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タクシー転職エージェントの言う事は半分しか信用するな

2024年から都内23区でタクシードライバーに転職して、ようやく売上が税抜70万を超えたところです。
平均よりは稼げていますが、目標にはあと一歩届いていない。そういう人間からこの業界へ転職を考えている方へヒントとなれば、とお伝えしたいことがあります。

前回の記事で大切な事として
・仲介してもらう転職エージェントを選ぶ
と記載はしていますが、これが結構厄介。
今回は転職エージェントだって大変だから、あなたが巻き込まれないようにしましょうよ。そんなお話です。


誰でも稼げるボーナスステージは、とっくのとうに終了しています

ドアの先に売上アップさせる道があるのが分かっていながら、自分の意志で勝手にドアを閉じて道を進まない方が居る。
それがタクシー業界と言うものです。
他の業界にもそう言う残念な方は居ますが、タクシー業界でこれをやる方は健康や休憩時間、乗務できる残りの距離など何かしらの事情が無い限りは、自然と淘汰されます。

検索エンジンなどの広告スペースに「タクシー転職」「乗務員募集中」の文字が出ている、そこのあなた。
それを観た限りでは確かにタクシーの給料がソコソコ良い様に感じるでしょうし、転職エージェントの話す言葉に心が浮かれそうになるのも無理はない話です。

でも、実際に乗務を開始してみるとどうでしょうか。
売上を上げるのは、意外と難しい。

もちろん簡単では無いことは重々分かっていて転職していますが、ほぼ毎回隔日勤務で税抜10万円なんて売上を上げている方は、そう滅多には居ません。
全乗務員の2%と言うとちょっと大げさだと思いますが、良く見積もっても3%が良いところ。
仮に税抜10万円の営業収入を稼げるだけ能力がある乗務員同士だとしても、肌感覚としては良くて20%を切る程度。
つまり仕事がかなり出来る人が6人とか7人居ても、1人しかその席に着けないぐらいに2025年の1月はシビアです。

これを書いているのが2025年1月ですが、繁忙期ではない時期なので実際には仕事がかなり出来る人が25人居て、たった1人しかその席に着けない。
華々しくSNSで画像をアップしたり武勇伝を言えるほどまでの金額を稼ぐのが難しく、オーバーではなくそれぐらい確度の高い情報に仕事の工夫と、かなり強い運が必要です。

それでも「稼げますよ」と転職を薦め、半ば無理やりタクシー会社へ送り込むのですから、転職エージェントもアコギな商売だと思いますよ。

転職エージェントの懐にいくら入るのか、ちょっと考えてみましょう

ほとんどのタクシー会社が未経験者もしくは経験者を採用する門戸を、年中開けています。
理由は「まだ採用できる枠が埋まりきっていないから」と言うだけ。

仮にタクシーの台数が100台ある会社の場合は、故障時の予備に回す車両を除けば95台ぐらいは毎日稼働させようとしています。
そうすると
・24時間働く人
・24時間休んでいる人
・週休2日で休んでいる人
・週休2日を返上して少しでも働きたい人
・急用や病気で仕事が出来なくなって、休まないといけない人
これらを上手く回す必要があるので、正確な人数は分からないにしても乗務員を240~250人ぐらいは雇いたいと言う業界です。
でも実際には230人程度しか在籍社員が居ない状況なので、もう少しだけ採用が出来ると言う会社が結構多いです。

そして1人採用できると、おおよそこれぐらいのおカネが動きます。
●紹介者(エージェント) タクシー会社から20~30万円
●採用された社員 設定されているタクシー会社なら祝い金として50~100万円、会社によっては100万超
更に養成期間中の出勤手当(おおよそ1日1万円前後)
●タクシー会社 未経験者の養成費用が国からの助成金として30万円

つまり転職エージェントにしてみれば、乗務員としてモノになるかどうかは別にして、月に3人就職させれば結構な金額になります。
実際には事務所を構えたり、HPを充実させたり会社の諸経費としてそれなりにおカネはかかるので、より質の良いドライバー候補生を送り込んで信頼関係を作り上げていくのが「事業継続」には必要な訳です。

誇張した表現はしてこないと思うが、念のためいくら稼げるかを確認

タクシー会社の求人も、応募してくる人も人数に限度はあります。
なので「稼げる」と言う表現で吊るしかありません。
ここまでは私も仕方が無いと思います。

でも、いくら稼げるかについては、エージェントや会社が誇張していないかを確認する必要があります。

税抜の月間売上額と、実際の乗務員が手にする収入(手取額)を、大まかな一覧にしてみます。
もちろん会社や年齢・東京都内でも住んでいる地域によって、天引きされる金額が違うので、手取額はプラスマイナス2万円前後上下するとお考え下さい。

税抜売上額に対する見込手取額の一例(2024年夏の時点)

東京23区と武蔵野市・三鷹市の平均売上が、税抜50,000~55,000円前後と言われるので、手取りは30万を少し切る程度か、30万にギリギリ届く程度。
これが退職金もボーナスも無い会社・業界で、1ヶ月に精神をすり減らし、事故のリスクも隣り合わせで行う仕事の対価として、相応しいのかどうか。

税抜55,000円の売上で留まるとしたらそこまで不釣り合いでは無いでしょうけど、子供を何人も産んで育てるなんて余裕は無いですよね。
実際私は派遣社員とWワークで、時給や手取額がソコソコ高いところで稼いでいたので、ボーナスなしであっても「こんなものか。年収下がるな」と思って転職しました。

転職時に私がお世話になったエージェントは「サボらず頑張れば、誰でも税抜売上80万円は目指せるし、無理なく到達できる」と言っていたエージェントでした。
その数字は確かにノウハウを愚直に実施し、休憩は適宜挟みながらも少し疲れを感じながら仕事すれば、確かに達成は出来るものでした。

でも上記金額を頭に入れたうえで「転職前の収入と同程度と考えると、税抜売上110万行きたい」と伝えたところ、エージェントからはちゃんと

それだけ頑張って仕事をできる人が就職しても、いきなりはさすがに無理です

と真摯に回答がありました。
全乗務員の上位10%少々が税抜売上80万円で、そこまで行くだけでも結構大変であると諭されたものです。

1乗務で税抜10万となれば景気が上向いている時は達成できるとしても、お財布の紐が固くなってしまえば気前良くタクシーを使って移動する人の総数が減ってしまうため、実際には実現が難しいのです。

売上と乗務員の収入が上がらない原因を理解する

景気の良い時と、そうでは無い時の違いを大まかにまとめてみます。
このあたりを正しく理解できている転職エージェントなら、任せてもいいでしょう。
また、「売上が伸びない時期の対策はあります」と言いながらも、実際には絵に描いた餅でしかないエージェントも居ますので、まずは転職を考えている皆さんがエージェントを篩(ふるい)に掛けて選別しなくてはいけません。

☆景気の良い時☆
・深夜でも早朝でも、タクシー乗り場に人が常に2人以上並んでいる。
・近距離のお客様も居らっしゃるが、平均すると6km以上乗っていただくお客様が7割以上
・都心は勿論、都心から離れた地区でも10分も走らないうちに、お客様から手が上がる
・お客様の支払を行っている最中に、次のお客様がタクシーに近づいて「乗れますか?」と聞いてくる

★景気の悪い時★
・早い時には午後10時台、遅くても日付を跨ぐと人が街中を歩いていない。歩いていても近所のコンビニへ買い出し程度で、タクシーを使う用途ではない。
・近距離のお客様が増える。長くても3km以下。
・都心であってもタクシー乗り場や繁華街に、空車が長い列を作っている。3時間とか4時間待ってもお客様が乗ってくれる保証はない。
・仮にお客様を運よく乗せられたとしても、次に乗せられるまで時間が掛かる
・月に何度か利用されているお客様ですら、タクシーの利用機会が減る
(例として)
大学病院に通っているが次回予約が取れない
一時的に病状が良くなって検査や診察へ行かなくて済んでいる
他の怪我や病気を併発して入院を余儀なくされている等

実際に乗務員デビューした2024年6月はまだ景気が良く、集中力も切らさずにガンガン走れたのもあり、売上を上げていくのは大変だけど「確かに頑張れば報われるな」と実感できるものがありました。

でも、11月になってからは毎出番ごとの売上が1割は落ち込んでいく感じで、酷い日には2割落ち込んだこともありました。
東京都内で考えられる要素としては
・夏過ぎまでは空港や観光地行きのバスが満席だったのに、ギリギリでも空席があって乗れるため、タクシーを使わないで済んだ
・空港や観光地行きのバスへ乗り遅れる人が一定数居てタクシーを利用していたが、そもそも乗り遅れなくなったか、利用してお出掛けする機会がなくなった
・飲み会をするとタクシーやホテル宿泊代で、飲み会の予算以外に臨時出費が出ても飲み会予算の3倍ならまだしも、5倍以上になったら耐えきれなくなってしまった
・訪日外国人観光客の層が変わって著しい低予算化(1ドル160円を超えた円安の影響が、ズレ込んで出てきている)により、空港や主要駅までの移動が電車や路線バスにシフト。いわゆるオーバーツーリズムの状態になっている
・とある国で経済成長を牽引してきた業界で大型倒産が相次ぐなど、経済成長が鈍化したどころでは無く貧困が顕在化したのがようやく日本にも波及。この国はより料金が安い違法白タクを利用し、日本国内にある同じ国籍の企業におカネを落とすだけしかできなくなった。
こんなところが考えられます。タクシー業界に限らず景気が悪くなった要員は衆院選とかアメリカの大統領が変わるとか、他にもありますけどね。

今から転職してタクシードライバーになると、いきなり冬の時代へ突入します

2025年の時点で転職エージェントも正念場を迎え、矢継ぎ早に「まだこのタクシー乗り場が穴場ですよ」とか「平均を大きく超える売上を実現できるノウハウを公開しますよ」と情報は出してくれています。

でもね、2024年末の時点で東京都内(23区と武蔵野市・三鷹市)には個人タクシーと、法人タクシーを併せて約62,000~63,000人のドライバーが仕事しているんです。
※東京タクシーセンターのHPより、東京23区と武蔵野市・三鷹市の地域で登録されているドライバー数の推移をご確認ください。

その情報が活きるチャンス時に就業しているドライバーが半数の3万人居たとしても、情報で出てくる乗客が数名~10名程度だと、多くても3~4人しかドライバーとしては美味しい思いが出来ません。

そうで無くても2023年2月から始まった「月間600人を超える新規受講者バブル」は丸2年が経過しても収まる気配がありません。

大卒直後にトライ&エラーを繰り返しても売上がどうにも上がらなかったり、違反や事故・それから心無い乗客のカスハラによって精神を病んでしまい、夢半ばにして退職していった人数が多い事も事実ではありますが

タクシーの認可台数も多過ぎだし、新人を入れ過ぎなんだよ

と思いますよ。

国土交通省がまだ運輸省だった頃から、タクシー以外の陸運業界に従事して居た身としては、年々「運輸業界を監督するはずのスペシャリスト」が霞ヶ関には居なくなったなと感じます。
どうすれば事故を未然に防げるのか、どうすれば供給不足と過剰供給にならずに済むか。その立案も実施も出来ないのに監督官庁だけが存在しているのが実情です。

ついでに申し上げれば「利用客が泣きを見ない交通政策」に関しては、21世紀に入る前に絶滅したんです。
なので、転職エージェントも会社も必死に口説いていますが、乗務員(タクシードライバー)を単なる事業の駒だと思っている会社・ブランドとは距離を置くべきです。

いろんな会社が美辞麗句を並べて「ウチは社員に優しい会社」だと言いますが、それならば何で此の期に及んで求人しているんだよ?としか言いようがありません。

避けた方が賢明なタクシーブランド

となる転職エージェントの社長さんがX(Twitter)で仰っていましたが、自社無線に問題があるタクシーブランドはまだ存在しています。

(とあるタクシーブランドの自社無線について)
・無線配車に協力的な車両を1台でも増やすことが大事
・運転手が嫌がるような非効率で長時間の無料拘束は即刻止めるべき
・35分前配車では効率が悪い
・無駄に拘束されて次の無線が取れない車が減ることで、無線配車回数が増やせる
※自社無線以外にも、タクシーアプリの無線配車もあるそうです

私の所属しているタクシーブランドの自社無線は、おおよそ20分前配車です。
それでも数分間無駄な時間があるとは思いますが、時間に十分な余裕をもってお迎え先に到着してお客様を待つことが出来るので、接客する気持ちの余裕は確かに作ることができる。
そうなるとトータルでは数分のロスも悪くないかなと考えています。

でも、このブランドは何もすることが無く待ちぼうけの時間が+15分な訳で、15分もあれば1組近距離のお客様乗せられるでしょうが。
業務改善に及び腰なタクシーブランドへの入社は避けるのが賢明だと思っていますよ。でも、出来の悪い転職エージェントはそこを何かと理由を付けて、転職希望者が無知なのを良いことにゴリ押ししてきます。

親身にあなた(転職希望者)の願いを聞いてくれるエージェントなら、そんなことは無いでしょう。
理由も単純明快に伝えてくれます。
売上アップに貢献してくれるような体制が整っていないと。

例えば先に言ったような自社無線の待ち時間であったり、
新人を冷遇するような無線配車であったり、
ワザとブラックリストに載るような悪質クレーマーを配車してきたりなどなど。

他にもタクシーの床に引いてあるマットが臭いとか、
整備体制が他社に比べて著しく悪く、故障が多いとか、
謎ルールで売上を上げられる地域への入構制限があるとか、
勧告や是正処置が繰り返し行われているタクシー会社であるとか。

そう言ったソフト面やハード面のマイナス要素とあわせて、会社の雰囲気と転職希望者が合うかどうか。
かなり真剣に考えてくれたおかげで今の会社に入れて良かったと思います。

どうしても隣の芝生は青く見える

もちろん細かなところを言えば、別のタクシーブランドの方がもっと稼げたような気はしますよ。
でも、無線配車で不利を受けそうな、エコ贔屓されないような感じはしました。
タクシーの乗務員に対して、会社がそんなイチャモンのつけ方する?と思いましたし、仮にそこの会社なら「売上の命綱になる無線が鳴らない時は、即詰んでしまう」となっていました。
それこそ税抜の売上が月間50万行くかどうかに落ちてしまっていたかも。

今の会社は無線こそあまり鳴らないにしても、乗務員同士「東京ドームでコンサート、いま終わったよ」とか「××線が人身事故で1時間ぐらい見合わせする」とか、リアルタイムにそう言う情報をお互い共有できる仲間が居ることが、ものすごく心強かったりします。
私からも「運転再開時間が伸びましたよー」とか「武道館も今終わりました」なんて情報発信をしています。

他人の日報と自分の日報と見比べて、売上が上がらなかった理由(この時間にあっちへ行っていれば良かったのかと言った内容)もつぶさに振り返ることが出来ます。

仮に理由が無かったとしても「こう言う考えで、○○駅のタクシー乗り場に行ってみたんです」と言ったトライ&エラーの過程も共有出来ているので、上手くいかない日でも大きく売り上げを落とさないようにする基礎をしっかり作れると言うのは、結果として年収が下がったとしても(偶然にも出費を減らすことが出来たので)満足が行く結果にはなりました。

何より仲間内で誰かが超ロングを引いたりすると自分の事のように嬉しいし、あまり接点のなかった先輩(しかも超ベテラン)からも「おめでとう、いつも頑張っていた成果がようやく出たね、良かったね」と言って喜んでくれる。
これは何事にも代えがたいですよ。

多分別のタクシーブランドだとそこまでではなく「フン、お前なんか事故れば良いんだ、調子に乗りやがって」とか「何か会社に言えない悪いことしたんだろ、お前」なんて言うクソドライバーも相当数居たでしょう。
若い人(20代)はそんなに多くないですが、50代を超えるドライバーの中には「何年も工夫して何をやっても上手くいかない」と言う方も居ます。

そりゃ上手くいってる人を妬みたくなりますって。

加えてローカルルールで「他所の会社はOKだけど、ウチの会社はそれを許可していない」って言うのが、入ってから分かることもしばしば起きています。

こればかりは転職エージェントであっても網羅しきれていないことがあり、入社試験の進め方が突然変わる(担当者の移動や退職・方針転換)とか、会社の体制が変わる(買収される、大手ブランドから離脱、待遇悪化)もどこかしらの会社では毎月起きています。

入社試験から実際に研修を受けるまでは早くても1ヶ月半、おそらくは2ヶ月~3ヶ月掛かるので、仮に1社落ちたor体制の悪い会社からしか内定がもらえなかったとしても、可能な限り焦らずに転職活動を続け「内定を辞退することもある」と腰を据えて、判断を間違えないことが肝要です。

転職エージェントが言いがちな言葉に対する、転職希望者の受け答え

・この会社は稼げます
 ⇒ 月の売上、税抜で総額でいくらですか?
(トップランクで税抜80万を切るようでは正直ヘボ。平均が税抜80万を超えるなら、無線以外の売上構成がどれほどなのかを聞いて判断してみましょう。実際の数字が目で確認できるようなら信用できます。)

・努力次第で誰でも
 ⇒ 努力は当然としても、運の要素を無視してますよね?
(実際にオイシイ思いをしている人は、景気が良い時でもひと握り)

・無線が良く鳴るので
 ⇒ 月間平均何件ですか?平均ではなく最低の実績は分かりますか?
(最低でも月50件なら悪くないですが、だいたい口を濁します。だって集計したって乗務員の士気はそんなに上がらないですもの。)

・万全のサポートをするので
 ⇒ 初回のサポートはいつ、どこで行われますか?
(動画を観るなど初回のサポートが内定してすぐの転職エージェントを選ぶのが良いです。)

・年収200万アップした方も多数
 ⇒ 総支給額30万以下、手取が20万前後の人の話ですよね?
(私は年収が500万以上あった為、年収は横ばいor微減でしたが、休憩時間や睡眠時間は増やせることが出来ました。もちろん私のエージェントは年収がガーンとアップしますよなんて話は、しなかったです。)

・家族や趣味に使える時間が増える
 ⇒ 実際に時間は取れなかったとしても、ストレスをそこまで感じずに群を抜く売上が欲しいんです。
(こればかりはストレスや営業できないリスクとトレードオフ(交換)となる要素があることは否定できないはずです。)

・サボらずやれば
 ⇒ とは言え、街中に人が歩いていない時や、タクシー利用をハナから考えていない方しかいない時間帯もありますよね?
(ここで具体的な時間や場所をアドバイスしてくれることもありますが、誰かが笑えば誰かが泣くのです。もちろんサボらずとも、自分勝手に営業して居るようではなかなか売上を上げていくのは難しいですので、的確な指摘や事実と美辞麗句が混じります。相手の一言一句、メモを取るのを忘れずに)

・働く時間をある程度自由に決められます
 ⇒ 早番あるいは遅番の出勤時間は何時でしょうか?
(毎日同じ時間にしなさいと言われる会社も多いですが、日によって○時~○時の間なら早めたり遅くして良いと言われる会社も結構あります。エージェントが把握できていないケース(つい先日変わった)も多いです)

・新人さんも安心して働ける
 ⇒ 営業運転や接客はどうにかしたいと思います。その他が大変だと心が折れてしまいそうです。
(車庫入れや洗車、点検や整備はどうなっているのかを確認してもらいましょう。場合によっては事前にはわからず、面接で初めて分かることもしばしば)

・運転に自信が無くても大丈夫
 ⇒ そうは言ってもバックモニターが無いと心細いです
(でも、バックモニターが無くても「超ゆっくりバックしなさいよ」と指導される会社なら、案外どうにかなるものですね。あるに越したことはないですが、無いなりに工夫をする方法でお話しで盛り上がることもありますよ。) 

・売上ランキングトップ10に入っている会社
 ⇒ そう言う会社があるそうですが、ランキングの生データは一般人である我々は見られませんよね?
(これは諸刃の剣なので、良いご縁も破談してしまう可能性はあります。ですが、高確率で「売上ランキングの上位に居る」と転職エージェントは真偽不明のアピールをしてきます。
真贋を見極めたいと意図を説明し、内情に突っ込んだ質問と「その会社のやり方なら染まってみたいです」と転職希望者側もアピールして、エージェントの立場も守ってあげた方が賢明です。)

職業選択の自由、即ち、転職エージェント選択の自由でもある

転職エージェントは使った方が得。
それならば転職希望者が選んで、使いこなしてやりましょう。
サポートの得意分野が若干違うと言うのも特徴です。

大手のタクシー専門エージェントですと、私が使ったことが無い会社ではP-CHANと言うのがありますね。
潜入レポートは確かに読みごたえがあり、綺麗な会社の設備などをしっかり載せている点は好感が持てます。

一部売上の金額について「それはどうなの?」と思うところはありますが、研修が長めの会社・短めの会社など他のエージェントに較べても情報量は確かに多いです。

一方で、私がお世話になったタクサポは、良い意味で「おまかせ」な転職エージェントでした。
研修動画の多さは他の追随を許さないですし、どこのブランドであるか関係無く汎用的に使える考え方のベースは見事と言うしかないです。
「とにかく早く上げなくては!」と最新動画を上げてくれることも嬉しいんですが、中には手ブレが酷く字幕も無い手抜き動画なのが玉に瑕。

どこに就職できるかに関しては選択肢が思っていたより少なめだったり、最新の情報には現場から吸い上げが弱めだったのも事実。
もちろん私が「あんな会社だとイヤだ」「これでは無理」と言った諸条件をクリアできる会社が少なかったのもあります。
その代わり私の担当エージェントは本当に良い人でしたし、お話ししていていつも時間があっという間。
的確な会社選びでしたし、仕事上の細かな所のアドバイス(夏はメッシュの革靴がおススメですよとか)も嬉しかったです。

新卒で採用した新人が研修施設周辺であまり良くないマナーだったことに一緒に苦言を呈してくれたり、配属先の班長や指導担当者に連絡してくれて厳しい研修体制にしてくれたりと、同じタクシーブランドの先輩として誇りに思える方でした。
私にはとても合っていたと言う点は事実。
でも、フォローが甘い・弱い部分があるのも、事実。


YouTubeなどの動画本数も多く、実車で教育してくれると言うサポートが合っている方はタクシー屋さんと言う転職エージェントも、候補に入れてみてください。

「タクシー関連資格コンプリート資格ホルダー」って表記が気になって、私は結局縁が無かったんですけど、顔出しでやっているだけあってサポートの手厚さは相当上位と言って良いでしょう。
タクサポとは毛色が違いますが、情報量の多さは相当なもの。でも、動画の視聴にはタクサポに較べて集中力が必要なのが若干辛いところ。


2025年はこれまで以上に転職エージェント間の比較も進むでしょうし、情報が弱い・分かりにくい・サポートが脆弱な転職エージェントの淘汰も進むはずです。
他にもタクシー専門転職エージェントは星の数ほど居ますし、大手ではないエージェントだからこそできる特別なサポート(情報や指導)がある可能性もあります。
ひょっとしたら新規参入してくるエージェントが優秀過ぎて、これまでの勢力図がガラッと変わってしまうなんてこともあったりして。

だからこそ「人材を送り込んで、ハイおしまい」ではないエージェントを選んで活用して欲しいと思います。

何より、タクシー会社が欲しいのは「会社の言う事を聞いてくれる新人さん」で「無事故無違反(無検挙)に無苦情で、会社の売上アップに貢献してくれる人」でしかないんです。
ついでに接遇も程々にこなし、教え上手で社内の人望も厚い人だと言うこと無いんですが、さすがにそんな人材は多くいませんよ。

仮に事故であったり苦情であっても事実確認をしっかり行い、ドライバーの心と立場を守りながら的確な指導を行ってくれる会社じゃなければ、なかなか定着は難しいです。

今居る会社はそこんところが厳しさもあるけど、優しい会社。
落ち度があればもちろん指導されますが、面倒でもひとつひとつ対応した上での苦情には「悪くないものは悪くない」と相手側にしっかり言える内勤が居て、心強い限り。

同じタクシーブランドの別会社が紹介記事で、売上80,000円超えでトップなんて言ってるけど、私の会社は平均では劣るにしても売上はもっと上の人がゴロゴロ。
売上平均を下げている人も「ちょっとの時間タクシーで仕事して、年金にプラス生活できる程度のお小遣い稼ぎだから」と割り切ってます。
そう言うバックボーンの説明も無しに、数字もブラックボックス化している年間売上ランキングと申されても、丸々信用する訳にはいかないでしょ。

・・・そう言う会社だったなんて、入ってみるまで分からない訳じゃないですか。
だからこそ転職エージェントに質問しまくる。
遠慮したり、「質問の回答が分かるまで決断できません」と引き下がらない事。
もしどうにも相性が合わないエージェントだったら、他のエージェントも使ってみる。そう言う姿勢も時には必要だと思いますよ。

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