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オールドスクールファンタジーの広大な地平で。

僕はここ数年、かなりオールドスクールファンタジーのミニチュア達に傾倒しているのだけれど、その中でも僕が特に惹かれる2つの要素について少し書いてみようと思う。

①オールドスクール=単に古いミニチュアでは無い。

写真のハーフリング達は、どれもレッドボックスゲームズの製品で原型の製作時期もほんの最近のものである。
※註記 2022現在、レッドボックスゲームズは諸事情によりデジタル造形に移行し、このハーフリング達も絶版になっている。ただし、日本ではハーミットイン商店にまだ在庫がある様だ。ミニチュア一期一会である。

こちらのアエノールミニチュアの製品もごく最近の造形だ。オールドスクールファンタジーミニチュアとは、『古い』のではなく、むしろ連綿と続いて来た伝統的なファンタジーの雰囲気を積極的に取り込んだミニチュアデザインと言った方が良いだろう。そして、目にした人が一目でファンタジーの空気を感じられるその造形に僕は強く惹かれるのだ。

②特定のコンテンツに縛られない自由な創造の源泉。

僕が感じるオールドスクールファンタジーのもう一つの、そして最大の魅力は、それぞれのミニチュア達が、必ずしも一つの世界観に縛られていない事。そして、それこそが新たな創造の地平となっているところである。

隅から隅まで精緻に作り上げられた世界観を持つファンタジー作品は多い。ミニチュアメーカーでも壮大かつ緻密な背景世界を持ち、その世界で活躍するミニチュア達をリリースし続けるメーカーもある。
勿論、オールドスクールファンタジーでも、同じことは出来るし、現に発表されている世界もある。例えば『ハルクウーベン』はハーミットインのオーナーである籾山氏が学生時代から描き続けた重厚なファンタジー世界だ。(ハルクウーベンに関しては籾山氏は意図して全てを表に出さない様に配慮していると感じるが、デスオアグローリーの各モジュール等、垣間見える断片からもその世界の徹底した作り込みは感じ取れるはずだ。)
一方で、オールドスクールファンタジーには、そうした既に作り上げられ発表された世界とは別に、まだ描かれていない広大な領域が残されている。

その領域では、新たなキャラクターや、世界が生まれてくる可能性が常にある。そして、そこに手を伸ばす時、ユーザーは消費者でなく、1人の創造者になるのだ。

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詳細は #メタルストーリー  のタグでそれぞれのエピソードを読んでもらうとして、こうした新たなキャラクターや世界、そして物語を生み出す余地がオールドスクールファンタジーには溢れているのだ。

伝統的なデザインを踏襲しつつも新たな世界や物語の発露となりうるジャンル。なればこそ、僕はオールドスクールファンタジーに惹かれてやまないのだ。


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