。
この事実を頑張っているA君には伝えられませんでした。
卒業後も何度か機会はありましたが伝えていません。
これから先も伝える気はありません。
世の中には、知らないでいいこと、知らない方がいいことはたくさんあります。
A君がこのブログを読んで、気がつかないことを祈るのみです。
さて…
徳島県高校ラグビー選手権決勝で敗れて、ラグビー部を引退したA君には、よく話をするBちゃんという後輩の女の子がいました。
A君は島村塾の生徒なので、実名書いてもいいような気もするんですが、そんなことで怒らない奴なんですが、まあまあナイーブな内容だし、Bちゃんは島村塾の生徒ではないので、2人とも匿名のA君、Bちゃんでいきます。
続きます。
02 契約書
Bちゃんは、A君のバンドのメンバーでした。
そして、A君の攻めたファッションのよき理解者でした。
一般には受け入れられにくい攻めたファッションにも長所があります。
それは、一部の異性には、めっちゃ受け入れてもらえるということです。
それにA君は、見ようによっちゃ頼りがいというか、カリスマ性というか、惹きつけるものも持っていました。
だから、後輩からは、ちょっぴり、ほんのちょっぴり人気が…人望がありました。
まあ、とにかく、Bちゃんは、A君の攻めたファッションのよき理解者でした。
そういうわけで、A君は、Bちゃんは自分のことを好き…なんじゃないかって思っていました。
思春期の男の子には良くある思い込みです。
思い込みの悪魔に魂を奪われ、勘違いの契約書に署名して、幸せな地獄に陥る恋の殉教者を私は何人も見てきました。
それはまた別の機会にお話しします。
ただし今回の思い込みは、全然外れてるというわけではなさそうです。
A君とBちゃんは、ほとんど毎日、ラインでお話していました。
A君からのときもあるし、Bちゃんからのことも少なくはなかったみたいです。
その夜も、A君は、いつものようにBちゃんとラインでお話をしていました。
期末試験も終わったので、ついつい長話になってしまいました。
深夜0時を過ぎる頃…
A君『12時過ぎたよ。』
Bちゃん『ほんとだね。じゃあ、そろそろ寝るね。』
A君『うん。おやすみ。』
Bちゃん『おやすみなさい。』
嗚呼、この甘酸っぱい会話の懐かしい感じ!
今日は6時間も話してしまいました。
Bちゃんと話すと、本当に楽しくて時間が短く感じます。
A君は、Bちゃんも自分のことを好き…なんじゃないかって思っていました。
無理もない話だと思います。
私もA君の判断に同意します。
スマホを置いて寝ようとするA君は、C君からのメッセージに気がつきました。
昼間、Bちゃんが交通事故に遭ったそうです。
A君は、急いでBちゃんに電話をかけました。
つながりません。
A君は、C君に電話をかけました。
C君の話では、ずっと危篤状態が続いていたけれど、先ほど息をひきとったということでした。
A君に何度も電話をかけたけど、かからなかったそうです。
すると、今、お話してたBちゃんは…
不思議なことに、A君は怖いとは感じなかったそうです。
最後に話をしにきてくれたんやなぁ。
ありがとう、Bちゃん。
おやすみ。
続きます。
03 タックル
これまでの話
自らの過ちを精算するため悪魔祓いを続けるコンスタンチン・A君は、堕天使ルシファーに戦いを挑みます。
しかし堕天使にして完全なる悪魔、ルシファーの前には、ドラゴンの息さえも無力でした。
コンスタンチン・A君は思い込みの悪魔に魂を奪われ、勘違いの契約書に署名してしまいます。
堕天使ルシファーの翼は太陽を遮り、地上にはメギドの炎が降り、 人々は絶望の沼に沈み、 世界の終焉が訪れようとしていました。
このお話は、10年くらい前に書いたものです。
だから、引用する映画も漫画もそのくらいか、もっと前のものです。
これ書いた頃は、マトリックスからキアヌ・リーブスさんにはまってたんだと思います。
さて…
次の日の夜…
A君とBちゃんは、ほとんど毎日、ラインでお話していました。
A君からのときもあるし、Bちゃんからのことも少なくはなかったみたいです。
今夜はBちゃんからでした。
今日は、学校でBちゃんと会っていなかったし、バンドの練習もなかったから、話すことがたくさんありました。
深夜0時を過ぎる頃…
A君『12時過ぎたよ。』
Bちゃん『ほんとだね。じゃあ、そろそろ寝るね。』
A君『うん。おやすみ。』
Bちゃん『おやすみなさい。』
嗚呼、この甘酸っぱい会話の懐かしい感じ!
今日は6時間も話してしまいました。
Bちゃんと話すと、本当に楽しくて時間が短く感じます。
A君は、Bちゃんも自分のことを好き…なんじゃないかって思っていました。
無理もない話だと思います。
私もA君の判断に同意します。
スマホを置いて寝ようとするA君は、気がつきました。
Bちゃんは、昨日、交通事故で…
すると、今、お話してたBちゃんは…
不思議なことに、A君は怖いとは感じなかったそうです。
今夜も話をしにきてくれたんやなぁ。
ありがとう、Bちゃん。
おやすみ。
見たことのある、まるでデジャブのように見たことのある文章、手抜きのコピペではありません。
マトリックスが再構成されたのでもありません。
A君は、何の疑問も抱かず、昨日と全く同じ流れを繰り返していたのです。
次の次の日の夜…
A君とBちゃんは、ほとんど毎日、ラインでお話していました。
A君からのときもあるし、Bちゃんからのことも少なくはなかったみたいです。
今夜はBちゃんからでした。
今日は、学校でBちゃんと会っていなかったし、バンドの練習もなかったから、話すことがたくさんありました。
深夜0時を過ぎる頃…
…
もう1回くらいコピペしても大丈夫かもしれませんが、やめときましょう。
その後も、毎晩、ラインでお話していたということです。
お話が終わると気がつくけれど、お話している間は気がつきません。
気がついても特にどうということもなく、A君は寝てしまいます。
不思議なことは続きます。
朝…
A君は、朝出かける前に、必ず鏡でチェックします。
ボタン2つ外して魅せる大胸筋、キレてる!
よし!
アシンメ、非対称、かっこいい!
惹きあり、よし!
全体的に、いつも通りよし!
ふと後ろに目をやると、自分の後ろにBちゃんが映っています。
楽しそうにこちらを見ています。
ふりかえると、Bちゃんはいません。
教室に入ると、自分の席にはBちゃんが座ってます。
周りの同級生は、誰も気がついていません。
近寄るとBちゃんは消えてしまいます。
学校の帰りに食べる揚げタコ、1個1個がBちゃんに見えます。
8個のBちゃんが、嬉しそうに話しかけてきます。
『タックル、タックル!』
A君は高校ラグビー部のナンバーエイトです。
ナンバーエイトといえば、パワー、突破力、スピード、判断力、すべての面で高い能力を求められるチームの花形です。
それほど大きくないA君は、闘志で補ってその期待に応えていました。
Bちゃんも何度か試合を観に来てくれました。
A君に低評価だった女の子たちも、ラグビーの試合を見てくれたら、A君の評価も違っていたかもしれません。
さて…
ラグビー部の花形、ナンバーエイトのA君ですから、Bちゃんの言ってることは、そんなには間違ってはいません。
間違ってはいませんが、『タックル、タックル!』は、揚げタコが言うことではありません。
じゃあ揚げタコは、何て言えばいいのかっていうとあれですけど。
夜、電気を消して目を閉じるとBちゃんの声が聞こえます。
『タックル、タックル!』
朝、鏡の前でイケメンチェックをするA君の後ろで、
『タックル、タックル!』
どうやらBちゃんは、『タックル』が気に入ってしまったようです。
続きます。
04 聖ルチア祭
これまでの話
堕天使ルシファーとの闘いに敗れたコンスタンチン・A君は、思い込みの悪魔に魂を奪われ、勘違いの契約書に署名してしまいます。
世界の終焉が迫る中、天界のハーフブリード・ガブリエル・Bちゃんが現れます。
っていうか、Bちゃんは、A君の前にしょっちゅう姿を見せます。
鏡に映って『タックル、タックル!』
A君の席で『タックル、タックル!』
揚げタコになって『タックル、タックル!』
夜になると電話で『タックル、タックル!』
電気を消すと耳の奥で『タックル、タックル!』
何かあったら『タックル、タックル!』
もうタックルしか言いません。
普通の話はできません。
Bちゃんは、バンドの中でも特に仲のいいメンバーだったし、自分のことを好きだったかもしれないBちゃんが会いに来てくれるのは、それはそれで嬉しいんだけど、1日に何回もっていうのは、ちょっとしんどいです。
A君はラグビーが大好きですが、そんなに1日中ラグビーのことばかり考えているわけではありません。
タックル以外のことも考えます。
進路のこと、
音楽のこと…
バンドやギターのこと、
Janne da arcやAcid Black Cherryのこと、
それからウフッ…
なぜか、顔が赤らむ17歳のA君でした。
さて…
おりしも12月13日…聖ルチア祭です。
A君は考えました。
……………
…………
………
……
…
‥
・
聖ルチア祭って何?
昔、ずっとずっと昔…大学1年生のときのことです。
全学合同の夏合宿の打ち上げで、他の学部の4年の先輩が、イタリア語かドイツ語か、その辺の歌を全力で歌いはじめました。
受け狙いか本気か判らないんですが、両手を広げて、顔真っ赤にして巻き舌で…。
4年生から上の先輩は、またか?とか言って笑っていましたが、後輩、特に1年生はそれどころではありません。
当時のテニス部は上下関係が厳しくて、1年が4年の先輩が歌ってるのをクスッとでも笑ったら大変なことになります。
その先輩の学部の1年生にも緊張が走ってましたから、それまでにも何かあったんでしょう。
私は、突然のパバロッティを見ないように下向いて、つめが手のひらに食い込んで血がにじむくらい握りしめて、耐えていました。
もちろん、肩は震えていたと思います。
スゥアァントゥワァルルルゥゥティィィィヌァァァァ…
わざとやってるとしか思えませんでした。
それが、スゥアァントゥワァルルルゥゥティィィィヌァァァァ…サァンタァルゥチィアァ…サンタルチア…セントルチア…聖ルチア…でした…だと思います。
この話には全然関係ないんですが…。
さて…
おりしも12月13日…聖ルチア祭です。
それも、この話とは関係ありません。
12月13日で何か書きたくて検索して見つけただけです。
その年の12月13日は、ふたご座流星群のピークでした。
A君は流れ星にお願いすることにしました。
流れ星といっても…
流れ星といっても…
流れ星といっても…
ボケの顔がうるさいお笑いコンビではありません。
いい流れを思いつきませんでした。
流れ星だけに…
流れを…
流れを…
流れを…
ダメなときは書かない勇気も必要です。
さて…
A君は流れ星にお願いすることにしました。
堕天使ルシファーと闘うコンスタンチン・A君とは思えない、まったりとした解決方法です。
でも、この世の人ではないガブリエルBちゃんのことですから、このくらい思い切った解決方法が効くような気がします。
このとき、コンスタA君には不安がありました。
ふたご座流星群といえば1時間に何個も流れる…まあ言ってみれば流れ星大バーゲンです。
大バーゲンの流星群で願い事をしたとして、流れ星は叶えてくれるのでしょうか?
大バーゲンですから、地上で流れ星を待ってる人も多いでしょう。
流れ星へのお願いは、1個あたり何人まで大丈夫なのでしょうか?
もしかしたら先着順とかでしょうか?
何個かやっつけておけば、そのうちの1個くらいは叶うのでしょうか?
幾ばくかの不安を抱えながら、とりあえずA君は胸の前で手を組み、流れ星を待ちます。
続きます。
05 願い
これまでの話
堕天使ルシファーとの闘いに敗れ、ガブリエル・Bちゃんに翻弄されるコンスタンチン・A君ですが、聖ルチアの加護を受け、ふたご座のカストルとポルックスを味方につけて、ガブリエル・Bちゃんとの再戦に挑みます。
胸の前で手を組んで、夜空を見上げるA君。
今夜は綺麗に晴れていて、暗い星まで見えています。
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
待ちます。
!
○○ちゃんがでないようにし…
待ちます。
待ちます。
待ちます。
!
○○ちゃんがでないようにし…
待ちます。
待ちます。
待ちます。
!
○○ちゃんがでないようにし…
最近、コピペが多いような気もしますが、手抜きとかではありません。
A君が同じことを繰り返すから、私も同じことを書いているだけです。
そもそもコピペではありません。
毎回、一つ一つ心をこめて打ち込んでいます。
さて…
流れ星は、消えるまでに願い事を言わなければいけません。
A君は考えました。
流れ星が消えるまでに、A君は、『○○ちゃんがでないようにし』…12文字が精一杯です。
○○ちゃんがでないようにしてください
名前を入れて18文字になります。
これは無理です。
○○がでないようにしてください
15文字、惜しい。
っていうか呼びすてはちょっと…
○○ちゃんがでないようにしろ
14文字、さらに惜しい。
命令口調は、流れ星さんの反感を買いそうです。
このままでは、Bちゃんが出なくなるようにお願いするのは、自分の反応速度と滑舌から難しいようです。
A君は考えました。
………
………
A君は寝てしまいました。
花園予選、推薦入試、期末試験、最近御多忙のA君は、3分以上考え事をすると寝てしまいます。
A君は起きました。
A君は考えました。
………
………
A君は寝てしまいました。
A君は起きました。
A君は考えました。
………
………
A君は寝てしまいました。
A君は起きました。
A君は考えました。
………
………
A君は寝てしまいました。
A君は起きました。
A君は考えました。
………
………
A君は寝てしまいました。
コピペとは麻薬のようなものです。
A君は起きました。
A君は考えました。
Bちゃんが出なくなるようにお願いするのは、自分の反応速度と滑舌から難しいようです。
A君は考えました。
対策1
これから訓練して反応速度と滑舌を改善する。
結果が出るまでに流れ星大バーゲンセールは終わりそうです。
対策2
お願いの内容を短いものに変更する。
A君は更に考えました。
対策2 補足
短くしてもBちゃんが残ったら意味がない。
そらまあそうです。
A君は更に考えました。
A君は思いつきました。
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
待ちます。
!
ゆっくりながれてください。
06 10分
胸の前で手を組んで、夜空を見上げるA君。
今夜は綺麗に晴れていて、暗い星まで見えています。
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
!
ゆっくりながれてください。
A君は自分の賢さに感動していました。
流れ星にお願いをしたA君は、次の流れ星を待ちました。
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
!…
今までの流れ星よりも、少しゆっくり流れたような気がしました。
A君は、まだ半信半疑で次の流れ星を待ちました。
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
!…
もっとゆっくりながれてください
流れ星にお願いをしたA君は、次の流れ星を待ちました。
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
!……
さっきの流れ星よりも、さらにゆっくり流れました。
間違いありません。
A君はうれしくなってきました。
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
!……
もっともっとゆっくり流れてください
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
!………
もうA君、止まりません。
もっともっともっとゆっくり流れてください
A君は待ちます。
待ちます。
待ちます。
!…………
もっともっともっともっとゆっくり流れてください
!……………
A君は夢中でお願いを繰り返しました。
今では、流れ星は10分以上かけて、ゆっくり流れています。
途中、立ち止まって、こちらを見ている流れ星もいます。
助さん、格さん、もういいでしょう。
これを読んでおられる皆さんは、助さん、格さんをご存知でしょうか?
さて…
もういいでしょう。
〇〇ちゃんのことなんですが、出てくれるんはいいんです。
元々仲良かったし、そんなに気にはなりません。
たまに…週1くらいだったら、ちょっと面白いし、友達にも自慢できるから、むしろ嬉しいくらいです。
でも今みたいに1日に何回もはしんどいです
特に『タックル!タックル!』は、どうしていいかわかりません。
俺だって、いつもいつもテンション高いわけじゃないし、一人で静かに勉強したいこともあるし、回数は減らしてほしいです。
出るなとは言わないけど、回数減らしてくれたら…。
でも考えてみたら、問題はそこじゃないですね。
出るとか出ないとかじゃなくて、Bちゃんを生き返らせてください。
普通に事故がなかったことにしてください。
高校生って、どんなしゃべり方でしたっけ?
とりあえず、リアルのA君は、こんな感じじゃなかったような気がします。
さて…
言いたいことを全部言ったA君は、満足して帰りました。
続きます。
07 10秒 最終回
そして次の日…
朝、イケてるチェックに余念のないA君の鏡にBちゃんは現れませんでした。
学校の自分の席にも座っていません。
揚げたこは、無口な揚げたこでした。
すべてはいつも通り…
Bちゃんの交通事故はなかったことになっていました。
ふたご座流星群の流れ星は、A君の願いを叶えてくれたのです。
A君自身、Bちゃんの事故も立ち止まってこちらを見ている流れ星さんのことも、覚えていませんでした。
いつものように学校に行き、いつものように勉強して、いつものように島村塾に行き、いつものように膨大なる知識と深遠なる洞察力により、すべての生徒たちを間違いなく合格の門へと導く、高潔の人格者にして永遠の求道者、島村先生の完璧にして比肩するものもない奇跡の指導に感動の涙を流し、いつものように帰り、いつものように…
Bちゃんとラインで話ました。
今日はお話しすることがたくさんあって、ついつい長話になってしまいました。
深夜0時を過ぎる頃…
A君『12時過ぎたよ。』
Bちゃん『じゃあ、そろそろ寝るね。』
今日は6時間も話してしまいました。
Bちゃんと話すと、時間は本当に楽しくて短く感じます。
A君は、Bちゃんも自分のことを好き…なんじゃないかって思っていました。
無理もない話だと思います。
Bちゃん『あのね…』
A君『うん?』
Bちゃん『あのね…』
A君『何?』
Bちゃん『あのね…』
A君『うん』
Bちゃん『私、A君のこと好きみたい。』
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
キタキタキタキタキタキタキタキタ
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
オーラオラオラオラオラオラオラオラ!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
ふたご座流星群の流れ星の皆さん、ありがとう!!
オッシャー!
元気ですか~????
元気があれば、なんでもできる!!!!
い~ち、に~い、さ~ん、ダー!!!
A君は、心の中で叫び続けました。
Bちゃん『えっと…、あのね…やっぱり違うみたい。』
A君『ん?』
Bちゃん『A君は、頼りになるいい先輩だから…。』
A君『ん?』
Bちゃん『ごめんなさい。』
A君『あ、うん…』
こうしてA君は、告白されて返事する前に10秒もかからずふられたのでした。
もしキタオラ言わずに即答してたら…A君だけでなく、私も残念です。
皆さん、告白は計画的に…お返事はお早めに…タカシからのお願いです。
さて…
これを書きたくて、思わぬ回り道をしてしまいました。
ご存知の方、お気づきの方も多いと思いますが、このお話は、A君のラグビーの話とここだけがリアルにガチです。
普通に書いたら短すぎるので、他は全部盛りました…っていうか、ほぼ、作りました。
もちろんBちゃんは交通事故にはあってませんし、死んでません。
作ったら、無理やり感しかなくて、意味もなく長くなりました。
やっぱりあった話じゃないとつまんないです。
まあ、私は作家さんとかじゃないし、文書くのが仕事じゃないし…。
それまで、うちの生徒のお付き合いの最短記録は55分でした。
高2の秋、お昼休みに隣のクラスの男の子に告白されてOKしたんだけど、5時間目の授業中に、やっぱり嫌って思って、休み時間に断りに行ったそうです。
55分間だけの幸せでした。
今回は、大幅に最短記録更新の快挙です。
もうこの記録が破られることはないでしょう。
最長記録については、また別のお話にしようと思います。
現役最長記録は7年です。
その後A君には、すぐに新しい出会いがあったことを、ここに報告させていただきます。
A君の攻めたファッションの理解者は、Bちゃんだけではなかったということです。
っていうか、普通にしてたら、普通に人気があってもいいヤツなんです。
このお話は、ここまでです。
終ります