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スウェーデンの専門看護師による薬剤の処方権

スウェーデンでは、特定の条件下で地域看護師(District Nurse)が医薬品を処方する権利を持っています。この権利は主に、地域看護師が患者に対してより迅速かつ効率的にケアを提供できるようにするためのものであり、医師の負担を軽減し、患者の医療アクセスを向上させることを目的としています。

地域看護師が処方できるのは、看護ケアに関連する一部の医薬品に限られており、処方権を行使するためには専門的な訓練と資格が必要です。また、処方時には患者の安全性を確保するために、ガイドラインやプロトコルに従いながら行う必要があります。この制度は特に、在宅医療や医師へのアクセスが困難な地域で有用とされています。



今週の大学院のコースでの課題は「特定の専門看護師、地域看護師の、薬剤処方の権利によってどのような利点と欠点が認識できるかについて話し合う」でした。
 
チャット形式で、各自が内容に関わる文献を探し、話し合っていきました。
以下は、議論をまとめてみたものです。(文献は省略しています。)
 
地域看護師に処方権を与えることには多くの利点があります。

診断、治療、フォローアップを含むケアプロセス全体に薬剤処方を組み込むことで、効率的で個別化されたケアが提供可能となり、患者の満足度と安全性が向上します。また、地域看護師が患者の薬物治療に責任を持つことで、医師の負担が軽減されるとともに、患者が医療機関を訪れる必要が減り、在宅での治療が容易になります。特に医師が不足する地域では、看護師が特定の薬を処方できることで、医療資源の効率的な活用や患者のアクセス向上が期待されます。さらに、看護師自身も専門的役割が強化され、自律性や仕事への満足感が高まるという効果があります。

また、地域看護師が薬を処方できることでより完全かつ包括的なケアを提供する機会が与えられ、その結果、患者の満足度が向上したことを示しています。


一方で、処方権にはいくつかの課題も存在します。薬物相互作用に関する知識不足や複数の疾患を抱える患者への対応が不十分な場合、誤診やケアの質の低下につながるリスクがあります。また、処方に伴う業務量の増加が、他の重要なタスクに費やす時間を減少させる可能性があります。さらに、雇用主や同僚からのサポートが不足している場合、ストレスやプレッシャーが増大し、処方の安全性や効果が損なわれるリスクがあります。

スウェーデン医師会も国家保健福祉委員会も、処方権の導入には以前は消極的でした。スウェーデン医師協会は、患者の状態を評価できるという専門看護師の知識に疑問を呈し、これには誤った診断を下すリスクが伴う可能性があると述べていました。また、国家保健福祉委員会は、教育、研修コストは、地域看護師が一般用医薬品を処方する場合の社会的コストよりも高くなるだろうと考えていました。 しかし、処方権が認められた後の調査では、処方箋を注意深く、安全に扱っていることが示されました。
 
 まとめ
これらの利点と欠点を踏まえ、処方権を効果的に活用するためには、地域看護師が十分な専門訓練を受け、継続的に知識を更新することが重要です。
処方権の導入により、地域看護師がより専門性の高いケアを提供できるようになり、医師と看護師の連携がさらに強化されることが期待されています。


という学びでした。
改めて、医療や患者に関わる法律を読み直したり、処方の手続きなど勉強しています。
職場にくる往診医の処方に関わる仕事の仕方も、とても興味が持て、
より私の担当する高齢者あった薬の処方になるように例えば薬の形状や生活時間に合わせた投薬時間など、医師に多くの情報提供ができ、仕事も楽しいです。

 

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