『五星戦隊 ダイレンジャー』~巡り巡ってふりだしよ♪~
1993~1994年公開(日本)
監督、小林義明・坂本太郎・小笠原猛・東條昭平・渡辺勝也
脚本、杉村升、荒川稔久、藤井邦夫、高久進、井上敏樹
地球侵略をもくろむ妖力使いゴーマ族と、気力を操るダイレンジャーが地球を守るために戦う。
※ネタバレあり
管理人がリアルタイムで観ていた戦隊シリーズです。中学生になった時にももう一度観返して、さらにあとに最近、また観てみました。
子供向けらしい熱血でベタな展開の中に、微妙にドロついた人間関係やトラウマになりそうなホラー要素、シュールレアリズム、カオスが放り込まれた強烈な印象を残す作品です。
特に終盤の展開は多くの子供たちの心にトラウマを植え付けました。
アクションもかなりこだわっており、生身の状態でも子供向けとは思えない激しい殺陣が繰り広げられます。
特にゴーマ(悪役)の無国籍でカオスな雰囲気は非常に惹かれるものがあります。「自分の好きな世界観の原点ってここだったのか」と再確認しました。
強そう、怖そう、だけではなく、不気味で異様でシュールなところがゴーマやゴーマ怪人の魅力です。彼らは人間が「妖力」という特殊な力で変化しているものなので、知能レベルも高く変態紳士ぞろいです。普通にクリーチャー的な怖さじゃなくて、なんだか不気味で知的で怪しい怖さがあるところがいいのです。
ゴーマは一つ目が象徴で、ゴーマ宮なんてどうみてもフ○ーメーソンです本当にありがとうございましたという……そんなギリギリラインをいく様も魅力です(実際のところは意識したわけではないと思いますが)。
好きなキャラクターはダイレンジャーたちの師匠である道士・嘉挧(カク)です。格好いいんだ、格好いいんだよ、これが……(中康次さんんんっ)! 今見ると指示下手・説明不足でいろいろ問題のある上司だけども……! どうして、何も言ってくれないんですか、道士ぃっ!
~物語の背景~
6000年前、古代中国にはダオス文明が発展していた。ダオス文明には、「気力」を使うダイ族と、「妖力」を使うゴーマ族と、何も持たないシュラ族(現代の一般人の祖先)がいた。そしてダイ族とゴーマ族がその力でシュラ族を支配していた。やがてゴーマ族がダイ族に侵略戦争を仕掛け、二つの種族の争いの結果、ダオス文明は衰退していった。ゴーマ族は力を蓄えるために眠りについた。残ったダイ族も衰退し歴史から名を消した。
そして、6000年の眠りから覚め、再びゴーマ族が活動を開始した。それを察知した道士・嘉挧(カク)が、ゴーマとの戦いに備えて気力を使う素質のある人間を集めて「ダイレンジャー」を結成する。
まず「ゴーマ」というのが気になって。さらに「妖力」というのや、特殊能力を持った者が普通の人間を支配していたとか……。貴志祐介ファンとしては『新世界より』を彷彿とせざるを得ない( ゚∀゚)
ってか、シュラ族を支配というあたり、ダイ族も普通にワルである。闇が深い。
『ダイレンジャー』は単に悪役とバトルするというだけではなく、悪の組織内では政治的な争いがあったり、戦隊と敵方で休戦協定が結ばれたりと、子供番組にリアルな大人の事情が反映されるという斬新な内容でもあります。そこが深みとなっています。
次の「詳しい見どころ」では、
《熱く激しいオープニング&エンディング》
《絶叫系タイトル》
《大神龍さまのインパクト》
《魔拳士・陣の存在》
《クジャクと大五のセカイ系恋愛》
《トラウマのラスト》
《一度見たら忘れられないゴーマ十五世&ゴーマ怪人の変態率の高さ》
について掘り下げます。