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2024年上半期/サイバーセキュリティの最新トレンド:生成AI、成果指標、文化プログラムの重要性



2024年、サイバーセキュリティの分野では、技術的な進歩と新しい脅威に対応するための革新的なアプローチが注目されています。以下では、現在最も注目されている三つのトレンドについて詳しく解説します。

1. 生成AIの進化とその影響
生成AI(GenAI)は、セキュリティ業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。大規模言語モデル(LLM)を活用したアプリケーション、例えばChatGPTやGeminiなどは、セキュリティ運用やアプリケーションセキュリティにおいて新しい可能性を示しています。しかし、現段階では実用化に向けた課題も多く、特に生産性向上への過度な期待には注意が必要です。

ガートナーのアナリスト、アディスコット氏は「生成AIの進化はまだ始まったばかりで、現在見られるデモンストレーションは大きな可能性を示していますが、現実的な期待値を管理することが重要です」と述べています。今後は、ビジネスステークホルダーとの協力を通じて、この技術の倫理的、安全な利用を支える基盤を構築することが求められます。

2. サイバーセキュリティ成果指標(ODMs)
サイバーセキュリティの投資効果を明確に示すために、成果指標(ODMs)がますます重要視されています。これらの指標は、投資と実際に得られる保護レベルの間に直接的な関連を示すものであり、ボードメンバーや経営陣に対して説得力のある説明を提供します。

ガートナーの報告によれば、ODMsは防御戦略の投資戦略を立証する上で重要であり、非ITエグゼクティブにも理解しやすい形でリスクアペタイトを表現することができます。これにより、セキュリティ投資の価値を明確に示すことができ、効果的なリスク管理が可能となります。

3. セキュリティ行動と文化プログラム(SBCPs)
サイバーセキュリティリーダーは、単に意識を高めるだけでなく、行動の変化を促すことの重要性を認識しています。大企業のCISO(最高情報セキュリティ責任者)の50%が、2027年までに人間中心のセキュリティデザインを採用すると予測されています。

SBCPsは、従業員の行動を変えることでサイバーリスクを減少させるエンタープライズ全体のアプローチを提供します。これにより、従業員が独立してサイバーリスクの判断を行えるようになり、セキュリティリソースの効果的な利用が可能となります。アディスコット氏は「SBCPsを使用する企業は、セキュリティコントロールの採用率が向上し、不正行動の減少と迅速性・機動性の向上を実現しています」と述べています。

まとめ
2024年のサイバーセキュリティは、生成AI、成果指標、行動変化プログラムといった新しいトレンドにより、大きな変革期を迎えています。これらのトレンドを適切に取り入れることで、組織のセキュリティ体制を強化し、将来的な脅威に対処する準備を整えることが可能です。


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