【与太雑記】冬コミ原稿素案Ⅰ『第三章:高次存在-神(前編)』(メンバーシップ)
本文は冬コミ(C103)の原稿を素案という形で先行公開したものです。あくまで素案のため、同人誌に落とし込む際には適宜、追記・修正等が入る予定です。
神
序文
型月伝奇世界にはいわゆる神という存在が存在する。正確には存在した、と言った方が正しいかもしれない。神と呼ばれる高次存在が地球の霊長として君臨し、実在のモノとして人々に認識されていた時代を魔術世界では『神代』と呼ぶ。
現代にまで残る各神話に登場する神々。神代に実在したと思われる神々。これらが正確にどこまで同一の存在であるかは諸説あるが、現代の魔術師たちは、神話、伝説の多くを神代の解釈であると見なしている。
古くは「空の境界」、「月姫」、「Fate/stay night」の頃から設定として存在していた神、神霊だが、作品を重ねるにつれて設定も拡張、更新が続けられより複雑化している。本項目では設定の変化の流れを追いつつ、最新設定での神の設定についてまとめる。
TYPE-MOON第一期(空の境界~Fate/EXTRA)までの設定
型月伝奇作品は2012年のゲーム版「魔法使いの夜」以降を「消費文明」をテーマとした第二期として区分している。本著でもその区分に従い、ゲーム版「魔法使いの夜」より前の作品群を「TYPE-MOON第一期」、ゲーム版「魔法使いの夜」以降の作品群を「第二期」として分けて、設定の変化について整理していこうと思う。
◯神代とは
・星に神秘が溢れていた時代
神という存在が人々から認識されていた時代。それを魔術の世界では『神代』として扱っている。神が存在した時代では神秘は神秘ではなく常識として扱われていたため、現代の魔術世界で実現が不可能となった神秘も神代ではそう難しい技術ではなかった。
現代の魔術師たちは、神代では地球の自転と月との位置関係、星の巡りによる相克によって世界にエーテルが満ちていた、つまり世界そのものが優れていたため神秘も強い力を誇っていたと結論づけた。これがある程度正しいことは、「Fate/Grand Order」(以下「FGO」)第一部第七章「絶対魔獣戦線バビロニア」や第二部第五章「星間都市山脈オリュンポス」をプレイした人なら理解出来るだろう。だが、それが全てではない。
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