アメリカでの核融合実験、エネルギー出力の記録を更新
2024年8月、アメリカの研究施設において、核融合エネルギーの研究が新たな段階に突入しました。2023年12月に実施された実験に続き、今回はさらに高いエネルギー出力を達成し、核融合の実用化に向けた重要な一歩を踏み出しました。
この実験では、192本の超高出力レーザーを使用して、わずかに米粒よりも小さなカプセルにエネルギーを集中させました。カプセル内には水素の同位体が含まれており、2.05メガジュールのエネルギーを与えることで、3.15メガジュールの核融合エネルギーを生成することに成功しました。これは、入力エネルギーに対して純増となるエネルギーを得たことを意味し、核融合エネルギーの可能性を示す重要な成果です。
しかし、今回の実験で使用されたレーザーシステムの駆動には、約300メガジュールものエネルギーが必要であり、商業的に利用可能な核融合エネルギーを実現するためには、さらなる技術革新が求められています。それでも、この成果は核融合エネルギーが現実的なエネルギー源となる可能性を示しており、今後の研究と技術開発に大きな期待が寄せられています。
この実験結果は、核融合がもたらすクリーンエネルギーへの道筋を開くものであり、エネルギー危機や気候変動に対する解決策の一つとして注目されています。
【参考文献】
- "Lab repeats nuclear fusion feat, with higher yield," Phys.org, August 7, 2024. Available at: [Phys.org](https://phys.org/news/2023-08-lab-nuclear-fusion-feat-higher.html)
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