ワイとギターと日本刀

■前置き

失恋した。いやもう、数億年ぶりの失恋である。こんにちは。はじめまして。わたしです。
急に何かって、わたしもよくわからないんですけど、とにかく失恋をしたのです。
付き合ってたひとにフラれた!とか、「すきです!付き合ってください!!」つってみたら断られた!とかじゃないんですよ。ただ勝手にちょっと好きになって、「ああ、好きだな〜。」と思ったまま過ごしている中で、「あっ、この人とはもう何も進展しねえ」とふと思っただけです。ほら、面接の時点で落ちそうな会社ってなんとなくわかるじゃないですか。いや違うな。もっと明確な...。なんだろう。あっ!アレだ!よくネットでみる「起きた瞬間に遅刻を確信」みたいな感じです。そんな感じで失恋した。

そもそも、私は基本的には【私のことが好き】な人を好きになる人間です。全ての条件が揃った勝ち確でしか勝負をしかけないようなもんです。だもんで、自分にそもそも好意を持ってない人間のことを好きになるようなことがないんですよ。だってアレじゃん。向こうを向いてる人を振り返えらせるより、元々こっちを向いてる人と話す方が早えーじゃん。

じゃあ、そんなような、私のことを好きではない人間にうっかりクラっと来てしまった理由といいますと。ただ一つです。あ、いや、2、3かな。

えっとねえ....


ギターがとっても上手だったんですよ。




それだけ。

ああっ、あと声と目の形と手の形が好きです。それと、優しいです。

.....。

......。




な!!
見ましたか!?
こりゃあちょろいもんです。
ギターうめえだけで「きゃぁ...♡先輩かっこぃぃ....♡ぃっぱぃすち...♡」ってさぁ...。中学生でも今時ねぇだろうよ...。ひでえもんだ。
これがしばらく男っけなく暮らしてた30代のわたしです。いい大人が情けないったらありゃしない。

そういうわけで、前置きが長くなりました。
まとめます。
【ギター上手な男に惚れて、アクションも起こしていないけど野生のカン的なもので失恋を確信した私(30代独身喪女)】がここにいます。
そんで、こっからが本題です。
今、目の前に何故かギターがあります。
物置部屋にすん...と鎮座するほこりを被ったアコースティックギター。中にKAWAIって書いてあるシールが貼ってあるので十中八九カワイってメーカーのギターでしょう。
持ち主不明の謎のギターです。うちの家族は楽器をやりません。昔私がピアノを習っていたのと、吹奏楽部だったくらいです。父も母も音楽は好きですがプレイヤー側にいたことはないです。
じゃあなにこれ。誰のギターなの?ってのをとりあえず父に聞いてみました「ああ、それねえ。山田さんの」と言ってました。誰だよ山田さん。知らねえ名前だ。

山田ァ!




■山田をチューニングする。


山田さんとは誰なんでしょう。
「山田さんはねえ。お父さんが競技用自転車をあげたひと」
と、父。ああ、それじゃあ自転車とギターを交換したのかと思うじゃないですか。
父曰く、そうじゃないけど、なんか山田さんギターたくさん持ってたから「ちょうだい♪」つったら一つくれた。とのこと。よくわかんねえな。よくわかんねえけど、このギターくんのことは山田くんと呼ぶことにしました。


で、思ったんですよ。
私は元々、80年代の洋楽が好きで中でもロックが好きです。ギターの音もだいすき。だからギターが弾けたら楽しいだろうにとは思ってはいたものの、何故か手を出すタイミングがなかったみたいで20年間くらい「ギター弾けるひとかっこいいなあ〜すげえな〜好きになっちゃうな〜♡」と思うだけ思って生きてきました。
そんで今この時点で、ギターが上手いってことだけで、人に結構ちゃんと恋が出来ることが判明したのなら、導き出される答えは一つです。


あっ、これ、
私自分でギター弾ければ、一生自分のこと好きなのでは????

気づいたら、リサイクルショップにてわけもわからずピックとチューナーを持ってレジに並んでいました。
まいったな。もともと自分のこと結構好きなのに、もっと好きになっちまうよ...。
ニヤニヤしながら会計を待ってる間に刀剣乱舞のコーナーをみたらミニもちたぬがあるじ待ちをしていたので抜かりなく保護。この子のなまえは“ぎたーぬ”にします。よろしくな。

さて。私の住む市では、青少年(?)の自己研鑽(???)を応援しる(????)施設がありまして。それがリサイクルショップの目と鼻の先なんです。もしかして、私のギターも応援してくれんじゃねえか?と寄ってみることにしました。思い立ったが吉日です。初めて行く施設です。どこで何をするのかよくわからないけど行ったらきっと職員さんがなんとかしてくれるはずです。気合いは十分です。テーマソングはフォリナーのジュークボックスヒーローです。


ワイ「こんにちは。ギターやりたいです。なんか公民館の講座ないですか」
職員さん「えっ!あっ、アッ、市民講座ですか?」
ワイ「た、多分そういうやつで...」
職員さん「今年度の後期の申し込み期間は過ぎています...ごめんなさい...」
ワイ「Oh...」
職員さん「あっ!でも講座によってはまだ定員が募集人数に達してない場合があります。そういうのは申し込めるので調べてみますね!」
ワイ「Oh!!」


....ほら!職員さんがなんとかしてくれた!
いやほんとはもっとちゃんとした調べして行くべきですよ。申し訳ないです...。だけど、こういうのは勢いが全てですから、一旦立ち止まると全部止まっちゃいます。職員さんごめんなさい。今だけ私のギター熱の犠牲になっt

職場さん「ああーー...。すみません。こちらのギター初心者講座は定員に対して応募人数がすごく多く、抽選になるようで...。もう応募できませんね」

あっ....
あ.....

そ、そうだよね..。いやはや、勢いでここまで来たけどまさかそううまいこと全部勢いだけで進む訳ありません。した調べなしに勝利なし。大人しく家に帰ってYouTube先生にギターレッスンを受けるしか。

ワイ「わざわざ調べてくださってありがとうございます。急に来ちゃってすみません」
職員さん「いえいえ、また来年募集がありますかし、今度は」
アナザー職員さん「まって!あなたギターが弾きたいの?」

お礼言って帰ろうとしたわたしですが、別の職員さんが急に登場したもんで帰るのやめました。そうです。それがしはギターが弾きたいアラフォー女性です。O型の蟹座です。

アナザー職員さん「ちょうどよかった!今、市民ギターサークルってのがあって。そちらならご紹介できますよ。初心者さんも歓迎で、ちゃんと先生が来て教えてくれるの。私その先生と連絡取れるから少しまっててくださる?」

や、や、
やったーーーーーーーー〜!!!!!
えー!ギターサークルってなに!?
サークル活動とか、わたしはアレだよ。ビッグサイトに同人誌持ってって頒布するアレしかやったことないけど、大丈夫なのかな!?よくわかんねえけど、やったー!!!


というわけで、失恋から1日。
もういい大人だし、泣くほど凹むことはないけど、クソ暑い中でそっと吹き荒ぶ秋風に攻撃された肌の乾燥程度には落ち込んでいたわたしです。
今やってる大河の【光る君へ】で、「書くことで癒される思いがある」とは言ってたものの、特に文章立てして綴るようなことでもねえしな...。とか思ってたけど、急にギター頑張る方向に舵が切られたもんで、それこそ数万年ぶりに同人活動と関係のない日記でも書いてみるかと立ち上げたエディタに長々と文字を打つ作業、すごく楽しかったです。
ここまで読んでくれたあなた、本当にありがとうございます。

さて。再来週にはその、ギターのサークルとやらに行くことになったので、せめて2週間は何かしら練習してからお伺いしようとおもいます。今日はわたしと山田の記念日にしましょう。早速さっき買ってきた新しいチューナーで、チューニングとやらをしてみましょう。多分今のわたしなら、チューニングこそ文学になるからよ。見てな。




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