RigettiとRiverlane、量子コンピューターの耐障害性に向けてリアルタイムエラー修正技術を開発
量子コンピューターの信頼性向上において大きな課題とされてきたのが「エラー修正」です。これに対し、米国の量子コンピュータ企業Rigetti Computingと英国のソフトウェア企業Riverlaneは、リアルタイムで低遅延のエラー修正技術を実証し、量子コンピューティングの耐障害性(フォールトトレランス)に一歩近づきました。
エラー修正の重要性
量子コンピューターは、複雑な計算を従来のコンピューターよりも高速に行える可能性がありますが、その計算精度は「エラー修正」に大きく依存しています。量子ビットは微細な環境変化にも敏感で、エラーが発生しやすいため、リアルタイムのエラー修正が求められます。しかし、従来のエラー修正技術は遅延が発生しやすく、計算のバックログを引き起こしてしまう問題がありました。
低遅延エラー修正技術の実現
RigettiとRiverlaneは、共同で量子プロセッサ上でエラーをリアルタイムに修正する「低遅延エラー修正技術」を開発しました。この技術では、量子ビットが測定されたデータを1マイクロ秒以下の速度で修正できるようになり、計算の遅延がほとんど発生しません。この進展により、量子コンピューターが複雑な計算を長時間安定して行うことが可能となり、フォールトトレラントな量子コンピューティングに近づいています。
今後の展望
今回の技術は、特に金融や医療分野において高精度なデータ処理やシミュレーションが必要とされる場面での実用化が期待されています。量子コンピューターの耐障害性が確保されれば、さらに多くの応用が広がるでしょう。
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