自撮りはポエム業界のイメージを下げるのか論争
「カンちゃん ネットいじめにあう」を読み返していた。
今回はデマの件は置いておいて。
しろろんは「自撮りをネットに上げるのははしたない」と考えている。その価値観だから、カンちゃんの行動が許せない。そして、カンちゃんの行動はポエマーすべてのイメージダウンにつながると思っている。だから攻撃するしそれは正当なことだと思っている。
実際の加害者も(内容は違うけど)この主張で動いていた。正しいと思っているから、反論されると怒ってエスカレートしていく。
「自撮りをネットにあげる」はポエマーのイメージを下げる行為なのか?
誰かに悪意を向けた行動ではないし、傷つく人がいるわけでもない。
仮にイメージダウンになるのなら、悪いイメージを持つ側の問題であって、カンちゃんが悪いわけでも、自撮りが悪いわけでもない。
イメージダウンにつながるという状況自体を改善する必要がある。
この問題を解決するためには、単純に「ネットいじめをやめよう」では難しくて、「他人の価値観を認める」教育が大切なのではないか。
「みんなちがってみんないい(ただし人に悪意は向けない)」すべての問題はこれで解決するはず。
世の中の人がみんな、そう思っていれば、「自撮りをネットにあげる」がイメージダウンにつながることも起こらない。
そもそもイメージダウンにつながるというのはしろろんの考えであり、実際はどうかわからないけれど。
「ネットに自撮りをあげない」というのは、しろろんの中の美学としてだけ大事にしていればいい。
カンちゃんが自撮りを上げたからって、その美学に傷はつかないし、しろろんのポエムにも傷はつかない。
しろろんの価値はしろろんだけで守り切ることができる。
だからカンちゃんを批判したり否定したりする必要はない。人の大切にしているものを否定するから争いが起こる。
そしてそのためには、周囲もカンちゃんとしろろんを切り離して考えることが大切。同じポエマーでも違う価値観で独立して存在しているのだということ。それを認めれば、幸せに一歩近づく……のではないだろうか。
また、あえて言うが、創作表現なんてものは消費する側にとっては命に係わるものではない。自分の好みに合わないものが存在するからって生活に多大な影響の出るものでもない。観る観ないの選択もできる。気に入らないならそっと離れて、自分が気に入るものを探せばそれでいいと思う。
(「それがあるから救われた」「それがあるから生きていられた」ということはある。私にも。しかし「それがないと救われない」「それがないと死ぬ」になってしまっては危険だと思う。
そしてこれは一つの創作物の話であり、創作表現すべてがなくなり選択することすらなくなってしまうのは、観る側にとっても寿命を縮める結果になると思う。だから表現の自由は観る側にとっても作る側にとっても守られるべき)
作る側にとっては自分の片割れであり、唯一無二だから、感想の域を超えた納得のいかない否定を受ければ気分が悪い。人によってはブチ切れる。それを度量が狭いというのは、攻撃する側の身勝手だ。
自分に直接的な損害がなく、また著しく倫理に反していないならば、他人の表現についてアレコレ言わないのが平和だと思う。
お金を出して観たものがイマイチだったら、その一回は「イマイチだった」という感想を述べる権利はある。しかし好みに合わないのを分かっているのに追いかけて「批判のための批判」をしだしたら、もはや迷惑行為の域だろう。
むしろ、自分の人生に何の関係もない存在に親の仇のごとく怒り続けられる熱量ってどこからくるんだ。
命かけるくらい好きだった作家が、自分の好みに反する方向に行ってしまった――そういう場合に熱烈なファンが熱烈なアンチになることはある。同化するくらいに好きになってもらえるのは作家冥利に尽きる。しかし、しかし。所詮は他人の作品であり他人の人生なのだ。合わなくなった時点で切り分けていくしかない。文句をつけて自分に合わせさせるのは違う。
言論・表現の自由は尊重されなければならない、が、それは他人の自由を脅かさない範囲でのこと。他人の言動にいちいち文句をつけるのを"自由"と開き直るのは違う。
例を挙げれば、作中で「サイトに自撮りの写真を載せるのは気持ち悪い」ところろんが言う。そりゃ自分宛にDMでちょいエロな自撮り写真でも送られて来たら恐怖だし気持ち悪いのもわかるが、自分のサイトに載せるのは自由だろうという話(※カンちゃんの場合は健全な写真)。ころろんが気持ち悪かろうがそれはころろんの中だけで完結させないといけない。不快を表明してもいいのは直接非常識な写真を送られた場合のみ。
他人を巻き込むか巻き込まないかの違いである。
(どうでもいいが今読み返すと、ころろんの部屋の描写が全年齢向けとしてなかなかにアウトである……半裸美少年が好きな年齢不詳の鳥)
※不快を楽しむ作品(ホラーとか)に気持ち悪い、というのは別。
そもそもしろろんはポエム一筋(補助的にイラスト)だが、カンちゃんは写真→ポエムという流れである。
始めから認識にずれがあるのだ。
こういう認識のずれからトラブルにつながることも多い気がする。
相手がどういうスタンスで動いているのか、まずそこを理解するのも大切だ。
それはそうと、作者的にはいじめっ子たちも可愛い自分のキャラなので、彼女たちがいじめをしなくなる世界線の話も描きたいな……と思っていたりする。
ネットいじめ防止活動とは別として、完全に個人的満足のために。
(ちなみにしろろんのサイトに載っているのは「イラスト」で、自撮りの写真ではない)
(クロックロは問いかけてくるけど、未だにあれ以上の対応の仕方が思いつかないよ)
しろろんたん。
※「お金を払って」「一回」と書いてますが、シンプルにしています。お金を払っていないと絶賛以外の感想を述べてはいけないとか、二回以上批判してはいけないということではありません。
アンチ活動のために追いかけまわして悪口を繰り返すのはもはや嫌がらせで、言論の自由以前の問題として人として行儀が悪いんじゃないのという話です。
あともちろんお金を払っているからと言って、何を言ってもいいということではありません。
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