土曜の朝のサラ・オレイン




久しぶりの雨。
ちょうど心の中を映し出しているような感じ。



職場の看護師さんに諭されて、ずっと毛嫌いしていた病院へ行ってきた。


大人から言われて素直にやってみようと思えることが増えてきたのは、社会的には良いのかもしれない。





電車の中で寂しい耳にラジオを流す。


選曲のセンスが良い、CMが少ない、ニュースの伝え方が好き、などの理由で、まずチャンネルを合わせるのはinterFM 897。

その次が、Tokyo FMという個人的な決まり。


そんな習慣が運んできてくれた出会いの一つが、"土曜の朝のサラ・オレイン"


少しオーストラリア訛りのある、知的で愛情深く熱心な語りかけに惚れて、ほとんど毎週聴いている。




今朝も、彼女らしい、日本語とはまた違う含みを持ったやさしい挨拶(合言葉)での始まり。


"アーユーオーケイ?"


リスナーからの手紙の多くにもそれが書かれるようになって嬉しいと、彼女は言った。



また、バレンタインデーの前日には、"ありきたりな男女の恋愛を描いたようなラブソングは流しません。"と言い切った。

恋愛の形に囚われすぎて変なプレッシャーを感じたり、自分の気持ちを認められなかったり、そういう悩みに寄り添うためだった。



その日ばかりは、運転中だったにも関わらず、無理やりにメモを取って曲リストを残した。


『Scars To Your Beautiful』
アレッシア・カーラ

『Love Myself』
ヘイリー・スタインフェルド

『Ben』
マイケル・ジャクソン

『all the good girls go to hell』
ビリー・アイリッシュ




自分自身を愛そうというメッセージ、ネズミとの友情、若者を扇動する象徴的な歌詞など、彼女はそれぞれの曲に丁寧な解説を加えた。


英語のニュアンスも翻訳しながら、語られる言葉は博愛を超えていて、この世の全てを包み込むようにさえ感じられた。



不思議なほどに、わたしにとって、彼女の世界観はいつでも心地がよいのだ。



それは、身近にいる誰かと分かり合いたいと思い続けてまだ分かり合えない"境地"に限りなく近いからだと思う。


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