Silver先物市場の闇
米国商品先物取引委員会(CFTC)が注視発言
約1か月前の2021年2月1日(月)、 銀のスポット価格が8年ぶりの高値を更新し、1トロイオンスあたり30ドル弱まで上昇しました。ウォール街やワシントンD.C.では、銀価格の安値と抑制された価格に既得権益を持つ組織が、熱を帯びてこの上昇を打ち消そうとすることが予想されました。
これは、米国政府の商品先物取引委員会(CFTC)のロスティン "ラス "ベーナム委員長代行が2月1日に前代未聞の声明を発表したことで明らかになりました。
ロスティン "ラス "ベーナム委員長代行
❝CFTCは、銀市場における最近の動きを注意深く監視している。欧州委員 会は、銀のデリバティブ市場の完全性に対する潜在的な脅威に対処するため、他の規制当局、取引所、利害関係者と連絡を取り合っており、詐欺や操作が行われていないかどうかを注意深く監視している❞
CFTCの声明は短いものでしたが、#SilverSqueezeをきっかけに現物Silverの需要が急増すれば、供給側に圧力がかかり、現在進行中の巨大な先物Silver取引の茶番劇が崩壊する恐れがあること、ウォール街とワシントンのパニックの誘発を示唆していました。
この声明はまた、#SilverSqueezeがウォール街にとって十分に重要であり、CFTCが他の規制当局、取引所、利害関係者(すなわち地金銀行)との調整の必要性を感じていることを示唆しています。
詐欺と操作
CFTC とSilver市場に精通している人は、CFTCの 『詐欺と操作についてこれらの市場を監視し、引き続き警戒している』という発言に疑問を持つはずである。
CFTCは2013年9月25日、COMEXのSilver先物市場がJPモルガンや他の銀行によって操作されていたかどうかを5年間にわたって調査した後、2008年以降の調査に7000時間を費やしたにもかかわらず、執行部と市場監視部は不正行為の証拠を発見しなかったと言って調査を終了させた事があります。当時のCFTCの執行部門のトップはデビッド・マイスターで、この調査を終了したわずか1週間後にCFTCを退社しました。
当時のCFTCのトップはゲイリー・ゲンスラーで、現在、バイデン詐欺大統領によってSEC(米国証券取引委員会)のトップに任命されようとしています。弁護士でもあるデビッド・マイスターは、元職場でもあるウォール街の法律事務所スキャデンに戻り、現在はニューヨークにてスキャデンの政府執行とホワイトカラー犯罪グループのトップを務めています。
ゲイリー・ゲンスラー、この男を信頼できますか?
そして、7000時間が費やされた2008年から2013年にかけての調査は、2004年以降にCFTCがCOMEXのSilver市場に対して3回行われた調査のうちの、たった1回分の調査に過ぎませんでした。いずれの調査でも何も見つかりませんでした。
❝2004年から3回、商品先物取引委員会はJPモルガンによる銀市場の市場操作の疑惑についても調査しました。❞
❝CFTCは2013年に3回目の調査を終了しましたが、逆に JPモルガンは民事訴訟を行い、これらのCFTCの調査に対し、原告が規制当局によって却下された銀の先物操作の "現実離れした陰謀論 "を蒸し返していると非難してきた。❞
しかし2018年になって、アヴィ・ペリーの指揮下にある米司法省とFBIが、2009年から2015年の間に貴金属市場を不正に操作したとして、元JPモルガン貴金属トレーダーのジョン・エドモンズ氏と有罪の司法取引を行い、その後、複数年に及ぶ貴金属操作スキームで司法省が2020年にJPモルガンに9億2000万ドルの罰金を科すことになりました。その時CFTCはもはや他の見方ができず、「不正と操作」を認めざるを得なくなりました。そして、CFTCはJPモルガンの罰金まで回収してしまったのです。ゲンスラー全く役に立たず、それどころか米国司法省とFBIの成果を横取りしたのです。ゲンスラーの下のCFTCは、以下のようなことを見つけられませんでした。
❝JPMorgan Chase & Co. (JPMorgan)は、司法省との間で、貴金属先物市場での数万件にも及ぶ違法取引に関連する2つの異なる詐欺行為に関する刑事告発を解決するための決議を締結しました。❞
❝JPモルガンの貴金属および米国債デスクのトレーダーは、8年以上にわたり、他の市場参加者を詐取するために、利益の拡大と損失の回避を目的とした数千件の違法取引を含む別個のスキームに従事していた。❞
更にCFTCは、今では知らないふりをすることができなくなったため、JPモルガンの貴金属トレーディングデスクの元グローバルヘッドで元LBMA理事会であるマイケル・ノワクに対する、司法省が進行中の起訴にまで関与するようになった。(必死に、出しゃばりw)
これらマイケル・ノワク達メンバーは、RICO陰謀を実行したとされ、「貴金属先物契約の市場を操作し、市場参加者を詐取するための大規模な複数年間のスキームに従事した」と、司法省の検察官に『犯罪組織』と呼ばれている。
実際に、2010年にCFTCがノワクにインタビューした時に
❝2010年、ノワクはCFTCの調査官との2日間のインタビューに応じ、銀行の取引戦略を説明しました。❞
❝あなたの知る限りでは、JPMorganの金属グループのトレーダーが、執行するつもりのないビッドやオファーを市場に出して、ヒットしたり解除されたりする前にそれを引き出したことはありますか」とCFTCの調査官は尋ねた。❞
❝『いいえ』とノワクは答えました。❞
こうして、CFTCは2013年までに行われた3件の調査のうち、3件目の調査を終了しました。
そして、信じられないことに、デビッド・マイスター(2013年にSilver市場操作に関するCFTCの調査を中止した後にCFTCを辞めた奴)が、なんと司法省の訴訟でマイケル・ノワクの代理人を務めていることが明らかになりました。こんなの普通あり得ないですよね。
容疑者登場(関係者全員怪しいけどね)
2021年2月1日にCFTCのロスティン・ベーナム委員長代行が発表した声明で、CFTCは『他の規制当局、取引所、利害関係者とコミュニケーションをとる』と言及していましたが、2月4日、すぐに他の規制当局が誰であるか明らかになりました。
ジャネット・イエレン財務長官は、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)、ニューヨーク連邦準備銀行(FRBNY)、および米国連邦準備銀行のトップを招集し【金融サービスについて話し合うオンライントレーダーの群れがGameStop、Silver、およびその他の株式や商品の価格の高騰を引き起こした問題】について会合を行いました。そして、財務省の声明によると、『イエレン長官は、これらの市場の完全性を維持し、投資家の保護を確保することが不可欠であると信じている』と述べた。
しかし残念。イエレン発言虚しく。2月の第1週は、ニューヨーク証券取引所に上場しているiShares Silver Trust (SLV)が目論見書を修正し、「銀の需要が一時的に供給量を上回る可能性がある」と警告した週でもあり、SLVが十分な現物銀を手に入れることが出来ませんでした。
更に、ニューヨーク証券取引所に上場しているアバディーン・スタンダード・フィジカル・シルバー・シェアETF(SIVR)も、目論見書を修正し、ウォール街に警告を発しました。『ヘッジファンドや大手銀行に損害を与えることを目的としたオンラインキャンペーンは、個人投資家が意図的に価格を上昇させるためにシルバーETPの銀と銀関連株式を購入することを奨励しています。』と警告した。
またまた登場ロスティン・ベーナム委員長代行
2月23日(火)には、CFTCのロスティン・ベーナム委員長代行が再び登場し、ウォール街の犯罪的で詐欺的な銀市場操作を非難した現物銀投資家グループの悪質さを警告しました。
❝おはようございます、2021年CFTCの市場リスク諮問委員会の最初のバーチャル会議にようこそ。始まる前に、最近の市場の動きについてコメントしたいと思います。貴金属に関しては、市場やソーシャルメディア上での最近の動きを注意深く監視していることを再確認したい。❞
❝貴金属とエネルギー市場における最近の出来事について、私は個人的に、CFTC全体の専任スタッフとともに、他の規制当局者、取引所、利害関係者とコミュニケーションをとり、デリバティブ市場の完全性に対する潜在的な脅威に対処し、リアルタイムで構造と透明性の懸念を評価しています。 私たちCFTCは、これらの市場に不正や操作がないかどうかを監視するために、引き続き警戒態勢を強化していきたいと考えています。❞
本当に、ベーナム委員長代行とCFTCのスタッフは、Silver市場の構造と透明性をリアルタイムで評価しているのでしょうか?Silver価格が上昇に転じそうなときに、JPモルガンのような地金銀行が継続的に大量のSilver商品を空売りして価格操作するということはないのでしょうか?
そんなことしたら詐欺ですよ。犯罪ですからね…
最近のSilver取引の関連情報を見ていきましょう
☝世界のsilver産業需要と、現物およびETF投資☝
☝2021年1月27日~2月24日までのsilver配達量☝
☝2021年3月5日現在の直近1ヵ月のsilver価格チャート☝
本当に、本当に、価格操作は無いのだろうか…
#SilverSqueezeとは
アメリカの掲示板SNS、RedditやTwitterを通して集まった個人投資家たちによる現物Silver購入・silverETF(PSLV)の購入を呼び掛けるハッシュタグである。そして掲示板でWall Street Silver(WSS)というグループを作っており、日々そのメンバーは増え続けている。
彼らは、上記のような価格操作により長年過小評価されてきたsilverの本当の価値を信じ、本来の価値を取り戻すことにより、今後Silverの価格は数十倍にもなると心より信じている。そして私もその一人である。
#SilverSqueezeは、簡単に言うと現物のSilverの取得。もしくはsilverETF(PSLV)の購入をすることで市場から配給できるsilverを枯渇させることにより、これまでに空売りを仕掛け価格操作をしてきたJPモルガンを中心とした地金銀行の金庫を空っぽにしてやろうという動きである。ポイントは先物市場(SLV)でのsilver取引ではなく、直接silverの現物在庫に影響を与えるように、現物silverの購入とsilverETFの購入に絞っていることである。空売り勢力は物理的に存在しないsilverが金庫に存在しないにも関わらず空売りすることは出来ないため(やったら詐欺確定)、しかし生産は供給に追い付いていない状況であることからジワジワと追い詰められているのである。
実際に、Silverはこれまでに歴史をさかのぼれば何度も高値を目指す場面があったにもかかわらず、そのたびに売り圧力による下落を経験してきたが、この力が今奪われようとしているのである。
世界には、10年以上ひたすらに現物silverの積み重ねを続けてきた猛者が沢山いる。今回そこにSNS掲示板を通してミレニアム世代や、ゲームストップ株などによる盛り上がりを見せたロビンフッダー達などの幅広い世代の投資家が加わり、一つのムーブメントになりつつある。
SNS掲示板は2021年1月29日に開設されているにもかかわらず、勢いのある個人投資家によるsilver買いは、冒頭に触れた2月1日の高値を演出し、関係当局をパニックにさせたのである。
そしてWSS軍団の動きはじめから、時を同じく、特にイーロンマスクの話題が目立つようになる。
WSS軍団界隈では、イーロンマスクは自身の会社、テスラの電気自動車に多くのSilverを使っている事から、#SilverSqueezeの影響でsilver価格が上昇すれば、大ダメージを受けてしまうことから、#SilverSqueezeへの注目を避けるために必死の話題作りをしているとの話が定説になっている。あまりにタイミングが一致することから非常にあり得る意見ではないだろうか。また、それが事実であれば産業界にとって#SilverSqueezeがいかに驚異的であるかを露呈させる事に繋がってしまうだろう。
WSS軍団の勢いはとどまること知らず
すでに、#SilverSqueezeによって、北米、ヨーロッパの地金金庫の在庫を供給不可にまで追い込みつつある。
巨額の上場投資信託(ETF)への巨額の流入により、これらのETFが保管する英国ロンドンのLBMA保管庫にSilverを保管しているかを計算する時ことができます。LBMAロンドンボールトには、JPモルガン、HSBC、ICBCスタンダード銀行の3つの地金銀行と、ブリンクス、マルカアミット、ルーミス、G4Sの4つのセキュリティ会社で構成される7つのボールトオペレーターによって運営されています。
また、ロンドンにシルバーを保管している13種類のシルバーバックETFがあります。これらのETFが、輸入または出荷せずにロンドンの金庫室でこれ以上銀を調達できないという壁にぶつかるまでに、どれだけの余地があるかを見積もることができます。もはや、それほど余裕はないのです。
LBMAが主張する10億8000万オンスの銀(33,609トン)のうち、ロンドンの金庫室に保管されているため、83.3%または28,007トン(9億42万オンス)がすでにこれらのETFによって消費されております。更に、同じロンドンの保管庫にBullionVault(BV)とGold Money(GM)が保有するさらに2,222万オンス(691.3トン)のSilverを追加すると、28,698トン(または9億2,265万オンス)になります。
これは、LBMAがロンドンの金庫室にあると主張するすべての銀の85.4%です。(2020年12月末までの最新のLBMAデータによる)
更に、米国造幣局は2020年と2021年1月までの金と銀の地金コインの急増する需要に応えることができなかったと語った。
もはや、WSS軍団を止める事ができない流れが形成されてしまっている。
解き放たれたsilver価格
それでは、解き放たれたsilverの価格は、一体いくらになるのだろうか?
現在(3月5日時点)、1オンス約25ドルで取引されております。そして彼もこう言っておりましたね。
様々な意見がありますが、現物銀1オンスに対して紙のsilverの請求権が1000もあるかもしれないとの主張もあり、スポットsilver価格が天文学的に爆発する可能性がある(silverアナリスト:デビッド・モルガン)ともいわれています。
他にも、ハイパーインフレ、通貨崩壊、金本位制への移行等、今後起こりえる可能性のあることが全てsilver価格を押し上げる要因になることにも注目されています。
これから来る大きな波に乗り、一生に一度の富の移転を体験するのか、それともただ指を食えて見ているだけなのかは、あなた次第になるのでないでしょうか。
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