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【与太雑記】冬コミ原稿素案Ⅲ『第三章:高次存在-神(後編)』(メンバーシップ)

本文は冬コミ(C103)の原稿を素案という形で先行公開したものです。あくまで素案のため、同人誌に落とし込む際には適宜、追記・修正等が入る予定です。


各神話体系の神々

 神には様々な種類が存在する。自然や概念から生まれた神。人間から生まれ変わった神。由来や発生経緯によって分類される神だが、より大きな枠組み、つまり各神話体系ごとに比較した場合でもその在り方は千差万別であり、それぞれ独自の特徴を有している。まだまだ謎や疑問も多いが、現状判明している各神話体系の特徴を以下にまとめる。

メソポタミア神話とその神々

 地球古代からいる神々。いわゆる自然現象が擬神化され、意思や人格を持った古代の神に分類される。
 紀元前12000年のセファールによる先史神話文明の破壊からも生き延びた数少ない神性。その際にセファールと当時の神々の間である約定が結ばれる。この約定は1万4千年後の未来、とある物語にて果たされる事になる。
 メソポタミアの神々は神代の終わりに前にして天の楔ギルガメッシュを作り上げた。古き支配者である神と新しき支配者である人間。その両方の血と視点を持ち、両者関係性の決壊を防ぐ楔。それでいて最終的に神の陣営につくモノとして神々はギルガメッシュを作り出した。だが、ギルガメッシュはこの役割を放棄し、逆にメソポタミアの神代の終わりを加速させる要因となるであった。

ギリシャ神話とその神々

 北欧神話とともに神代欧州の半分を支配下においていた神話体系。地球外に起源を持つ移民船団の末裔。
 ギリシャ神話自体はエーゲ海の文明に端を発しているが、その起源はアトランティス文明と外宇宙から飛来したオリュンポス十二機神にある。出自が外宇宙であるためか、メソポタミア神話のイシュタルからは「居候」と呼ばれている。
 オリュンポス十二神は機神、文字通り機械の神である。別の宇宙の文明が滅びを前に作り上げた移民船団であったが、彼らを作り上げた知性体は母星を脱出する前に滅びてしまった。機神たちのみで母星の再生を目的に長い期間宇宙を放浪し続け、最終的に地球に漂着する。当時の人類に神として崇めれられた彼らは人類とともに大西洋にアトランティスを作り上げ、大いに繁栄した。だが、紀元前12000年に飛来したセファールの脅威性を軽視してしまったことで、オリュンポス十二機神は敗北を喫する。
 セファールに敗れたことで機神たちは機械の身体である『真体』を失い、大西洋に存在したアトランティスも滅びた。だが、その文明の残滓はエーゲ海に流れ着き、後のギリシャ文明の下地になったとされる。劣化を重ねながらも別宇宙の超文明の遺産は、ギリシャにて神として復権をはたしたのだ。その後もセファールの分霊たるギガースとの間で繰り広げられた戦争『ギガントマキア』(紀元前1500年頃)、太祖竜テュフォンとの激闘などを繰り広げた彼らだが、その神代の終わりについては不明となっている。その結末をキリシュタリア・ヴォーダイムは『人々に忘却される結末』と表現している。
 
 機械の身体、真体を持っていたのはオリュンポス十二機神とその一世代前の機神であるティターン系列艦のみである。それ以外のギリシャの神々は土着の神の概念を拾ったり、地球にある何らかの概念と端末が合体して新たな神となったモノに分類される。

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