カンちゃんのケンカ
小噺です。
こんにちは、クロックロだよ。
今朝はいつものようにカンちゃんは外に遊びに行って、ボクは書斎で書きものをしていたんだ。
そうしたら、外から、大きな猫の声が……
「みゃああああおおおおう!」
「みゃあああああああああああああおおおおおおおおおおおう!!」
これは、ケンカだ!
ミィくんはケンカするような猫じゃないし、知らないオス猫同士がはち合わせてしまったのかな……と思いながら、窓の外をのぞいたんだ。
見えたのは、にらみ合う二匹の猫。
一匹は白っぽい猫だけど、ミィくんじゃない(性別不詳)。
鬼のような顔をして威嚇している。
そしてもう一匹は、どうも見覚えのある、小ぶりで黒い猫……。
こちらに背を向けているけれど、どう見てもあれは……
「カンちゃん!」
呼びかけると、黒い猫の尻尾の先が動いた。
やっぱり、カンちゃんだ!!
一切、相手からは目をそらさず威嚇を続ける姿は、とてもじゃないけど少し前まで子猫だったとは思えない。
ボクは家から出て、二匹に駆けよりながら、もう一度カンちゃんの名前を呼んだ。
今度は、カンちゃんが振り返った。
その瞬間、白い猫がカンちゃんにとびかかり、二匹はもつれ合いながら転がった。
でもすぐに白い猫はカンちゃんから離れて、一目散にどこかに走って行っちゃった。
ボクが来たから、分が悪いと思ったのかもしれないね。
ボクのほうに走ってきたカンちゃんを、ボクはぎゅっと抱きしめた。
箱入り娘に育てようと思ったのに、やんちゃが過ぎるよ(-_-;)
カンちゃん、君子あやうきに近づかず、だからね!!
「なにそれ~」
ダメだこりゃ(-_-;)